北アルプス 焼岳山スキー
2006年2月25日 メンバー:森田L,斎藤,沢田石
2/24 23:30JR府中本町駅集合。中央道で一路松本へ。沢渡の市営駐車場のトイレの脇にテントを張り早速宴会となるが、お酒を全くお飲みにならない斎藤さんには誠に申し訳ない事なのだが沢田石さんと私の意味不明の議論が遅くまで続く・・・。
2/25 朝から雲一つない快晴。非常に寝不足な筈だが気持ちよく目覚めて?駐車場所があるか判らなかったがとりあえず釜トンネル入口まで移動する。偶然にも釜トンネルからほど近い某所に車を停めることが出来てそこで準備して出発。
新釜トンネルは車・歩き含めて初めてであったが、本当にあの旧釜トンネルが無くなってしまうのかと改めて実感すると共に、よくこの辺りを行き来した僅か20年程前の学生の頃と比べてあまりの変化に何か複雑な思いもある。釜トンネルを抜けしばらく歩いたところで梓川に下りて適当なところで川を渡る。
渡った対岸でシールを貼り歩き出すが、辺りは新雪などひとかけらもなく、全く残雪期の様相である。とても2月とは思えない光景だ。しかしながら当然ラッセルもなく、無風快晴のなか誠に快適に歩を進めることが出来る。最初の樹林帯の急斜面を登り切った辺りであきらかに余計と思われる荷物をデポして軽量化を図る?。樹林帯を抜けると一旦傾斜が緩み2000m付近の台地に出る。
この先下堀沢沿いに北峰と南峰のコルに出るか、右岸の尾根沿いに南峰の山頂へ向かうかルートが分かれるが、我々は当初の予定通り右岸の尾根に取り付き山頂を目指す。ここで沢田石さんは少し戻り気味に尾根の末端近くを忠実に登っていくのに対し、私はこのくらいの傾斜ならと尾根をトラバース気味に上に向かって直接登って行ったのだが、これが大失敗であった。なんでもない斜面に見えたのだが実際取り付いてみると表層の下にクラストした斜面があり、トラバースすると表層ごと下に落ちていってしまい誠に登りづらい。といっても雪崩になる心配は一切感じない程度なのだが・・・。私はトラバースを諦め、持てるシール登高技術をフル動員して(??)何とか直登したのだが、後続の斎藤さんにはまたしても誠に申し訳ないことになってしまった。
今日はここまで他にパーティーを見ることが無く我々の貸し切りだと思っていたのだが、下堀沢カール(ここはどうみても「カール」には見えないのだが)を滑り降りてくる3名パーティーを発見。何だか滑りがおかしいのが気になるが・・・。
ここで我々2名は沢田石さんに大分遅れを取ってしまい(沢田石さんは我々が先に行っているものと思っておられたらしく、先を急いでいたらしい・・・)、おまけに斎藤さんも先程の斜面で体力を消耗し貧血状態。しかしここまで来ればもうあとは僅かなので何とか頑張っていただく。2318m標高点のコルに到着すると少し上で沢田石さんが待っている。斎藤さんも少し遅れて到着するが「今日はここまで!」ということなので沢田石さんと2人でアイゼンに履き替え荷物を置いて山頂へ向かう。
雪が団子になり鬱陶しいが程なく焼岳南峰へと到着。全くの無風快晴。噴煙が立ち上る北峰の向こうに穂高連峰が素晴らしく、黒い槍の穂先も間近である。目を左に転じると笠ヶ岳〜抜戸岳の稜線と杓子平の素晴らしい斜面が落ちているのが見える。久しぶりに山頂に立ったという事を実感させてくれる見事な展望だ。空荷で来たのでコルまで戻ってもう出発準備万端整った斎藤さんをよそ目にビールで乾杯するが、なんと沢田石さんはまだ二日酔いらしくお飲みにならない・・・。(こんな事もあるのか)
500ml缶1本飲んですっかり良い気分になりいよいよ滑降である。コルからの浅い沢状の大斜面は実に快適で、さすがに標高が高い所為か晴れているのに雪が腐らず最高の「残雪期滑降」となった。途中、下堀沢に下りようとも思ったが、少し下ってみると雪質が劇的に悪くなったので元に戻り(先程下ってきたパーティーの滑りが変だったのも頷ける・・・)下堀沢右岸の快適な斜面を一気に2000m付近の台地まで滑り降りる。振り返ると今滑ってきた快適そうな我々のシュプールと先程四苦八苦した登りのトレースが実に対照的であった。
樹林帯にはいるとさすがに雪が腐り始め、私は足が攣ったり酔いが回ったり?で転げ回ってしまったが、先程まで不調の斎藤さんは破綻のない見事な滑りで、沢田石さんも二日酔いとはとても思えぬ確実な滑降である。途中、「そういえば荷物をデポしたっけ・・」ということで一瞬真剣に探したが、普通に下って行ったら問題なく見つかった。そこでまた小休止。私は再びデポ品の350ml缶を1本飲んだが、なんと考えられないことにまだ沢田石さんはお飲みにならない・・・・。
全く良い気分を上塗りして最後の樹林の急斜面を下ったが、ここは逆に気温が下がった所為か日が当たらないからか表面が凍りかけていてむしろ快適にジャンプターンで下っていく。最後はトレースを追って朝に徒渉した地点よりも下流へ滑り、梓川を壊れかけたスノーブリッジを渡り無事対岸へ。ここでまた大休止。沢田石さんのザックのなかで消費されずに下山したビールで日だまりのなか梓川のせせらぎを聞きながら最後の祝杯をあげる。全く至福のひとときであった。
コースタイム
2/25 釜トンネル(7:40)―2318mコル(12:10)―焼岳南峰(13:00)―梓川徒渉点(15:30)―釜トンネル(?)
地形図
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