平ヶ岳 中ノ岐川・平ヶ岳沢


2007年10月6日〜8日  メンバー:森田CL,佐治SL,今井(涼),斎藤,舘野,徳山


 今回は平ヶ岳集中山行ということで、シロウ沢ワカゴイ沢、恋ノ岐川、平ヶ岳沢と3本の沢から総勢16名が集中する事となりました。銀座山の会では7年ぶりの平ヶ岳集中遡行となりましたが果たして結果は・・・。

10/5 安井さん、佐治さんを御自宅付近で拾い、東横線祐天寺駅で他メンバーと合流。全体の集合場所である上里SAへ向かう。全員無事合流後、小出ICで関越道を下りて単身他の山へ行く今井(敏)さんとはお別れ。シルバーラインを経て銀山平にて仮眠とする。シートを敷いて飲みたい者のみ外で宴会。シャンパンまで飛び出し大盛況であった・・・。

10/6 遡行準備を整えて各自車に乗り込み出発。まず雨池橋で平ヶ岳沢パーティー4名を降ろし、恋ノ岐橋で恋ノ岐川パーティーが降りて鷹ノ巣へ。車2台にしてシロウ沢ワカゴイ沢パーティーを砂子平まで送り鷹ノ巣へ戻り、最後は私の車以外は全て鷹ノ巣に置いて舘野さんと雨池橋へ戻る。他の4名には大変お待たせしてしまったがこれでようやく出発。
 今日は晴天の予報の筈だが、何だか雲行きが怪しい。しかし、林道を歩いているうちに徐々に良くなってきてひと安心。途中、中ノ岐川本流に下りて遡行しようとも思ったが、結局山ぶどうなど摘みながら終点まで林道を歩く。休憩合わせて4時間程で本日の行動はおしまいである。
 登山道が平ヶ岳沢を横切る地点の少し下流に絶好の幕営地を発見。薪も豊富にある。早速若干整地してテントを張り、日があるうちは昼寝などして過ごし、陰ってきてからは焚火に移行。芋、栗などを焼きながらのんびりと過ごす。夜になると頭上には満天の星で全く素晴らしい一夜となった。

10/7 今日は朝から天気がよく、東の空に三日月のように欠けた月が金星と並ぶ姿が大変美しい。寒いので焚火をおこして朝食をとり、6:45出発する。
 ナメ滝をいくつか越えていくと左からナメで支流が合わさる。本流もさらにナメ滝が続く。深く磨かれた剱ガ倉山からの支流が右から入り、2段8m滝を左の草付きから越える。ゴルジュの中の3m程の滝を過ぎると傾斜の緩い10mナメ滝となり、もう一つ同じような滝を越えると5mCS滝で左の溝状を登る。その先、いよいよ核心の二俣ノ滝となる。
 ここは左岸からの高巻きも可能らしいが、我々は左の側壁をトラバースするルートをとる。まず左手前のルンゼ状を登るが、ガラガラでやや不安定。上部で右にトラバースしてテラスに出る。ここから懸垂で一旦5m程下りてからバンド沿いに左壁を斜上していく。このトラバースは右側がスパッと切れ落ちていてスリル満点!。2カ所程1段下がらなければならないところが少々いやらしく、セカンドで登ってきた佐治さんにルンゼで回収したハーケンを全部持ってきていただき、打ち足してA0用シュリンゲをセットした。ラストの舘野さんにはそれらを全部回収していただく。ここはかなり時間を費やしてしまったが全く豪快なトラバースルートで、実に充実した登攀となった。その先右俣の30m滝は二俣ノ滝登攀中に佐治さんが左草付きにロープを伸ばす。この30m滝の落ち口からは二俣ノ滝のルートがすごい迫力で見渡す事が出来る。
 核心は終わったが、ここからが滝の連続で、前方にこの先ずっと滝が続いているのが見える。10m滝は左を巻き気味に越えると次の滝は直登出来ず、右の草付を登り樹林の中、草付とトラバース後、短い懸垂下降で沢に戻る。草付きの登り、トラバースにロープを使った。沢に下りた所の両岸狭まった7mトイ状ナメ滝は右から、続く3mCS滝は真ん中の石の中を潜るように登りなかなか面白い。
 次の10m滝はまた登れず、舘野さんが右から滝で合わさる支流との中間のルンゼからリッジ状にロープを伸ばす。私は時間短縮のため支流の滝の右草付きから登る。すぐ上で草付を左にトラバースして懸垂と思ったが、確保が難しいため支流沿いにしばらく登り大きく巻く事となる。支流の左の草付にロープをの伸ばし、左の石楠花の薮に突入。最後は20mの懸垂下降で沢床へ戻る。この時、斎藤さんのエイト環がタイオフするというアクシデントがあったが、本人も周りも冷静に対処した為問題はなかった。
 沢に戻ると5m滝、7m滝と続き、2段10m、5mと問題なく登っていくとちょっとした巨岩帯のようになり、その先黒い色の10m滝をその上の滝と一緒に左岸から巻く。さらに奇麗なナメ滝12mと5mナメ滝を越えると沢は突然傾斜がなくなり、ナメが続くおだやかな小川と化す。この変化は実に劇的で、一気に緊張から解放され思わず笑みがこぼれてしまう。奥の二俣は既に16:30。しかし、あとはひたひたと歩くだけである。おまけに辺りはブルーベリーの木が点在し、それを頬張りながらの源頭歩きは本当に幸福感で一杯になる。やがて人の声がすると思うと木道に人影を発見、ワカゴイ沢パーティーのメンバーであった。感動の再会!。
 恋ノ岐パーティーはアクシデントで3名が先に下山していたが、他は無事に集合する事が出来た。私自身、全く満足感で一杯であった。

10/8 未明からとうとう降り出してしまい、結局最終日は朝から雨である。雨の中撤収して早々に下山にかかる。姫の池付近は草紅葉が美しい。台倉清水を過ぎると登山道沿いの紅葉もなかなか素晴らしくなってきた。滑りやすい登山道だが気にせずどんどん下っていった。
 下山後、銀山平で入浴し、シルバーライン入口の「囲炉裏じねん」にて打ち上げをして帰途につく。


 平ヶ岳沢は、当初予想したよりも登攀はきびしく、高巻きなどもルートが不明瞭でしたが、その分充分な手応えを感じる会心の山行となりました。特に二俣ノ滝は適度な緊張感の中、抜群の高度感を味わえ大変充実した登攀でした。やはり遡行者がそれほど多くないのか、残置支点も少なく、ルートも不明瞭なところが自分達のルートファインディングを必要とし、一層の楽しさ・充実感を味わえたのだと思います。また、源頭の素晴らしさも天下一品です!。あの甘いブルーベリー・・・。
 最後に、集合が遅れ他のパーティーの方々にはご心配をおかけした事をお詫びいたします。総勢16名ものメンバーで集中遡行出来た事を本当に嬉しく思いました。皆様ありがとうございました。


コースタイム
10/6 雨池橋(8:30)―林道終点(12:40)―幕営地(?)
10/7 幕営地(6:45)―二俣ノ滝(7:50)―奥の二俣(16:30)―姫が池幕営地(17:20)
10/8 幕営地(6:40)―鷹ノ巣(10:05)


遡行図
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