「ビリーカン」と「渓流コッヘル」
英国製の「ビリーカン」が手に入らなくなり久しいですが、現在ではキャラバンから発売されている「渓流コッヘル」が手に入るようになりました。これは、外装(アルマイトやメッキ)が違いますが、形状はビリーカンと本当にそっくりでまさにデッドコピーのようです。私は英国製のものは大鍋しか持っていなかったので、中・小は「渓流コッヘル」を購入しました。
一見そっくりなこの二つ、使ってみると一つ明らかな違いがありました。それは”つる”が「ビリーカン」は真上の位置で止まるのですが、「渓流コッヘル」のものは止まりません。些細な事ですが、これは実際にたきびで使ってみると意外に不便なのです。
形はそっくりなのに何故このような違いが出るのか?。それはつるが本体についている所の金具を見れば一目瞭然です。金具自体の形状はこれまた大変良く真似されていてそっくりなのですが、せっかく上で止まるための溝がプレスで加工されているにもかかわらず、つるの折り返しの曲げが足りないためその溝に嵌まらないので止まらなかったのです。そこで、ラジオペンチでつるの折り返しをさらに曲げてみると全く問題なく上でつるが止まるようになりました。形だけはコピーしても機能を理解していなかったためにこのような状態で出荷されているのは残念ですが、それがいかにもデッドコピーらしく、なんだか微笑ましくも思ってしまいます。
英国製のビリーカンは実に感じよく「かちん!」と音を立てて気持よく止まってくれます。こんな所に作っている人たちのこだわりを感じます。
(2008年10月記)