安達太良 赤留川


2008年6月28日  メンバー:森田L、新井、岩崎、徳山


 今回は天候の具合で直前に場所をころころ変更しましたが、結局ここまで北上すれば絶対晴れるであろう安達太良まで足を延ばし、しかも記録をほとんど見かけない赤留川を遡行してきました。

6/27 22:00新宿駅南口集合。首都高を経て東北道を北上、郡山JCTから磐越道に入り磐越熱海ICで下りる。母成グリーンラインを母成峠まで行き、峠の駐車場にて宴会の後仮眠。

6/28 朝から晴天でここまで北上した甲斐があった。準備していると山菜を採ってきたという地元の方からワラビをいただいた。車で赤留橋まで移動して橋の脇にある空き地に駐車して出発。
 最初は平凡なゴーロをどんどん歩いていく。しばらくすると本来は2条(3条?)のようだが1条水が涸れている?滝となる。涸れている溝を登ってみるがちょっと無理そうで右から巻く。またゴーロとなった沢をしばらく歩くと今度は美しい赤い2段15mナメ滝となる。1段目は水流の左をフリクションで登るが、見た目ほど悪くなくなかなか楽しい。2段目は水流右を登り、ちょっと滑りやすいが階段状で快適に登ることができた。上でロープをフィックスすると30mロープいっぱいであった。
 この滝を越えると、その上はとても素晴らしいナメ滝の連続となる。登山大系の「ナメ滝が200mほど連続する」というところだ。ここは本当に綺麗で心和む。つるつるだがフリクションをきかせてどんどん登っていく。
 ナメが終わり、左に崩壊地を見送ると釜のある多段の滝となる。最初の滝は釜の右側を微妙なへつりで越える。後続にハーケンを打とうとしたが適当なリスがなく断念。しかし全員フリーで無事突破する。その上は溝状になった小滝が連続していてなかなか面白い。最後の滝はちょっとホールドが細かいが巻くことも可能。
 さらに進むと、突然断崖に囲まれた滝が現れた。断崖といっても落差は10m程度だが、左右を断崖で囲まれ水量は少ないながらなかなかの迫力。こんな滝があるとは全く予想外で、水が落ち口から放物線を描いている。何となく大高巻きになりそうな感じだったので少し戻った右岸の崖を攀じ登ろうと試みたが難しく、素直にもう少し戻って左岸の樹林の中を巻き始める。ちょうど崖の弱点を突いた形で上に出られ、あとは藪を掻き分けて落ち口へ向かう。一度沢に戻ってみるとまだ崖の上だったが、2度目に戻った所はちょうど落ち口のすぐ上であった。
 ここからは渓相が一変して傾斜のないのどかな流れとなる。おまけに両岸はネマガリダケが生い茂り食べ頃のたけのこがまさに「雨後のたけのこ」状態で歩が遅々として進まない。この沢は地形図を見ると滝場が終わってこの平らなところが結構長いのだが、今回はまさにその部分がたけのこ採取場所となっているのである。
 滝は途中に上部がトイ状の5m滝があるのみ。しかし進むにつれてだんだん藪が覆い被さるようになり所々倒木もあり結構大変なのだがそれでもたけのこを採り続け、いい加減早く稜線へ抜けてしまおうとさっさと歩くことに決めても下を見るとたけのこが見えてしまいまた採ってしまうのである。徳山さん曰く「たけのこがこっちを向いておいでおいでしている」とか、「私のたけのこ人生で最太のたけのこ!」といった具合でとにかく際限がない・・・。
 いい加減藪っぽくなった沢を忠実にどんどん詰めていくとやがて沢は開け砂礫の中を登るようになり船明神山付近の稜線に出る。眼下に沼ノ平、安達太良連峰のすべてを見渡す事ができる素晴らしい展望である。
 ちょっと風があったので登山道を少し下ったところで採ってきたたけのこを調理して宴会とする。焼いたり茹でたり、徳山さん特製の鯖味噌煮入り味噌汁と、本当にたけのこだけで満腹になった。何とも幸せなひとときであった。あとは登山道を母成峠まで下山するのみ。この登山道は銚子滝方面への分岐を過ぎると大変藪が濃くなるがまだ歩行は可能である。途中から先行して赤留橋の車を回収してくる。
 下山後、郡山ユラックス熱海で入浴後、磐越道に乗り帰途につく。


 今回は梅雨の最中で行き先をどうするか直前で思案しましたが、この赤留川はWeb上でも読める記録が無く、何とも興味をそそられ行ってみました。結果は前半はなかなか楽しめる沢でしたが後半は傾斜の無い薮っぽい流れが長い印象を受けました。しかし、たけのこ沢登りには絶好の沢だったと思います。
 世の中、奇麗だとか素晴らしい沢だとかいう情報で場所を決める方は多いと思いますが、記録が無いから行って見たい!と思う人は(高いレベルでのチャレンジは別として)あまりいないかもしれませんね・・・。お付合い下さったメンバーの皆様、ありがとうございました。


コースタイム
6/28 赤留橋(7:30)―断崖の滝(9:50)―船明神山(13:20)―母成峠(17:00)

遡行図
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