御嶽山 王滝川・鈴ヶ沢東股


2006年9月3日  メンバー:森田(CL),新井(SL),斎藤,早田,田中(美),徳山


 昨日の高原川・沢上谷に引き続き、今日は御嶽山の王滝川・鈴ヶ沢東股を遡行しました。

9/3 揚げ玉が吸ってしまって汁がなくなったうどんの朝食を詰め込んで5:57林道を歩き出す。20分程で三沢橋に到着。準備をして遡行開始する。
 すぐに中股を分け、東股を進むと最初のナメ滝となる。右から巻くが、斎藤さんと私は右壁をボルダー気味によじ登る。続く釜を持った5mも右から巻き、ナメ・ナメ滝を過ぎると橋をくぐる。大きな釜の3mナメ滝を過ぎると、より一層ナメの渓相が強まる。
 やがて大岩の小滝の奥に3段大滝が見えてくる。これはまさに圧巻でどこかの観光名所の滝のようだ。落ち口付近の柱状節理の露頭が何とも迫力がある。左から巻き始めるが効率よく小さく巻けたのでそれほど苦労なく15分程で巻いてしまった。落ち口から見る下の景色もこれまた圧巻である。
 次の5m斜瀑は新井さんがトップで登り、後続は念のためロープを出す。その上のナメ滝の連瀑は実に美しい。次の4mトイ状はウオータースライダーになりそうだが釜も深く傾斜も急でちょっと命がけになりそう。次の2mは正に滑り台をやる為にあるような滝で、とうとう我慢できず新井さんと斎藤さんが滑る!。次の4mトイ状は右から巻き、続く6mナメ滝は左を巻こともへつることも出来る。上部が2条になっているトイ状4mは早田さんがまず突破する。微妙なへつり一歩で瀑心に達し、ツッパリで登るがなかなか楽しめる。が、その後トロが続いていて泳ぐことになる(新井さんのみ)。このトロの巻きは下りがちょっと悪い。斎藤さんと徳山さんはトイ状滝から右を巻いたが、そうすると次のトロも一緒に巻いて楽々越えてしまうのであった。
 その上は素晴らしいナメとなり、続く5m滝は釜の水の色が青っぽく何とも言えず美しい。さらにトイ状5mナメ滝で再びウオータースライダーをすることになるが、トップで滑った斎藤さんのみ滝の一番上から滑ったようで(す・すごい!)、いつものことではあるが何でこんなことが出来るのか低体温の私には全く理解に苦しむ・・・。
 その先でようやく私が一番期待していた?水が地下に潜っている滝となり、大休止とする。ここも全く不思議な光景だ。水が入り込む方の釜は落ちたら上がって来られない位深く、ちょっと恐怖を感じる。出る方の釜は全く静かで、まるで底から水が湧き出ている泉のようである。先ほど滑り台で全身ずぶ濡れとなった方々は、新井さんは放心状態、斎藤さんはトカゲと化しているのに対し、徳山さんは全く何でもないのはいったい何が違うのだろうか?。
 ここまででも既に充分楽しんだにもかかわらず、この後さらに鈴ヶ沢は美渓の本領を発揮するのである。広く開けたナメに懸かる10mナメ状斜瀑は右を巻き、左から緑の苔のナメ滝が入る8mトイ状滝も右から巻く。続く10m滝は右にインゼル状に緩い傾斜で水が流れていてそこを登る。右に柱状節理の洞穴のある7m滝を左から、左がきれいなスラブが続いている8mトイ状滝は右から巻く。ここは念のためロープを出す。その上の大きな釜を持つナメ滝は、釜の水の色が今までの青ではなく限りなく透明で澄んだ色彩に変わっているのが印象的である。ここまで息つく暇もなく、全く遡行するものを有頂天にしてしまうような見事な渓相であった。
 この先、ゴーロとなって水も少なくなってしまう中をひたすら登っていくと、岩壁に突き当たる。沢がなくなっている様に感じるがここが30m滝なのだろう。水流は殆ど感じなかったが・・・。少し戻って右の斜面を登るが、密笹を掻き分けしばらく登ると上部はまだ岩壁があり、右に進路をとりもう少し下流側から巻こうか、やや左に寄りなんとなく窓のように見えるところに進もうか思案したが、結局左へ直上してうまい具合に中間尾根に出るルートに乗ることが出来た。反対側は問題なく短時間で支沢の沢床へ降り立つ。
 後は時折滝が出る中をただただ上へ向かって登るのみ。やがて空き缶などのゴミが出始めたらゴールは近い。ガードレールが見え始めてからが長く感じるものだ。最後が車道というのがこの沢の唯一の難点に思えるが、車が待っていると思うと良い点にも思えてしまうから不思議である。車道に出てからそのまま上に詰めて三笠山へ行こうと冗談で言ったが誰ものらず(当たり前・・・)田の原の駐車場経由で三笠山へ登ってから車の回収に向かた。
 回収後、スイカを全員で平らげるが、沢の後のスイカもまたいいものである。皆「満腹だ」と言いながらも「うしげの湯」で入浴後、すぐに県道沿いで蕎麦屋に入り蕎麦を賞味する・・・。今年開通したという権兵衛トンネルを通って伊那IC経由で帰ったが、東京に近づくと久々にひどい渋滞に遭遇してしまった。


 鈴ヶ沢はやはり期待通り素晴らしい美渓でした。メンバーの一人が「吾妻の大滝沢みたい」と言っていましたが、まさに「西日本版大滝沢」とでも言えるのではないでしょうか。滑り台や泳ぎたくなる釜が多い点でそっくりです。しかし、渓相の多様さという点ではこちらの方が断然素晴らしいでしょう。全く有頂天になってしまった1日でした。それにしても沢上谷と鈴ヶ沢を土日で遡行するというのは実に良いプランだと我ながら実感しました。御嶽山・乗鞍周辺の最初の沢としてはまさに決定版だと思います。 


コースタイム
9/3 鈴ヶ沢橋(5:57)―三沢橋(6:15〜6:25)―大滝上(7:41)―中間尾根上(10:48)―田の原車道(?)


遡行図
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