帝釈山塊 湯西川・白滝沢左俣(途中まで)
2006年10月9日 メンバー:森田L,石島,斎藤,早田
(ナメイリ沢から続く)
10/7 JR高円寺駅で早田さんを拾い、関越道IC近くの某所で石島さんと合流、全員集合して大清水に向かう。関東平野を走っていたうちは確かに晴れていたのだが、北上するにつれて雨が降り出し、大清水についても全く本降りの状態であった。明日の天気の心配よりもこの雨の中どこで寝るかが大問題で、いろいろ探したがいいところがなく、結局少し手前の駐車場に普通にテントを張って寝ることになる。
今回、フライは長野さんが購入した新品で、最近のエスパーステントはフライの4角が張り綱で張るのではなくテントのポール末端に引っ掛けるタイプに変わっていたので雨の中でも設営は楽だろうと期待していた。しかし、土砂降りの中、いざ張ってみると旧来品と全く同じものであった・・・。周りに石はほとんどなく、ペグなど持ってきていない。新品だから発水性が優れているので暫くは持つだろうと思ったがやはり(当たり前だが)フライが張り付くと浸水する。仕方なく車に積んであったイワナ焼き用の竹串やハンマーなどあるもので何とかフライを本体から離すことに成功、辛うじて朝まで濡れずに過ごすことができた。
10/8 全く雨は止んでおらず、沢は大増水状態で北岐沢はあっさりと中止が決定。雨の中テントを撤収して今後どうするか考える。取りあえず天気予報を確認すると隣の栃木県の方がいくらかましな天気のようなので金精峠を越えてそちらに行ってみようという事になった。
金精峠は紅葉が大変綺麗で、奥日光に降りると湯ノ湖や戦場ヶ原に半円状の美しい虹がかかり(反対車線は大渋滞である)、十分に目を楽しませてくれた。こういう光景はなかなか見られるものではないと思う。
何しろ手許に資料が乏しく、特に地図がないので途中図書館、書店などで資料調達を試みるがことごとく失敗。唯一ある「帝釈山脈の沢」を良く見るとなんと表紙カバーが地形図になっているではないか!。これを使わない手はない。ということで馬坂沢支流のサル沢を登って田代山湿原に出ようという計画になった。ところが、馬坂沢沿いの林道を走っていると強風と供にまた雨がぱらついてくる。嫌な感じであったがさらに追い討ちをかけるようになんと軽トラックと正面衝突という予想外の出来事に遭遇。幸い速度はほとんどゼロに近かったので車のダメージはほとんどなく、行動はそのまま継続。やや荒れた林道をさらに奥まで進むが、今度は土砂崩れで完全に通行不能。天候も今一つスッキリせず、サル沢も諦めることに・・・。
さて話は振り出しに戻り、今後どうするか再び検討するが、私は今夜は雨の中テントを張るのは避けたいと主張し、地図が全くない現状から今度は湯西川支流の白滝沢を行けるところまでいって同沢下降とすれば地図はいらないだろうということになる。入渓点もキャンプ場からなので間違えることもないであろう。湯西川温泉経由で安らぎの森キャンプ場へ行くが、この時期キャンプ場は絶対にやっていないと思ったのだがまだ営業しており、仕方なく?更に林道を奥に入った某所でテントを張ることになる。物凄く風が強く、昨日濡れたテントはあっという間に乾いてしまった。今日は沢には入れずいろいろあった所為かその反動で?妙にお酒が進んでしまい、誠に楽しいながらも反省点も多い(私だけ?)微妙な晩となった。
10/9 風はまだあるもののようやく天気は持ち直し、これならば十分に遡行可能な天気である。予定通り白滝沢を途中まで遡行する事にする。
キャンプ場手前の駐車場に車を置いて歩き出す。林道を40分程歩くと入渓点に到着、遡行準備して入渓する。すぐに右側が切れた壁となり左は支沢が滝となって3筋ほど落ちている。さらに進むと左岸に白滝への古い遊歩道の名残と思われる梯子が何ヶ所か残っている。インゼルとなっている2つ並んだ滝は真ん中の岩を登る。30分程で二俣となり左俣へ入るとすぐに白滝となる。
今日は水量が若干多いのかもしれないが、なかなか立派な滝である。落ち口から柱状節理のハングした壁を放物線を描いて水が落ちていて、滝の裏側に入ることも出来そうだ(誰もしなかったが・・・)。直登は無理なので左から巻くが、上部の草付きのトラバースがちょっと悪く念のためロープを出す。
次の6m滝も登れず右から巻くが下りがやや微妙で落ち口近くの尾根状をぎりぎりまで下りて最後は補助ロープをフィックスして下った(懸垂下降したら帰りが登れないので・・・)。しかし、沢に下りてみると少し先にロープがフィックスしてありそれを使えば帰りも全く問題なかったのである(上からはちょっと分からなかった)。
その先はしばらく苔のきれいな小滝が続き、左から支沢をあわせてゴルジュの中の小滝を2つ程越えると10mトイ状滝となる。右壁が登れそうなのでフリーで登ってみるが、落ち口付近は滑りそうでやや悪い。後続にはロープを投げる。この滝を登ったところで今日はここまでとして大休止。即席で決めた沢にしては意外に楽しめたのでまあ満足といったところか(こう思うのは私だけ?)。下りは10mトイ状は左岸を懸垂下降、白滝も一応ロープを使ったが他は特に問題なく下った。
下山後、湯西川温泉にて入浴して蕎麦を賞味し、途中事故処理のため今市警察署に寄り、石島さんとの待ち合わせの関係で関越自動車道経由で帰宅する。(全く今後2度とないと断言できる何とも不思議な経路である・・・。)
今回はとにかくいろいろあり過ぎてなんだか分からなくなってしまうくらいでしたが、さぞかし悲惨な山行かと思いきやそれなりに楽しく思えてしまうから不思議です(これも私だけか?)。遡行の記録よりも他の記述が圧倒的に多くなってしまいましたが・・・。とにかく文句もいわず一緒に行動して下さった皆様、本当に有り難うございました。
コースタイム
10/9 駐車場(7:50)―白滝(9:00)―10m滝上(10:10〜10:30)―駐車場(12:25)
遡行図
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