奥秩父 大血川・西谷石楠花沢右俣〜左俣(下降)


2007年9月15日  メンバー:森田L,飯田,石島,嶋,徳山


中津川・大若沢より続く)

9/16 予想外に?とても楽しく快適な一夜を過ごし、朝起きてみると天気はまずまずであった。もし悪かったら月夜見沢の佐治パーティーと合流との案もあったが、この天気ならば問題ない。カップ麺の朝食をとり、林道通行止め地点まで車で移動して出発する。しばらく林道を歩き、大きく右にカーブする所から沢沿いの道に入る。沢を何度か渡って道はかなり奥まで続いていて、その終点から石楠花沢出合までは僅かであった。出合付近で先行するパーティーに追いついたが、彼らはタカノス谷の方へ入っていった。
 石楠花沢に入るとすぐに二俣で、右俣・左俣ともに滝で出合っている。右俣の滝を越え、少し歩くとゴルジュとなり、いきなり30m大滝が現れる。この滝は実は「奥秩父の谷100ルート」には直登は不可能と書かれていたのだがそのときは全く知らずに、とりあえず登れそうな左壁の左上バンド沿いにロープを伸ばす。到達したテラスから上も何となく登れそうだったのでとりあえずセカンドで登ってきた徳山さんに確保していただきさらにルートを伸ばす。出だしのクラックはややいやらしく、その上は不安定な泥付きの壁が続いている。しばらく直上して立木でビレイ。ここで全員集結するわけには行かなかったのでもう少し伸ばしたいのだがロープが残り少なく、しかも瀑音で下との意志の疎通が出来ない。もう1歩上に行ければ何とかなるのではとロープにカラビナを結んで「なげわ戦法」で上の木にロープをかけようとしたがあえなく失敗。仕方なく一旦懸垂で下降し、飯田さんに上まで登ってきていただき不安定な立木の所でビレイしてもらいさらに上部をルート工作。最後は泥付きルンゼを気合いで登ると落ち口に出ることが出来た。落ち口に30mロープをフィックスすると、ロープが下まで届かなくなるので、再度下まで懸垂下降してシュリンゲをつないで後続をフォローする。何だかんだで1時間ほどかかってこの滝を突破したが、残置支点や踏み跡が全くなく、人の気配を感じさせない登攀で実に楽しく、何だか得した気分になった。
 さらに進みCS滝は左端の岩と岩の間の穴をくぐって登るがこれが何とも面白い。その先、ゴルジュの中に滝が連蔵するようになる。
 上部がトイ状の6m滝は水流左を登り、途中で水流をまたいで右に移ってトイ状はつっぱりで登るのだが、びしょ濡れになり非常に楽しい。おそらく平水だと何ということもない滝なのかもしれないが、今日の水量では迫力の滝登りとなった。次の4mは右壁を登るが、逆送気味で難しそうに見えるが登ってみると何とかなるものだ。
 最後の8m滝はせまいゴルジュの奥に左から斜めに水を落としていてなかなか見応えがあるが登ることは出来ず左から巻く。
 つめは敢えて長沢山には向かわず、右の支流に入り最低鞍部をめがけて登る。最後は急なガレを避けて急な樹林の中をひと登りで藪漕ぎもなく登山道に出ることが出来た。長沢山山頂にて大休止。
 下降は山頂から僅かに東へ進んだ所から下り出す。すぐに沢形がはっきりして、特に問題になるところもなくどんどん下っていくと5段35m滝となり右岸から巻き下るが、ここの土の斜面が少々いやらしい。あとは再びどんどん下り、右岸が崩れて大崩壊している所を過ぎ、二俣の滝はインゼルから右俣に入り右俣の滝を下降した。あとは来た道を戻るだけである。
 下山後、大滝温泉にて入浴し、秩父駅前の夢庵で夕食をとってから帰途についた。


 今回は悪天で3連休が潰されてしまった転戦でしたが、なかなか印象に残る山行となりました。特に石楠花沢右俣は、大滝があまり登られていないようでなかなか充実の登攀でした。続くゴルジュの滝群も豊富な水量のためか何とも楽しい遡行になりました。正直、「消化試合」かと思っていた2日間がこんなに充実するとは!。
 また、ここのところ雨など降っていないのに水量が多く、普段は涸れているだろう細い支沢まで水が豊富に流れているのを見て、1週間前の台風による大雨の影響でまだ水量が多いのは、山全体が天然のダムとして保水して徐々に放水しているからだと実感しました。ダムをつくるよりも森を守る事の重要さをあらためて教えられた気がします。 


コースタイム
9/16 駐車地点(?)―二俣(?)―長沢山(?)―二俣(?)―駐車地点(?)
 

遡行図
このページのトップへ

2007年の記録へ


トップ
はじめに
最近の山行
過去の記録
山の写真集
山の雑事集
自己紹介