鳥海山 山スキー


2006年4月30日〜5月1日  メンバー:沢田石L,石島,斎藤,森田


 今年の大型連休前半は、鳥海山の獅子ヶ鼻から鳥越川〜千蛇谷を経て新山へ登るルートを中島台にBCを置いてのんびりとおこなおうという何とも贅沢な?鳥海山好きには垂涎の?内容を予定したのですが・・・。

4/28 21:30JR秋葉原駅集合。大型連休前夜であるが、特に渋滞等の障壁もなく順調に北上する。明日の予定は、獅子ヶ鼻から中島台へBC設営のみなので無理に現地まで入る事はせず、山形道山形蔵王PAにて早々に仮眠体制に。しかしやはり寝るのは4:00過ぎに・・・。

4/29 朝目覚めて天気予報を聞くと、やはり予想通り?明日の天気はあまり芳しくない。おまけに今日は1日快晴が約束されている。中島台にBCを設営して明日天気が悪かったらすべてが終わってしまうので、今日の晴天を最大限活用しようと湯ノ台からの日帰り往復に計画を変更する。
 寒河江SAでガソリンを給油しようとしたが朝早いため営業しておらず、酒田みなとICを下りた後、八幡町でガソリンスタンドが開店するのを少し待つこととなる。
 湯ノ台から大台野道に入るとさすがに今年は雪が多く、何と最初のカーブの手前の直線道路で積雪のため車はおしまいである。既に車が何台か駐車されていて、我々もそこで車を停めて出発準備。時計はもう9:00を回っていて、果たして山頂に届くかどうかやや心配である。
 最初は樹林の中の緩い傾斜を車道を絡めながら登っていく。天気はまさに最高で誠に気分はよい。無雪期ならば車道終点である滝ノ小屋が遠くに見えるのだがなかなか近づいてこない。さらに外輪山は恐ろしく遠方に見える・・・。
 ようやく滝ノ小屋を右手に見送り、八丁坂を登ると傾斜が緩む。平らな雪原状の斜面を横切りハイマツを避けて右からほんの少し回り込むように外輪山の最後の斜面に取り付く。振り返ると登りでは気付かなかった河原宿小屋が見える。石島さんがやや疲れはじめているようで、ちょっとしたトラバースで5m程滑って落ちてしまったので、スキーアイゼンを装着してもらう。
 再び外輪山が見渡せる場所に出たところで不要な荷物をデポして登ることにしたが、結局1900m付近で時間切れ。本日の山頂はここと勝手に決め、早速シールを剥がして待望の滑降となる。
 デポ地点までは空身なので皆さん思う存分に滑る。斎藤さんが珍しく飛ばしている。石島さんも先程までの疲労はどこに?というくらいのびのびと滑っている。本当に山スキーをやっていて良かったと思える瞬間だ。デポ地点で大休止。ひと滑りした後のビールもまた格別!。休憩後再び荷物を背負って下るが、まだまだ滑り出したばかりで先は長く楽しい滑降が続く。
 外輪山の快適な傾斜が終わり、なぜか大勢の人がいた河原宿小屋を横目にトラバース気味に平坦な雪原を直滑降。八丁坂にかかると再び快適に小回りで飛ばすと樹林の中に入る。雪質もそれ程悪くはならず、振り返ると外輪山はもう遙か彼方である。スキーの下りは本当にあっという間の出来事だ。顕著な切り開きがあるところでシュプールで荒れた雪面を避けて樹林の中に入った私の後をついてきた石島さんが木に衝突するアクシデントもあったが大事には至らず、最後はやや雪が重くなったものの充分快適に車まで戻った。
 下山後、明日の予定を検討するが、とりあえず獅子ヶ鼻の林道終点から中島台へ行ってみようということになり中島台林道に向かう。途中、象潟で飛良泉を調達して中島台林道が雪で通行不能になるところでテントを張った。食事作りからして実に楽しい夜で、本日の行動には皆さん充分満足したようであった。結局、飛良泉は一夜でからとなった。

4/30 朝から意外にも青空が広がっているが、朝食を食べていると雨がぱらついてくる。いったい今日はどういう天気なんだ?。
 とりあえずテントを撤収して獅子ヶ鼻への林道を車で入るが、雪で車が進めなくなった地点から先も雪があまり繋がっているようには見えなかったのでスキーは諦め、林道終点付近を視察がてら湿原を見に行こうとトレッキングシューズで歩き出す。林道終点付近に着くと完全に雪が繋がっていて、結果的には充分スキーが可能であった。辺りは小規模ながら水流沿いに顔を出した水芭蕉が綺麗である。
 車道を外れて地図を見ながら適当に進むと湿原らしきところへ出た。雪のないところは苔の上のようでふわふわとした感触が気持ちがいい。と喜んでいるうちは良かったのだが・・・。充分すぎるほど湿原を堪能しすぎた後、車でブルーラインに回ってひと滑りすることとする。
 吹浦口の駐車スペースに車を置いて除雪によってできた雪壁を登って斜面に取り付く。やや風はあるが天候はまずまずである。御浜からは山頂は相変わらず雲の中で見えなかったが、日本海に向かっての滑降は何度やっても実に気持ちのいいものだ。最後の急斜面の前でもったいないので小休止。鳥海山からの日本海も見納めである。あとは真っ直ぐ下るだけと思いきや、ややルートが右に寄っていたようで最後の最後に左にトラバースして車に戻る。
 下山後、明日は天気が崩れるのがわかっていたので雨宿り可能な月山の志津野営場へ移動する。途中、たけのこ・こごみ・岩がきなどを調達する。その晩は一足早い山菜天ぷらで幸せをかみしめる最後の夜となった。

5/1 昨夜は少し雨が降ったようだが、今朝は何とか雨は上がっている。しかし、湯殿山も姥ヶ岳も雲の中で全く見えない。万が一天気が良かったら湯殿山でもと思っていたがあっさりと諦め、姥沢の駐車場に車を置いてシールで姥ヶ岳への尾根を登り、雲の中に入る前に適当なところから石跳川に向かって滑り出す。ここは家族で良く来るところなのだが実に気持ちの良いブナ林が続く。石跳川に下りる手前でいつものようにのんびりと休憩してからネイチャーセンターに出て今回の山行は終了となる。
 バスで車を回収して志津野営場の駐車場に戻ると除雪で出来た垂直な雪壁を登って遊んでいたので私も登ってみたが結構怖い(靴下で登っている人もいたが冷たくないのか?) 。志津温泉で入浴(なぜか沢田石さんを雪玉が直撃・・・)後帰路につく。


 4年ぶりの山スキーでの鳥海山でしたが、天候が今ひとつだったので当初の予定のルートは全く実行できなかったにもかかわらず、不思議なことに何とも楽しい山行になりました。これも予定変更に柔軟に対応し、予定以上に楽しんでしまうメンバーに恵まれたからに他なりません。今回は、中島台から鳥越川〜千蛇谷のルートへ次回来る時に、より一層楽しむためには絶対必要な?山行だったような気がしています。


コースタイム
4/29 駐車地点(9:00)―1850m到達点(13:35)―駐車地点(15:35)
4/30 吹浦口駐車地点(10:10)―御浜(12:45)―吹浦口駐車地点(14:20)
5/1 姥沢駐車場(8:00)―1280m付近(8:30)―ネイチャーセンター(9:30)


湯ノ台地形図
吹浦口地形図
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