和賀山塊 堀内沢・八滝沢
1999年8月18日〜19日 メンバー:森田(真)
7/17 朝自宅を出発し、順調に東北道を北上。下山予定の高下和賀岳登山口を偵察するため秋田自動車道に入り湯田ICでおりる。高下登山口と私が入山中に家族が泊まる湯田薬師温泉を偵察後、入渓口である夏瀬温泉に向うが、私の勘違いで抱返り渓谷に行ってしまう。辺りも暗くなってしまったので、そこの駐車場でテントを張る。
7/18 夏瀬温泉に移動し、8:02妻子に見送られて出発する。釣橋を渡って遊歩道を辿り堀内沢に至る。右岸に渡ると林道歩きとなる。堂田バス停方面への林道を左に分け、しばらく歩くと取水口が見えるが、林道は一段高く左の枝沢を巻くように続いている。時間短縮の為出来るだけ林道を歩こうと思いそちらに入ったが、結果的には大失敗であった。林道はいつまでたっても枝沢を渡らず堀内沢からどんどん離れて行く。ようやく沢が浅くなってきたと思ったら林道はなんと対岸に渡る事無く終わってしまった。仕方なく逆戻りして取水口から入渓。かなり無駄な時間を費やしてしまった。
取水口からは広い河原が続く。朝日沢出合を過ぎるとやや変化が出てきて、途中暑いので泳げそうな釜で泳いでしまった。シャチアシ沢が右から奥に滝を見せて入り、ゴルジュの中央を巨岩が水流を二分している所(ここがワニ奇岩か?)を過ぎると沢の真ん中に三角錐岩塔がある。その先広い河原となった沢をのんびりと歩くときれいなナメが2ヶ所ほど続き、さらに進むとマンダノ沢出合に到着、小休止して昼食とする。
マンダノ沢を過ぎると大きな石のゴーロとなり、一旦伏流となって水が消えてしまった。いったいどうした事かと少々心配になったがすぐに美しい3段12m滝があらわれほっとする。登れそうに見えるのだが、文献には右岸の高巻きになっているのでおそらくゴルジュの奥の下から見えない滝が登れないのであろう。少し戻ったルンゼを登り途中から踏み跡のようなものを追って巻いてしまう。途中ゴルジュの中を覗き込むと、3段12mの次の滝がきつそうで、巻いて良かったと納得。
釜のある4m滝を腰上まで水に浸かりザックを先に持ち上げて攀じ登るとまもなく辰己沢出合に着く。まだ午後1時前だがこの先は良い幕営地が無いようなので今日はここまでとしてのんびりと過ごす。
釣った岩魚を焚き火で焼きながらウイスキーを飲んでいると何ともいえない幸福感にどっぷり漬かってしまう。日常生活からはかけ離れた単独行ならではの静かなひとときである。
7/19 翌朝は快晴で明ける。幕営地を後にするとすぐにゴルジュとなり、奥に8m滝が見える。朝一番で少々冷たいが腰まで水に浸かりゴルジュに入ってみるが、結局戻って右岸から巻く。それを過ぎると沢は単調なゴーロとなり、どんどん歩いていく。高度も上がらず滝も無い。どうも八滝沢という名前からくるイメージとは大分違う。
沢が真南に方向を変えるあたりからようやく小滝が出てくる。右から小さな枝沢が2本ほどナメ滝で流入するのを見送ると本流も4m2段のナメ滝となる。水流沿いに快適に越すとスベリ台状4m滝が続いている。沢が再び90度方向を変え少し進むと、ナメ・ナメ小滝が続く奥に秀麗な5mナメ滝が見える。ここはこの沢の中で最も美しい所かもしれない。
いくつか滝を越していくといよいよ大滝10mの登場であるが、水量が少ない所為かいまひとつ迫力が無い。右岸から踏み跡で、続く連瀑も一緒に高巻く。ここの踏み跡は比較的しっかりしている。大滝の上も小滝・ナメ滝がいくつも出てくるが、あとはどんどん高度を稼ぐだけで、やがて水も無くなり笹薮へ突入する。
笹は密だが、わりと細いので比較的楽だと始めのうちは思っていたが、途中から潅木が混ざり結構苦労させられた。薮こぎ開始から約40分で目標の鞍部よりやや和賀岳よりに出た。稜線に出ると岩手県側からガスが流れてきていて展望はあまり良くなかったが実に気持ちが良い。右に15分ほどで和賀岳山頂であった。
山頂にて水割りで一人乾杯していると登山者がぞくぞくと4名ほど登ってきた。平日だというのに結構人気のある山なのか?。まわりには高山植物が多く咲いていてきれいであった。
この日は登山道を下山し、高下登山口で待っていた妻子と合流、登山口付近の林道脇にテントを張った。
コースタイム
8/18:夏瀬温泉(8:02)〜堀内沢出合(8:19)〜朝日沢出合(9:58)〜マンダノ沢出合(11:25)〜辰巳沢出合(12:49)
8/19:辰巳沢出合(6:27)〜大滝(8:25)〜稜線(10:30)〜和賀岳(10:43〜11:33)〜高下登山口(13:12)
遡行図
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