南アルプス 野呂川・シレイ沢


2007年8月18日〜19日  メンバー:森田CL,沢田石SL,伊地知,田中(美)


 今年の夏は長期の山行には日程が合わず行けないので、何となく行く機会がなかった南アルプスのシレイ沢に行ってきました。鳳凰三山の稜線歩きも久しぶりに楽しみです。

8/17 JR府中本町駅23:00集合。国立府中ICから中央道にのり、双葉JCTから中部横断道に入り白根ICで下りる。芦安では無料の仮眠所があり、外で少々宴会の後、その仮眠所で仮眠となる。

8/18 翌朝バスでシレイ沢橋へ。ここで下りる人は結構いるようで、車掌さんもよくわかっているようだ。バスを降りると橋の下からいきなり滝となっていて、まずは10mほどの滝を越えると頭上に橋が架かっている。右から堰堤のある大きなガレた沢が入り、シレイ沢もガレガレの状態の中を登る。
 ガレが終わり最初の5mCS滝は左から巻き、次の4m滝も左から巻く。10m滝を越えると小滝が連続する。くの字8m滝は滑りやすそうで念のためロープを出す。次の5m滝は左の枝沢から巻き、続く10m滝は右から巻く。その上も4〜5mの滝が連続し、どんどん越えていく。滝を構成する岩の色はまだ黒いのだが、沢底にたまっている砂は花崗岩質で真っ白なのが何とも奇妙で面白い。なかなか立派な15m滝は水量が多く迫力があるが登れず右から巻く。左から滝で支沢を合わせ、4m滝は濡れながら登る。
 10m滝は灌木混じりの右壁を空荷で登る。途中残置支点もあるが4名登るには意外に時間がかかる。右から5m滝で支沢が入り、次の7m滝辺りから滝の岩の色もだんだん白っぽくなってきた。その先、3m滝を2つ程越えると大変立派な20m滝となる。
 何となくそのまま巻いてしまうのはもったいないので中段のテラスに出てみようと右の樹林を登るが、そんなに楽ではなさそうなのと、そのまま左岸で巻いてしまう踏み跡があったのでそれを追ったのだが、途中、トップで登る沢田石さんが ちょっと不安定なところで後続のために木にシュリンゲを固定したものを伊地知さんが引っ張ったところ、なんと木がその下の地面ごと滑り落ちてしまい一瞬ヒヤッとさせられた。幸い伊地知さんはそのまま立っていて木だけが下に落ちていったので事なきを得た。
 ちょうどその頃、滝下に別の3名パーティーが到着し、右岸をあっさりと巻いてしまった。我々はさらに巻き続けると巨大な白い花崗岩のスラブ帯となり、その縁にそって下降して沢に戻る。
 沢の降り立つとすぐに25m白い滝である。この滝も直登は出来ないのだが、先ほどの3名パーティーは右のスラブの端に取り付いて巻き始めていたので、我々は協議の結果左から巻くこととする。最初草付きスラブを少し登るとあとは樹林の中に踏み跡が続いていて実にあっさりと巻くことが出来た。
 白い滝の上はナメ滝が続き二俣となる。左俣の5m滝を登ると岩壁に囲まれた15m滝となり、少し手前の左岸から巻くと絶好のテントサイトがあり、ここで本日の行動を終了する。なぜか薪まですでに用意されていて?、周りにも流木は豊富である。時間はまだ12時を過ぎたところだが、かまわずたきびに火をつけて飲みだしてしまい、結局20時頃まで延々と宴会は続いたのであった・・・。

8/19 さすがに標高が高いので朝は寒いくらいである。早々にたきびをつけてうどんの朝食を食べて7:15出発。4m程の滝を2つ越すと奥の二俣となり、その手前で昨日の3名パーティーの方々が幕営していた。ここもちょっと狭いが展望も抜群にいいテントサイトである。
 左に入ると30分程で水流がなくなり、伊地知さんに「水汲なくていいのですか」と言われて慌てて水を確保する。涸棚を一つ左から巻こうとすると、樹林の中に踏み跡がずっと続いていて結局それを追っていくと正味40分程で稜線の登山道まで出てしまった。藪漕ぎもなく何とも楽なつめである。
 稜線からの展望は実に素晴らしい。快晴の中、山岳展望を満喫することが出来た。ここからの稜線歩きも実に快適で、久しぶりに縦走気分を味わう事ができた。白鳳峠から広河原へ下る。広河原では2時間程バスを待つ事になってしまったが、バス停近くの岩でボルダリングなどしながら時間を過ごした。

 シレイ沢は思った通り滝の多い楽しい沢でした。本当にゴーロ歩きが殆どなかった気がします。ただ、直登出来る滝が意外に少ないなとも思いましたが、それを補って余りあるほど稜線歩きも楽しめました。時間に余裕があるので1泊ならばのんびり楽しめるのも良いですね。手軽に南アルプスの稜線に立てるという意味でもお勧めの沢だと思いました。


コースタイム
8/18 シレイ沢橋(6:54)―白い滝(11:15)―二俣(11:50)―幕営地(12:10)
8/19 幕営地(7:15)―奥の二俣(7:30)―稜線(8:50)―観音岳(9:45)―広河原(14:00)


遡行図
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