今年の海の日3連休に悪天で中止になった森吉に今度こそ行って来ました。天候に恵まれ最高の3日間となりました。
9/18 21:00新宿駅集合。なぜか中野長者橋ICを通り過ぎてしまい高松ICから首都高に乗るが、港北JCT手前で早くも渋滞。先が長いのにこんなところから渋滞に捕まっていてはもうだめかと思ったが、その後ドライバーの皆さんが頑張ったのが幸いして何とか湯瀬PAで仮眠する事が出来た。
9/19 まだ眠いが7:00頃出発。鹿角八幡平ICで下り太平湖方面に向かう。湖岸のジグザグ道を過ぎるとノロ川方面への分岐となり9:00頃にはクマゲラ保護センターに到着。遡行準備をして歩き出す。予想に反し9月下旬といえども大変蚊が多く、夏と全く同じようにぼこぼこになってしまう。虫除けスプレーがなぜかあまり効かない気がする・・・。
桃洞沢分岐を過ぎ、沢に入ると途端に蚊はいなくなる。ここからはいよいよナメ一色の世界の始まりである。観光客が数名いる中歩く事僅かで桃洞滝に到着。ここに来るのは今回で5回目となるが、その度に素晴らしい景観に目を奪われる。左岸のステップから簡単に登る。
滝上もずっとナメが続く。登りにくい所にはステップが切ってあるので全く苦労することなくどんどん歩けてしまう。いつかこのステップがすべて侵食でなくなってしまったらさぞ苦労するだろうなどと思いながら歩いて行く。
ナメの支流を右に分け、中ノ滝をいつもの様に真中をフリクションで越えて更に進むと男滝となる。この滝も水流右のステップに助けられて問題なく登ってしまう。今回は赤水沢に最短で繋がるルートをとるので、その支流の分岐だけは見逃さないように地形図を見ながら注意して歩く。
無事に目的の支流に入り、時折堆積物が覆ってしまっているがまだまだナメの続く中を歩いて行く。気のせいか以前歩いた時よりも堆積物が少ないような気もする。なぜかちょっとした手違いで最後の二俣状?を本来右のところ誤って左に入ったようで、2mほどの滝を越えて沢形が消滅したあともどんどん登りが続き、方向も違うので右に軌道修整。若干下るとすぐに本来の沢に戻る事が出来た。そのまま詰め上がるとやがて沢形が消え、そのまま真直ぐに下ると赤水沢のナメが始まる。
何回か合流を繰返しどんどんナメが大きくなっていく。本当に何度来てもこの素晴らしさは変わらないものである。やや傾斜がある所も皆さんもう慣れたもので フリクションを効かせてどんどん下っていく。途中、1箇所5mナメ滝で念のため懸垂用にロープを出すが、斎藤さんは左岸のバンド沿いに強引に?下っていってしまう。
沢と側壁スラブの規模がだんだん大きくなってくる頃、いよいよ核心?のうさぎ滝となる。まず手前の5m滝を左岸から巻くが、ここの側壁にあるステップが大分風化が進み、知らないとその存在に気が付かないくらいかも知れない。念の為ロープをフィックスする。
沢床に戻り、その下のうさぎ滝の上段はやはり左岸のステップを使うが木に捨て縄がたくさんかかっていてここも念のためロープを使用する。いよいよハイライトの下段はまず斎藤さんがトップを切って駆け下るが、途中からなんとウォータースライダーに!!。しかし滝壷には行かずに無事対岸へ。しかし他の方々はロープがないと・・ということで私が片側を木にフィックスしたロープを掴んで駆け下り、斜めにロープを張って全員無事に下降完了。ここは本当に楽しい!。下から見るうさぎ滝はやさしい表情で、大きな釜には岩魚が泳ぎとても和める雰囲気の場所である。
あとはもう滝らしい滝はなく、ただナメをひたひた歩くのみ。岩魚はいくらでもいるので掴み取りをして遊んだりしながら下る。玉川温泉方面の沢が合わさるとより一層沢幅は広がり、側壁スラブとナメで構成される実に素晴らしい景観がこれでもかというくらい続く。1日の余韻に浸りながらひたひた歩くのはまさに至福の一時だ。しかしあまり油断していると甌穴に落ちたりするのだが・・・。
登山道終点の目印から登山道に上がり長かったナメ歩きは終了。あとはまた蚊が多い登山道を足早にクマゲラ保護センターまで歩き今日の行動を終える。
下山後、「親子ふれあいキャンプ場」にて幕営。ここは毎度の事だが設備も奇麗で大変快適である。今日1日渋滞に巻き込まれていたという今井夫妻も無事合流する。夜はタープの下で、森吉のために東京から用意してきた「飛良泉」も実に美味しく、皆で大合唱の楽しい宴会と相成った。
(森吉周辺沢登り 小又川・連瀬沢左俣に続く)
桃洞沢〜赤水沢を周遊するのは今回で3回目になり最初に遡行した時からは既に12年経ちますが、自然の造型による素晴らしい景観、岩魚が自由に泳ぐ原初の自然の桃源郷は以前と全く変わらず、行くたびに本当に感嘆させられます。どこまでもどこまでも続くナメ歩きや、うさぎ滝を駆け下りるのは何度来ても実に楽しいですね。とにかく普通の沢では味わうことの出来ない、特別な何かがここにはあるのだとあらためて思いました。
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