サーモインナーの熱成型
  〜Dynafit Zzero4C-TFのサーモフィットインナーを自分で熱成型する〜


 昨年1月の村上山で右足のタンの部分に亀裂が入り、修理して使っていたノルディカTR-12(「山スキー用兼用靴(ノルディカTR-12)の破損、修理」参照)が、同じく昨年12月の草津本白根山でタンの上半分が完全に割れて取れてしまいました。修理した部分が壊れたのではなく、修理で補強した部分との境界が再び割れているので完全に材質の劣化でもう使用限界なのは明らかなので(購入後14年も経っているので今更言うまでもありませんが・・・)、急遽新しい兼用靴を買う事になりました。
 インターネットでいろいろお買い得なものを物色して検討した結果、Dynafitの昨年のモデルZzero4C-TFを購入しました。この兼用靴はサーモフィットインナーなので熱成型が必要ですが、インターネットで購入したものなので購入店で熱成型してもらう事が出来なかったので自分でやってみることにしました。


■ 成型方法
 熱成型のやり方はオーブンで焼く方法と熱風で暖める方法とがあるようですが、今回は工業用ドライヤーを使う方法で「山道具道楽」掲載の記事を参考にさせていただきました。ヒートライザー(ブーツの中に温風を送り込む筒)はトイレットペーパーの芯を3個繋げて製作し、工業用ドライヤーを一方に差し込み電源を入れ、温風の吹き出し口辺りを温度計で測ってみるとちょうど熱成型に適温の120度を少し超える程度だったので、この状態で中敷を出したブーツに差し込み15分程暖めてから中敷をセットして足を入れ、バックルを締めて待つ事20分程で完成。
 何とも簡単な作業でしたが、熱成型前はフィット感が悪く当たるところもあり、これで本当に使えるのだろうか?と心配でしたが、成型後はほぼ心配は解消しましたので出来具合はまずまずといったところでしょうか。


■ テントシューズに使えるか?
 本題から外れますが、私はテント山行の時はインナーをテントシューズ代わりに履いています。しかしこのサーモインナー、テント山行の時にテント内で履くには靴紐も無くあまり適しているように見えません。そこで試しにTR-12のインナーをZzero4のシェルに入れてみたところ、サイズが同じだったのでぴったり入ってしまいます。実際に足を入れてみると驚く事に全く違和感がありません。これならばテント泊の山行にはこちらのインナーを使ってみようかという気になってしまいますが実際どうなのでしょうか・・・


■ 使ってみて
 昨年12月の水ノ塔山、前武尊でのテストの結果は良好で、実際の使用に問題は無さそうです。また、前武尊ではTR-12のインナーを入れてゲレンデを滑ってみましたが、こちらも最初は足の甲が若干きつい感じがありましたが使用に問題は無さそうです。ただ滑降モードでの前傾の感じが両者でかなり異なり、インナーによってブーツの印象がこんなに変わるものかと実感できました。
(追記)その後4回程使用しましたがフィット感は大変良好で、自分でやった熱成型がまずは大成功であった事を実感しています。
(追記2)最初の成型後、1回だけ右足を熱成型し直しましたが特に問題は起こっていません。しかしながら、熱成型インナーは軽量というメリットはありますが、個人的には若干固い感じがしてあまり好みには合わない様な気がしています。

 今回サーモインナーのブーツを初めて購入してみましたが、自分で成型できると好みや不具合に細かく対処できそうでなかなかいいのではないかと思いました。とにかく今回の方法ならば熱成型はとても簡単なので不具合があれば手軽にやり直せるというのが素晴らしいと思います。ただ、再成型は3回程度が限界という情報もあるのでそんなに頻繁にできるものではないようですから注意が必要でしょう。


(2014年1月記、2月追記)





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