今回は、7/20〜23の海の日の連休を利用して栗駒・虎毛周辺を家族でキャンプしながらのんびり周遊しようという計画で、その合間に私は単身栗駒の沢を1本登ってくることにした。
7/19 自宅発。東北道を北上し、阿武隈SAで早々に仮眠。
7/20 10時頃須川高原温泉に到着。キャンプ場にテントを張り、妻の伸子が栗駒山に登る。私と娘の遥も名残ヶ原までいっしょに行く。その晩はキャンプ場で幕営。
7/21 朝から快晴である。テントで朝食をとり、須川橋手前まで車で送ってもらう。
最初の堰堤を車道から続く踏み跡で巻き、沢に下りて遡行開始。最初はゴーロが続く。何となく温泉の臭いが漂い、その影響か河原の石は赤茶けている。ゼッタ沢を右に分けて少し行くと、右岸に温泉が湧き出しているところがあった。湧き出し口が真っ白になっていたが、さわってみると冷たかった。左にモミ沢を分けて所々両岸が崩れていてやや荒れた感じのゴーロを進むと、だんだん周りの自然林が美しくなってくる。
ようやく最初の滝らしい滝である3m滝となり右から越える。さらに進むとゴルジュ帯となる。最初の3mを釜を右からへつり越えると、立派な8m滝が右から落ちている。温泉成分のせいか水流があるところだけ乳赤褐色でちょっと変わった光景である。その上もナメとナメ滝が続き飽きさせない。深い釜を持つ4m滝でひとまずゴルジュは終わる。短いがなかなか楽しめるところだ。と思うのも束の間、すぐに4m幅広滝となる。朝日に照らされて実に美しい。水流右を問題なく登る。
この先、右から三途の川が合わさる(それにしても「三途の川」とはすごい命名だ!)。まだ時間も早いのでルート確認も兼ねて話の種に少し入ってみる。小滝をいくつか越えると突然鬼姫ノ滝40mが姿を現す。この滝は傾斜は緩いがなかなかの迫力でとても美しい。思わずどんどん登っていってしまうが、落ち口が壁になっているので引き返す。約30分のロスであったが、見に行く価値は十分にあった。
本流に入ると沢底の岩が本来の色になり、こちらは温泉の影響を受けていないようだ。すぐにゴルジュとなり、右に曲がった出口に5m滝が落ちている。一見登れそうにないので少し戻って左岸の草付を登り高巻く。沢に戻り大きな石のゴーロを少し歩くといよいよ奥北の滝となる。堂々とした滝だが、滝上は明るく開けているので威圧感はない。左のバンドづたいに落ち口まで斜上し、最後の一段はザックを先に上げてはいあがった。
滝上で沢はやや開けた感じになり、ナメやナメ滝が適度に続く中をとてもいい気分で進むと、白い水流がひときわ綺麗な5mナメ滝となる。水流左を飛沫を浴びながら快適に登ると、その上にはまた美しい3mナメ滝が続く。この辺りのナメは全く素晴らしい。その後しばらく歩くと石滝で少し高度を上げ、その上はすっかり源頭の雰囲気になる。少々薮っぽくなり小さく蛇行する沢をつめるとやがて登山道が横切る。小休止後、山頂へ向かう登山道が見つからないので、そのまま沢沿いにしばらく歩くと山頂に至る登山道に出る。まだ残雪もあり気持ちのよい登山道を栗駒山へ向かう。山頂にてビールで乾杯!。展望も素晴らしいが登山者も多い。あとは須川コース経由で須川温泉へと一気に下った。
下山後、虎毛山塊へ移動し、須金岳登山口にテントを張る。ここでは、暗くなるとおびただしい数のヘイケボタルの光が沢を埋め尽くしている素晴らしい光景を見ることが出来た。
7/22 家族3人で鬼首の近くの荒雄岳に登る(荒雄岳参照)。下山後鬼首温泉で入浴し、荒雄岳山麓の岩魚沢林道でテントを張る。翌7/23日帰宅。
この磐井川本流は正直なところあまり期待はしていなかったのですが、同じ栗駒の産女川がとても綺麗な沢なのでもしかしたらとのかすかな望み?をもって入渓したところ、意外にもナメや滝が美しく充分に遡行価値のある沢だと思いました。無理なく1日で栗駒山に登れる沢としては大いにおすすめです。
コースタイム
入渓点(7:00)―三途の川出合(8:02)―奥北ノ滝上(9:06)―登山道(10:13)―栗駒山(11:10〜11:27)―須川温泉(12:11)
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