鳥海山 中島台〜千蛇谷


2007年4月28日〜30日  メンバー:沢田石L,石島,斎藤,森田


 

 昨年のGWに天候不良の為、登山口まで行って断念した中島台からの鳥海山に今年も同じメンバーで行ってきました。昨年は雪が多く下からスキーが使える好条件でしたが、今年は雪が少なく薮漕ぎが怖いので実行を見送ろうかとも考えましたが、初志貫徹して行ってきました。条件が良ければ新山北面滑降もと考えましたが、その結果は・・・。

4/27 沢田石さん宅経由で23:00にJR秋葉原駅集合。扇大橋から首都高に乗り東北道を北上、村田JCTから山形道に入り古関PAにて仮眠とする。

4/28 起床後さらに山形道を西へ向かい、終点の酒田みなとで高速を下りて登山口である獅子ヶ鼻に向かう(途中象潟にて飛良泉を仕入れる)。林道入口を間違えて1本手前から入ってしまった為、両側の草木を車で押しのけての走行となってしまう。やはり昨年よりは大分雪が少なく、取水口のすぐ手前まで車で入る事が出来た。
 ここからどのようなルートをとるかが今回の核心?になりそうだが、取水口周辺は明らかに雪がなく、鳥越川沿いに進むのは薮漕ぎとなってしまいそうで賢明ではないと考え、「出つぼ」に向かう道を使う事にして板を背負って歩き出す。
 道はしっかりしていて出つぼまでは問題なく到着。出つぼは澄んだ湧き水の出る美しい泉であった。その先、中島台に向かう沢筋に雪がつながっているようなのでそこを進むと全く薮漕ぎもなく一段上の台地状に出る事が出来た。帰りの事を考え、この沢の下降点に赤布をつけておく。
 そこからはシール登高に切り替えブナ林の中を歩いていく。傾斜が緩いので高度はなかなか上がらないが気持よく歩いて行く。やがて鳥越川沿いのルートと思われる赤布と合流。更に南に向かって進むと倒木帯が現れ、尾根が顕著になり傾斜が増してくる。あとはこの尾根沿いに登って行くのみ。
 程なく細い尾根状の905m地点に到着する。ここは鳥海山と日本海が両方ともよく見え、鳥越川から水を汲む事も出来る素晴らしい幕営地である。早速テントを張り、沢田石さんが一升ビンごと持ち上げた飛良泉で乾杯となる。夕食を食べ、ほろ酔い気分で眺める夕日に染まる鳥海山が実に美しい。明日への期待が高まる。

4/29 朝目覚めると予想通りの快晴。ただし昨夜から風がかなり強そうである。ラーメンの朝食をとり出発準備をしていると3名パーティーが通って行く。
 最初は忠実に狭い尾根通しにしばらく登って行き、左から鳥越川から分岐する川をわたる(ここは川が分岐している珍しい地形のようだ)。あとは概ね鳥越川沿いに登って行くが、意外に地形は複雑で適当に歩きやすそうな所を選んで沢底を行ったり沢の右岸または左岸の台地状を歩いたりしながら進む。
 相変わらず風は強く、吹き飛ばされてきた雪片が顔にあたって痛い事もしばしば。しかし天気はいいので気分は上々である。順調に高度を上げて行く。千蛇谷がゆるく左へカーブして行くと七五三掛からのルートと合流する。風が強い所為か雪があまり緩んでこない。
 合流後の最初のやや急な斜面で雪面が固いためシール登高の限界になってしまい、私は強引にエッジで傾斜が緩むまで登ってしまったが、他の3名は途中でアイゼンに切り替える。傾斜が緩んでからもそのままアイゼンで歩いて行くが、斎藤さんだけはシールに履き替え、結果的には大分楽をしていた?ようである。
 その上は千蛇谷通しには行かず、夏道のルートをとり大物忌神社に出る。ここで荷物と板をデポして山頂へ向かう(雪面が固いため北面滑降は諦める)。祓川から登ってきた人々がたくさん外輪山から新山に登ってくる。
 2年越しの鳥海山山頂は感慨ひとしおである。ただ、千蛇谷を見下ろせる側のピークに行こうとすると、その手前がちょうど風の通り道になっているのか、ものすごい強風で斎藤さんと石島さんは断念しそうになっていたが、最後はスクラム徒渉の要領?で到達し、今日歩いてきたルートを見渡す大展望に更に感慨ひとしおである。
 充分に山頂を堪能した後、デポ地点まで戻りいよいよBCまでの大滑降である。下りは最初から千蛇谷へ下りるが、最初は向かい風が強くトラバースが漕がないと前に進まない。沢が広がるとそれも解消し各人思い思いにシュプールを描く。ここは斜面といい景観といい誠に素晴らしい。月並みな表現であるがまさにヨーロッパアルプスの氷河を彷彿とするスケールである。雪面も下るに従って適度に緩み快適な滑降がどこまでも続く。振り返るとどんどん新山が遠くなって行くがおかまいなしにどんどん滑って行く。最後は右岸通しに滑って行き、沢を1つ渡ってテントに戻った。夢のような滑降であった。
 その晩は2年越しの成功と滑降の余韻に酔いしれ、大量のキムチ鍋と飛良泉・七笑・真澄と銘酒が揃って久しぶりに壊れてしまうくらい幸福に浸る事が出来た。まさに至福の一夜であった。

4/30 今日は下山のみなので、のんびりとキムチうどんの朝食をとり下山にかかる。倒木帯までの尾根は傾斜もそこそこありなかなか楽しめる。その先はルートを慎重に定めながら進む。気のせいか登ってきた時よりも若干木がうるさく感じるが、滑るのに支障がある程ではない。
 忠実に平らな尾根を進んで行くが、末端でやや右に寄っているように思え少し左に進むとぴたりと登りでつけた沢への下降点の赤布に出た。そこからも沢沿いに滑って行く事が出来て、一ヶ所強引に板をつけたまま倒木をくぐり、とうとう出つぼまで板を脱がずに滑ってくる事が出来てしまった。何ともこれ以上望めない最高のフィナーレとなった。泉の湧き水をすくって飲むがこれがまた最高に美味しい。小休止後、板を背負って取水口へ。車に戻ると、水芭蕉の花が山行の最後を彩ってくれた。
 下山後、鶴泉荘にて入浴。偶然旧知のT氏に会うがなんと同じルートを登っていたとの事。帰京は順調であったが、佐野付近で事故渋滞で一旦高速を下りたものの、それほど大した時間はかからずに帰宅する事が出来た。

 今回の鳥海山は、昨年の再起でメンバーも同じと必然的に思い入れの強い山行になりましたが。全くその期待に100%答えてくれる最高の山行になりました。私自身、鳥海山を訪れるのは8回目になりますが、このように何とものんびりと鳥海山を楽しめた事は今までと違った側面を見たようでとても大きな収穫でした。これも気持を同じにした素晴らしいメンバーがあってこそでした。ありがとうございました。


コースタイム
4/28 獅子ヶ鼻(11:10)―出つぼ(11:42〜11:52)―905m地点(13:50)
4/29 905m地点(6:30)―大物忌神社(12:15)―新山(12:32)―905m地点(14:06)
4/30 905m地点(7:00)―出つぼ(7:40〜8:05)―獅子ヶ鼻(8:30)


地形図
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