山スキー用兼用靴(コフラック・アルボナプロ)の改良  (TKC月報1995年4月号から一部加筆)


 先日、久しぶりにゲレンデ用のスキーブーツを使用してそのフィット感の良さに驚いてしまいました。また2月の八甲田山の時に今使っている兼用靴で以前あった痛さを感じ少々つらかったので再びブーツの改良を試みてみましたので報告します。
 山スキーの兼用靴は歩行と滑りという異なった目的を同時に満たさなくてはならないので、なかなか満足のいく製品がなく、多くの方々がそれなりに工夫して使っている事と思います。私の兼用靴(コフラック製アルボナブロ)の場合はもともと買った当時すねが当たって大変辛い思いをしたので、アウターの一部を切り、インナーに靴ずれ用のバットを貼りバックルをゆるめにしてずっと使ってきました。フィット感などはもともとなくて足の甲がほとんど圧迫されておらず靴の中で足が踊っていました。以前はよく脱げそうになりましたが(?)今回の改良で随分フィット感が良くなったと思います。

●どこをどうするか?〜原因と対策〜
 私の場合、フィットしていないのはつま先から足の甲にかけてです。足の甲がおさえられていないので鐘も浮いてしまいます。今までですとバックルをもっと強く締めると足の甲より先にすねの部分が当たってしまうので(図―1)締めたくても締められなかったのが現状です。そこで上からかふせるべ口のちょうど足の甲の部分にゴムの板(約1mm厚)を数枚重ねて(私の場合最大7枚)貼ってみました(図―2)。これによって足の甲の部分をある程度締めてもすねの部分は締まらなくなります。これは同じ構造の靴(コフラック製兼用靴、ダイナフィット製、ツアーライト、ローバー製スーパーピーク等)には応用がきくと思います。また、さらに足の甲からつま先にかけての締め付けを良くするために中敷きを2枚増やしてみましたがこれもなかなか好結果です。しかしインナーに関しては長期山行での濡れの問題もありますので材質は慎重に選択するべきだと思います。今回はコルク板(2mm厚)を切って使用してみました。
あとは実際に滑ってみてゴム板と中敷きの厚さ(枚数)を調整しておしまいです。くれぐれも最初は仮止めにしておいて実際に使用しながら調整する事をお忘れなく。ちなみに今回の改良で重量は片足で50g程重くなりましたがまあ実際には感じないでしょう。費用は家にあった材料を使ったので0円です。

●実際に使用してみて
 今のところ3月に黒姫山と秋田駒ヶ岳、乳頭山で使用してみましたが、登りの時も全く問題なく、下りはバックルをいくら締めてもだいじょうぶという以前では考えられない位足にフィットしています。

 今持っている兼用靴に不満をお持ちのみなさん、まだまだ改良の余地があるかも知れません。あきらめないで考えてみてはいかがでしょうか。ただしどんなに用具が良くなっても自分の技術が向上するわけではありませんので念のため!。そちらの方はひたすら練習に励みましょう。
(1999.1)

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