虎毛山塊 江合川・保呂内沢西ノ股沢

2011年9月24日〜25日  メンバー:森田L,早田,徳山

 

今年の10月3連休は、未丈ヶ岳の滝ノ沢を計画していましたが、諸事情で直前に虎毛山塊の西ノ股沢に変更しました。

10/8 7:00に新宿駅西口に集合。中央環状線が既に渋滞が始まっていたので外環経由で順調に東北道へ。ところが東北道も徐々に渋滞が激しくなり、郡山南ICで一旦高速を降りて一般道を走り二本松ICで再び東北道に乗る。あとは比較的順調だったが鎌内林道から鎌内沢に出る林道に入り鎌内沢に到着したのは既に14時を回っていた。付近に駐車する場所がなかったので鎌内林道まで少し戻り、林道分岐付近に駐車して出発。
 林道を歩き鎌内沢を渡って僅かに峠を乗越すと保呂内沢に到着。歩き始めて少し進むと気持ちのいい河原歩きが続く。河原と言っても実質上河原はなく、浅い瀬が川幅いっぱいに広がっていてじゃぶじゃぶ歩いていくのだが、周りの木々の雰囲気と相まってなんともいい感じである。
 歩くに従い幕営適地がたくさんあり、どこにBCを構えるか迷うところだができるだけ先に行っておこうと進んでいくと、左から綺麗なナメ滝で支流が合わさるところから先は両岸狭まり適地がなさそうである。早田さんがちょっと偵察に行くがこの先はしばらくダメそうでBCはここに決定とする。それにしてもこんなナメ滝の真ん前でテントを張るとは何とも贅沢の極みである。早速薪を集めたき火をして簡単なうどんの夕食とるす。お酒は大量にあるので素晴らしいBCになること必至であろう・・・。

10/9 そばの朝食をすまして出発。すぐ先のちょっとした滝を左から巻くと、その上は今までと違い両岸がせまり、きれいなナメが続くようになり何とも素晴らしい。少し進むと凝灰岩特有のV字型ゴルジュに2つほど滝を連ねていて左から巻く(使えない?トラロープあり)。その先で西ノ股沢出合となる。
 西ノ股沢に入ってもナメの渓相が続くが、少し進むといきなり大滝20mが現れてびっくりさせられる。幾筋もの流れを落とし全くもって見事な造形で、名瀑と呼べる滝であろう。ちょうど右から支沢が入っているのも面白い。左から高巻く。
 大滝の先はしばらく沢は平凡だが周りのブナ林は実にいい感じである。ブナハリタケも収穫できた。しばらく歩くと両岸がスラブとなり、狭いV字状のゴルジュとなる。通過は問題ないが増水したら全く逃げ場はない。
 さらに進むと美しい2段8mナメ滝となる。右端の水流がきれいな円弧を描いている。下段は右の灌木を頼りに水流右を登り、上段は灌木の中を小さく巻く。右から急傾斜の舗装道路のような支沢を合わせ、さらに進むと右壁がスラブとなり5mナメ滝となる。ここは一見して直登は無理と考え左から巻くが、少し上がって灌木が途絶えたところが悪い。その先はどんどん上へ追いやられ正直どうなるかと思ったが、ルート取りが良かったのか?意外と楽に沢に戻ることができた。
 戻ったところにある4mナメ滝がまた何ともいえない形状で背景の青空と相まって美しい!。ここはマントリングとフリクションで快適に越える。右からまたしても舗装道路の様なナメ滝で支沢が入り、本流もナメや淵が大変美しい。この沢は水が非常にきれいなように感じる。続く2段8mは左から巻き、その上にあるナメ滝も一緒に巻いてしまう。
 さらに4mほどのナメ滝を越えると滑り台のような10mナメ滝となる。ここは左から取付き、右に移ってフリクションを効かせて登るがなかなか楽しい。後続にはロープ使用。まだまだナメは続き、6mナメ滝を越えると大きな滝はなくなるが、二俣から先はやや傾斜があるナメがずっと続いている。地形図で見てもこの先どんどん高度を稼いでいるのがわかるが、傾斜が強いままなので極めて効率的で?どんどん登っていく。最後は傾斜が緩み、大した薮漕ぎもなく1000mのコル付近に出るが、その先はやや密な笹薮の中を適当に西へ進み山猫森を目指す。
 せっかくなので三角点を探すがなかなか見つからない。結局意地で?40分ほど探し回りやっと徳山さんが発見する。埋もれかけ、苔むした三角点が見つかったのは奇跡に近いかも・・・。三角点発見に十分満足し下降に入るが、最初は稜線沿いに歩くとちょうど薮のうすいところがありどんどん下っていくと自然に右手に沢型が現れそこを下っていく。しばらく薮っぽい沢型を下っていくと左から水がじゃぶじゃぶ湧き出している沢を合わせいきなり水流が現れる。
 あとはただひたすら下るだけだが、問題になるところは全くなく、ちょっと長いが気持ちよく下ることができる沢である。最後に残された課題はナメコだが、期待通りナメの傍らの倒木にナメコを発見!!。途中、伏流になったり蛇行したり、いろいろな顔を見せてくれるが最後の最後に滝に行く手を阻まれる。右岸から巻いて沢に戻ると西ノ股沢出合はすぐであった。
 BCに戻ると早速たき火をおこしてまずは本日のメインであるナメコを調理する。徳山さんのねぎとナメコと醤油だけの絶品が出来上がるともうお酒が進んで仕方がない。ブナハリタケの甘辛煮も素晴らしい。折しも今晩はちょうど十三夜、名月の明かりに照らされたナメ滝を眺めながら、秋の沢はやはりこうでなければ!と思わせるまさに至福の一時となった。

10/10 今日はBCから戻るだけなのでのんびりとパスタの朝食をとり8:00頃出発。保呂内沢を気分よく歩いていく。気のせいか入山時より紅葉がだいぶ進んだ気がする。林道に到着するとあとはみちを歩いていくのみ。随分と早い時間に駐車地点まで戻ってくる。
 下山後、帰路は国道398号線に出て温湯温泉で入浴しようと思ったが、以前お世話になった佐藤旅館がなんと休業中で結局国道4号線に出てしばらく南下したところにある「豆板温泉・三峰荘」にて入浴、三本木PAから東北道にのって帰途についた。時間が早かったせいか3連休最終日というのに行きとは打って変わって渋滞もなく極めて順調に帰宅することができた。


 直前で行先を変更した計画でしたが、西ノ股沢は予想以上にナメ・ナメ滝が美しいなかなかの好渓だったと思います。虎毛山塊の沢では7本目ということになりますが、やはり沢に関しては何処も期待を裏切らない素晴らしい山域だと思いました。今回は紅葉は残念ながら全くダメでしたが、ナメコも採取できてもう言うことなしの素晴らしい秋の一時を味わうことができました。土壇場の変更に文句も言わずついて来て下さったメンバーの皆様、ありがとうございました。 

コースタイム
10/8 駐車地点(14:50)〜保呂内沢(15:10)〜BC(15:50)
10/9 BC(7:00)〜西ノ股沢出合(7:24)〜稜線(12:00)〜西ノ股沢出合(15:44)〜BC(16:10)
10/10 BC(7:50)〜林道(8:30)〜駐車地点(9:00)


遡行図
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