蔵王連峰 馬見ヶ崎川・八方沢
2001年7月21日〜22日 メンバー:飯田,北,佐治,沢田石,舘野,徳山,長野,森田
7/20 10:00小田急線の向ヶ丘遊園に集合(私の都合でこんな変な集合になってしまった)。首都高・東北道とも快調で、3時過ぎには蔵王ダムに到着。ゲートの前でそのままシュラフにもぐりこんで仮眠。
7/21 7:00出発。ダム沿いの林道から雁戸山方面の登山道へ入る。ここの入り口は地形図と違っていたので少々迷ったが、標識通りで間違えなかった。登山道が壊れた吊橋で八方沢を横切るところから入渓。左から右から入る立派な滝を愛でながら進むと、いよいよF1のゴルジュとなる。
ここは右をへつっていくことも可能と書いてあるが、どうもなかなか簡単そうではないので徳山さんが空荷で泳いでリードする。徳山さんの泳ぎは素晴らしく、あっという間に滝まで到達し水流上を突っ張りで登る。お見事!。後続はロープを引っ張りながら後に続く。佐治さんは徳山さんのザック運搬2往復でご苦労様でした。さて最後に私がロープを引っ張って泳ぎ出すが、到達した位置が悪く岸に取付けず流れに巻かれて釜を一周。何だかんだけっこう水に浸かっていたのだが、いざ水から上がろうとするとどうも調子がおかしい。身体が全く言う事をきかず力が入らない。何でだろうと考えても何だか良くわからないまま滝をスリップして再び釜に落ちてしまった。「何だかもうだめなんじゃないか」などと漠然と思いながら再び岸に取付き、今度はなぜか滝を通過することが出来た(今考えると2回目に通過できたことが信じられない)。岸に上がった私は殆ど茫然自失状態で、日の当る場所まで移動して乾いた物に着替えさせてもらい、シュラフをかけてもらったりしていると全身猛烈な震えが来た。それからは良く覚えていないが、気が付くと震えもおさまってきていた。
沢田石医師によると「低体温症」だそうである。もともと寒さには極めて弱い体質ではあったが、それにしても何でこんなところで自分が・・・と思わざるを得ないが、一歩間違えれば本当に危なかったと思う。他のメンバーの適切な行動と処置に感謝。今回は全く笑えない話だが、皆様に多大な迷惑とご心配をかけてしまって誠に申し訳ない。
なんとなく抜け殻の様になったしまった自分ではあるが、それに反し八方沢はなかなかの景観を提供してくれる。南雁戸沢が連瀑となって合わさり、しばらく進むとF2・8mとなる。左岸から高巻くがかなり追い上げられ、沢に戻るルートファインディングに気を使う。30mの懸垂2回をまじえてようやく沢に戻る。
この先しばらく問題になるところはなく、沢が大きく左に曲がって暫くすると2条8m滝となる。左側の倒木があるところを楽に越せる。沢はさらに2回右へ大きく曲がり、再び左曲して少し進むと左に小さな雪渓の破片が残っていた。さらに少し進んだところで右岸に幕営適地が散見されるようになり、よさそうな所を探して本日の幕営地とする。乾いた流木が豊富にあり、快適な場所であった。おまけに徳山さんのスウェーデン土産のトナカイ肉などつまみも豊富で素晴らしい一夜となった。夕方竿を出してみるが、全く当りもなければ魚影も無い。もともとこの辺りは既に岩魚はいないところなのだろうか?。
7/22 6:49快適だった幕営地を後にする。美しい2mナメ滝を過ぎると、最初の難関の8m滝となる。皆さん泳いで取付くか巻くか悩んでおられたが、昨日死にかけている私はさっさと左からの巻きに入る。ところが途中私のおこした40cm程もあろう落石で北さんに軽傷を負わしてしまった(悪いことは続くものだ。大変申し訳ない・・・。)。巻き自体は一箇所ロープをフィックスしたが、問題無く巻くことが出来た。次の8m大釜の滝も私以外は泳いで水流右に取付くが、私は念のため?右から巻く。この先、左から名号沢が入り、沢もやや単調になる。13mストレートの滝は大きな釜の左を空身の舘野さんが絶妙なバランスでへつり(一見とてもへつれそうには見えない)、水流左に取付き直登。後続は飯田さんと濡れたくない私だけは空身でへつり、ザックをロープで滝の下まで引いてもらい登る。他はロープで引かれて釜を泳ぐ。続くきれいな釜を持つ2条4mナメ滝を越えしばらく歩くと二俣となる。
右俣は4m程の滝の奥に20m滝が落ちている。ここは当初の予定通り左俣へ入る。小滝や美しいナメ滝などをどんどん越えていくと、左から20m滝で支沢が入り、こちらも15m滝となる。ここは沢田石さんが水流左をリードする。下段は楽だが、上段の斜上バンドの最初が少々いやらしい。
この先で最後の二俣となるが、ここは両方の沢が20m程の「両門の滝」となって落ちている実に気持ちのいいところである。左の沢にはさらに奥に大きい滝が見える。ガイドには高巻きは容易とあるので楽勝だろうと少し戻って左岸の樹林を登り始めるが、傾斜は一向に緩くならず、どんどん上へ上へと登っていく。途中溶岩流末端の岩壁を絶妙にこなし、いつしか傾斜が緩んできたと思うとすでに完全に尾根に上がっていた。
一部でここから沢に戻るかと言う議論がなされていたようだが?ここまできたらもう帰れないでしょう?(どうせ戻ってもすぐ終了点)。結局直接登山道に出てしまおうと藪漕ぎする。なんとも間抜けなことになってしまったが、途中湿原を見つけたりしてなかなか楽しい。それほどの苦労も無く無事登山道に出て遡行終了。まずはビールで乾杯!。登山道が横切ってあっけなく終わるよりも、つめ上げた!という感じの今回の終了の方が充実感もひとしおと言えるかも知れない(?)。あとは登山道を一気に下りるだけだが、ここの登山道はとても歩きやすく、周囲の樹林も実に気分良くて山行の余韻に浸るには最高の道であった。
コースタイム
7/21 蔵王ダム(7:10)〜入渓点(8:08)〜F2上(12:30)〜幕営地(14:53)
7/22 幕営地(6:49)〜名号沢出合(8:44)〜最後の二俣(11:55)〜登山道(13:10〜13:50)〜蔵王ダム(15:03)
遡行図
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