(森吉周辺沢登り 小又川・連瀬沢左俣より続く)
9/21 今日、桃洞沢〜赤水沢へ行く今井夫妻は早朝に出発していった。我々はうどんの朝食を食べ、ちょっとゆっくりして7時頃出発。
帰京する前に打当川立又沢の源流を散策すべく国道105号に出て阿仁経由でブナ森林道へ。ブナ森牧場手前でトウドウ林道へ入り立又沢を渡る橋の手前で駐車。一応足元だけは遡行準備をしてまずは上流に向けて歩き出す。
ここは何度も歩いているが実に気持ちの良いナメの小径が続く。やや薮が覆う所もあるが川底は完全なナメ床で、いつも夏に見られるニッコウキスゲはとうに終わってしまっているものの、紅葉し始めの木々がなかなか美しい。滝は全くなく、辺りは小さいスラブや湿原、秋田杉などの点在する景観の中をだだただひたひたと歩くだけという散策も何ともいいものである。のんびりと雰囲気を楽しみながらナメ歩き1時間程で遊歩道が横切り一旦遡行は終了。ここからトウドウ林道までの遊歩道は、「桃洞・佐渡のスギ原生林」で誠に見事な秋田杉が自生していて一見の価値はあるところである。
トウドウ林道を下って橋まで戻り、再度入渓して今度は沢を下流に向かって歩く。こちらは上流とはかなり趣が異なり、どんどん川幅が広がって立派なナメが続いている。歓声を上げたくなるようなナメ床をしばらく歩いて行くとナメ滝というべきかどうかちょっと迷うほど傾斜が強くなったナメの斜面となる。そこをフリクションを効かせて下りきると沢は右にカーブを描き、側壁は顕著なスラブとなっていて実に素晴らしい!。まさにナメの美しさここに極まる!といった感じである。
その先今度は左に屈曲し、さらに傾斜が増すナメの向こうに落差108mの幸兵衛滝の落口がある。ここでスリップしたらまず助からないであろう。右岸の乾いたところを行ける所まで行って引き返し、スラブの下まで戻ってお茶を沸かして休憩。すると板倉さんのザックからコージーコーナーのバームクーヘンが出現!。ティータイム後、ゆっくり昼寝でもしていたいところだが、今日は東京まで帰らねばならないので名残惜しいが適当に切り上げて、またナメの感触と景観を楽しみながら入渓した橋まで戻る。
車に戻り、ブナ森牧場を経由して国道341号に出て宝仙湖畔の「はなやの森」にて入浴、ざる蕎麦を食べて長い帰途につく。帰りは国道46号を経て盛岡ICから東北道に乗り、福島辺りまでは順調だったもののその後大渋滞で大変時間がかかり、結局終電に間に合わず皆さんの御自宅を回る事になった。
打当川立又沢源流は、今回のように最終日にちょっと寄るにはまさに打ってつけの所だと思いますが、あらためてそのナメの素晴らしさには感嘆させられました。遡行というより散策と言った方がぴったりですが、車道から入ってすぐにこれだけの美しいナメが展開する場所は他には絶対にないと断言できます(?!)。橋の上と下でまた違う景観を見せてくれるのも素晴らしく、桃洞・佐渡のスギ原生林と共にこれだけの自然が手付かずで残っている事にただ感謝するばかりです。
今回は天候に恵まれ、森吉の素晴らしさを心ゆくまで満喫できた大変楽しい3日間でした。同行下さったメンバーの皆様、ありがとうございました。
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