沢登りとデジタルカメラ
このような表題ですと、「防水デジカメ」のことが書かれていると連想される方が多いかもしれませんが、残念ながら全く違う内容です。
最近、山でメインに使うデジタルカメラをNikon coolpix5000からcoolpix8400に替えました。もちろんその最大の理由は「24mm相当の広角レンズ」なのですが、実はそれとは別に替えようと考え出したきっかけがあるのでした。それが今回取り上げる「沢での色収差」問題です。こんなことが気になるのも、職業柄仕方がないのですが・・・。
現在のカメラのレンズは、諸収差は良く補正されていて観賞用の写真程度では全く気にならないのが普通でした。しかしデジタルカメラの場合はCCDというデバイス特有の問題なのか、特に古い機種においてある特定の条件、逆光気味で明暗の輝度差が著しい部分などで色収差が強く感じられてしまう場合がります。それがまずい事に、沢の中で撮る写真ではその様な条件となる状況がとても多い気がするのです。
沢の中では日中でも日が射さずに暗い事が多く、一方空は明るいので、どのような構図で写真を撮っても写野の端には空を背景に木の枝などが逆光気味に写っている事が多いものです。このような部分が先に述べた「色収差」を強く感じてしまう条件となってしまうのです。
実際にcoolpix5000で撮影した写真の端の部分を100%の大きさにしたのがこの写真です。紫色の縁取りがあるのが判ると思います。これが色収差で、「色ずれ」とか「パープルフリンジ」とか呼ばれる事もあります。これらはどんなカメラでもレンズを使っている以上、完全になくす事は出来ないのですが、coolpix5000はそれがかなり多く出ている事は否めません。参考までに手許にあるOLYMPUS C-40zoomの写真もあげておきます。同様な症状が出ています。
まあどちらも2001年発売の古いカメラであり、EDガラスを全く使っていない設計なのである程度仕方がない事かもしれません。もちろん普段の沢以外での撮影では、それを感じる事は殆どなくとても綺麗な写真が撮れるのですが・・・。気に入っている機種だけに残念ですが、coolpix8400の購入を期に沢からは引退させようかと思っています。
(2008年11月記)