尾瀬 片品川・中ノ岐沢 北岐沢


2008年6月14日〜15日  メンバー:森田L、斎藤、澤田石


 この時期、毎年恒例となっている「たけのこ沢登り」ですが、今年は尾瀬の北岐沢に行って来ました。

6/13 澤田石さんのご自宅に寄り。JR高円寺駅で斎藤さんと合流。練馬ICから関越道に乗り順調に北上、沼田ICで降りて大清水へ向かう。駐車場の脇にテントを張って小宴会の後仮眠となる。

6/14 なぜか予想に反して空はどんよりと曇っているが気にせず出発。林道をどんどん歩いていき1時間半ほどで入渓点に到着する。遡行準備をしているとまさかの雨がぱらついてくる・・・。沢に下りる途中で早くもたけのこを一本採る。ここで出ているということは早めに採取しておかないと上流に行くとまだ出ていない可能性が高いか?。
 沢に下りると結構水量がある。幅広の4mナメ滝を右から、続く大きな釜を持つ6m滝は右を小さく巻く。次の滝で伐採用のワイヤーが放置されていて気になったが、それを利用して越える。この辺りからたけのこ採りが本格化し、実にいい太さの食べ頃のものがいくらでも採れそうである。竹藪に入り手に持ちきれなくなったら下りてくるということを数回繰り返すと、もうズシリと重い位の収穫である。
 早くも雪の破片が現れ出す中を進み、10m2条滝を左から、続く綺麗な8m2段滝は右から越える。たけのこを採りながらのんびりと歩くと、幅広3mナメ滝の手前に山桜が咲いていてお花見をしながら小休止。
 さらに進むと沢が右に屈曲し、水の飛沫がかなり高くまで舞い上がっているのが見える。この沢最大の20m滝である。少し戻って右から巻き始めるが、上からこの滝を見下ろすと滝下で左からはいる左俣も大きな滝となっていてなかなかの絶景。おまけにピンクの石楠花が咲き始めていて華を添えている。
 大滝を越えると左岸に雪渓の残骸が頻繁に現れ、おかげでふきのとうを採ることができた。この辺りからは明るくナメの多い渓相が続く。1650m二俣を過ぎ、幕営適地が散見されるがまだ時間が昼前なので、天場があるか心配だがもう少し先に進んでしまおうということになる。相変わらずナメの明るい沢を気分良く歩いていくと最後の二俣(とこの時は思っていた・・・)になり、左の沢に入ったところにテントの張れるスペースを発見、ここを今夜の幕営地とする。薪は集めなくても豊富にあるがすぐ脇に雪の固まりがありちょっと寒そうだが・・・。
 まずビールで乾杯した後、斎藤さんはウド探しへ(結局採れなかったが・・)。私はもう上流に来すぎてしまったので釣りは諦め、澤田石さんと焚き火の準備。火がつくと早速直火でたけのこを焼いて食べる。太いたけのこが多く何とも美味しい!。自然とお酒もすすみそのまま夕食準備に移行。たけのこ御飯を焚き火にかけてあとは味噌汁と天ぷらである。今回はたけのこ以外はふきのとうが若干あるくらいであるが、たけのこだけで本当に充分すぎるほどの満足感であった。お酒も余る程あり誠に幸せな晩となった。

6/15 今日は二俣状を右に行けばすぐに小松湿原に出ると思っていたのだが、実際は若干(?)違っていた。うどんの朝食を済まし撤収して歩き出すとすぐに1:1の二俣となる。これが本当の二俣なのだが昨晩泊まった所が二俣だと信じきっている我々にとって右は雪が残っていて水量が多い枝沢だとくらいにしか思えず左へ進路を取る。
 4m滝を左から巻くと素晴らしいナメとなり「こんなの遡行図にあったっけ?」とも思ったが美しさを素直に喜んで先に進み、次の分岐を右へ入りこの辺が湿原かと思って登った先はただの尾根。ここでようやく間違いであると確信しちょっと戻って沢沿いにつめ再び湿原か?と思って出た先もただの尾根。軌道修正を試み反対側に下りてまた沢を詰めて今度こそ湿原か?と思った所はすでに稜線上の登山道であった・・・。
 こうなったら意地でも湿原を探そうと単身荷物をおいてその辺を歩き回ったが見あたらない。その間待っていた斎藤さんが地図と睨めっこしていて出た結論が「一つ黒岩山寄りの鞍部じゃない?」。結果はその通りで一つ西側の鞍部まで歩き、荷物をデポして北に向かって下る。途中から雪渓をグリセードしながら下りていくとようやく小松湿原に到着!。水芭蕉が美しく実に気分のいい所で、暫し休憩とする。デポ地点までは15分ほどで登り返して再び登山道をわずかに西へ進んだところから猿沢の下降に入る。
 傾斜もきつくなく、楽に下っていくとだんだんナメが美しくなってくる。滝もあるがほとんど歩いて下る事が出来てロープを使うような所はない。下るにつれて両岸にサンショウウオの罠に使う青い網が目に付き出すが、まだ時期が早い所為か仕掛けられているものは一つもなかった。
 かなり下まで降りて来るとなぜかヌルヌルの苔が大変滑りやすい所が度々出てくるが特に問題はない。それと同時にまたたけのこが出ているのでおみやげ用に採りながらのんびりと下る。一通り充分な量採れた頃、林道に出て下降終了。後半はたけのこを採りながらだったが、それでも稜線から1時間半ほどで下ってきてしまった。
 林道に出て靴を履き替えているとたまたま車が通りかかり、なんと乗せてくださるということになった!。最後の最後までなんて素晴らしい山行!!。ということで昼頃には大清水到着。帰りは花咲の湯に寄って温泉と食事をして帰るが、ここで舘野さんパーティーが行っている山域で大地震があったことを知る・・・。


 今年のたけのこ沢登りは条件が良かったのか大量のたけのこを採ることができ、夕食はたけのこづくしの文句なく最高の「たけのこ山行」になりました。私にとっては今までで最大の収穫量だったと思ったのですが、澤田石さんは川場谷でこの2倍ほど採ったとか・・・。やはり沢の中で食べるたけのこの天ぷらは最高ですね!。最後のつめは大失敗でしたが、斎藤さんの冷静な判断に助けられました。また、猿沢は登山道を歩く時間も僅かで済み、綺麗で歩きやすくしかもたけのこまで採れるという最高の下降路でした。おまけに車に乗せていただけるとは・・・。大清水まで乗せて下さった方、どうもありがとうございました。


コースタイム
6/14 大清水(7:00)―入渓点(8:30)―20m滝(10:05)―幕営地(12:30)
6/15 幕営地(6:30)―小松湿原(8:50)―林道(11:30)

遡行図
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