今回は谷川連峰支稜線の荒沢山に突き上げる南カドナミ沢へ行く予定でしたが、まさかの天候不良で当日に行き先を群馬県側の高倉沢へ変更することになりました・・・。
10/20 21:00頃沢田石さんの車で自宅に寄っていただき、22:00JR高円寺駅で斎藤さんをひろい関越自動車道を北上する。なぜか関越トンネルを抜けると小雨がぱらつく天候に・・・。土樽駅の脇にテントを張ってとりあえず小宴会となるが、一向にやむ気配のない雨に次第にお酒の量が増えていく・・・。
10/21 朝目覚めてもやはり天候は芳しくなくどんよりした感じである。しばらくは回復すると信じて?(調子が悪かったからという説もある)待っていたが、電話で天気予報を聞くと上越は夕方までこんな天気のようである。仕方がないので一大決心して?三国峠を越えて群馬県側に行ってみようということになった。
予想通りトンネルを戻ると晴れていた・・・。土合駅到着は既に11時。なんとなく諦めムードが漂う中、アプローチも近く、ロープウェイで下山できる高倉沢右俣へ行くことに半ば強引に?決定する。そうと決まれば時間も押しているので早速行動開始。
国道を少し水上方面へ戻り、スノーシェードを出たところから湯桧曽川へ下りていく(沢田石さんだけかなり前から湯檜曽川におりていたがそちらが正解か?)。ところが間抜けなことに川を渡渉する手前で滑って転んで手に持っていた「上信越の谷105」を水の中に落としてしまい、それを拾おうとしてまた滑って転んで体も濡らしてしまった。誠に幸先の悪いスタートである。高倉沢に入ると美しいナメ滝が続き、紅葉と相まって実に素晴らしい。しかし、先ほど滑って転んだのを裏付けるように?ナメ床は実に良く滑る。2段15m滝の上段は左に妙なロープ(ワイヤー?)が固定してある。その上は美しいナメが続くがやはり良く滑る。
二俣を右に入るとしばらくゴーロとなるが、ゆるい5mナメ滝を越えると小滝が連続するようになる。続くトイ状は沢田石さんは水線突破を試みるが水が冷たく、すでに左を巻きはじめている齋藤さんと私にあっさり合流。その上のトイ状も左を巻く。再び小滝が連続すると右から支沢が合流し、そこで小休止とする。
行動を再開し左に進むと両岸狭まり、さらに傾斜のあるナメ状の沢筋をどんどん登っていき、なかなか感じがいい。再び沢は分かれて右に40mスラブが見える。ルートはこちらで右に入るが、スラブとはいっても全くすっきりせず見栄えもしない。おまけに下部は簡単に歩いてでも登って行けそうな感じで最初はちょっと拍子抜けしてしまったが、途中から傾斜が増してきてロープを出すか思案する事となった。
行きがかり上、斎藤さんと沢田石さんには途中で待っていてもらい、私がそのままフリーで登り必要ならば上からロープを出すことになった。しかし、途中で適当な支点が見つからず、結局そのまま上まで抜けてしまった。上部はスリップしたら止まるところがないので要注意である。既に2人が待っているところへはロープ1本では到底届かないので一旦下る事になるのだが、沢の中はロープがないとちょっと恐ろしいので右岸の樹林沿いに下り、一番下にある木に30mロープを固定するがそれでも僅かに長さが足りず、沢田石さんから補助ロープを投げてもらい繋いでようやく無事に届いた。ここは特に難しいわけではないのだが、スリップは絶対に許されないのでロープは必要だろう。
スラブが終わるとあとはただ上に向かって登るのみ。途中の分岐はあえて右にルートをとる。稜線までは問題なく楽に登ることが出来たが、稜線に出てからの藪漕ぎは若干長かったかもしれない。といっても大した藪ではないのでそれほど苦労するわけではなく程なく高倉山へ到着する。
高倉山山頂はリフト乗り場が目の前であるが、リフトは動いていないようで人は全くいない静かな山頂であった。展望は素晴らしく、秋の山頂を充分満喫してからゲレンデを下るが、谷川岳ロープウェイは観光客で長蛇の列となっており、なんと1時間半待ちとのことである。ならば歩く方が早いと全く想定外な事ではあったが歩いての下山となってしまった。しかしながら大して苦痛ということもなく、紅葉を見ながらの楽しい下りであった。何とも予定外な事ずくめの波瀾万丈?の1日であった。
今シーズンは全く天候に恵まれない日が多かったような気がしていますが、またしても悪天による当日の変更となりました。しかしながらもう慣れたもので(?)何の問題もなく楽しい1日を過ごしてきました。高倉沢はこんな機会でもなければなかなか行くことのない沢だと思いますが、紅葉も下部の連瀑も綺麗で、40mスラブではほんの少し緊張感が味わえるなかなかいい沢でした。下山もロープウェイで楽々の筈だったのですが・・・。
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