3/20 20:00にJR武蔵境駅集合。調布ICから中央道に乗り、長野道経由で豊科ICで下りて白馬方面へ。どこで仮眠しようかいろいろ考えたが、結局大糸線の中土駅を利用させていただいた。おかげさまで大変快適に仮眠する事ができた。
3/21 ４時に起床し小谷温泉に移動。ゲートで荷物を降ろし、少し手前の橋の手前の路肩に駐車する。ゲートまで戻って雪の無い林道を板を担いで歩き出す。鎌池林道をしばらく歩き、林道笹ヶ峰・小谷線に入る。
大海川を橋で渡り、1060m付近でブナタテ尾根への斜面へ取り付く。雪面がまただ固いのでつぼ足のままどんどん登っていく。もう少し固ければアイゼンが欲しい感じだが、それだけに効率的に登る事ができた。
小さな雪庇を越えてブナタテ尾根に出てからは私はシール歩行に切換えるが、まだ雪面が固いばかりでなく、積雪が少ないせいか地形図で見る印象よりも細く急で何とも歩きにくい。舘野さんは最初からつぼ足のまま、今井さんもシールに変えたもののすぐにつぼ足に戻る。私は一回どうしようもなく板を外したが、なんとかシールで登っていく。
雪面が固いのでトラバースが難しく、どうしても直登して尾根通しに進む事となって、トラバースし続けるつぼ足の２人とは違うルートになり決して効率は良くない。すこし表面に雪が乗るようになると今度は薄い表層のみ流れてしまいこれまたシールでのトラバースはとても大変だ。おまけに今回のこのルートは尾根通しではなく、小ピークがある尾根を全て左から巻きながら進んでいくのだが、要するにずっとトラバースしているようなものなのである。さすがに途中から足もつり出したので板を引きずってつぼ足に変える。
1741mピークを巻いてしばらく登っていくと今度は雪が少し潜るようになりつぼ足ではきつくなってきたので、歩きにくいシール歩行に再び変更する。小さい池が散在していると思われる辺りから1949mピークを大きく巻いてひたすら高度を上げずにトラバース気味に進んでいくと2036mの広い雪原に出る。とても気分の良いところで、テントでも張ってのんびりしたくなる。ここからは東に進路を取り、天狗原山の頂陵に向かって直登する。30分程で山頂に到着。展望絶佳。間近に焼山、火打山、妙高、眼下に低くなった雨飾山、適度な距離に北アルプスの山々が実に素晴らしい。日本海ももちろん見えている。
さていよいよ滑降に移るが、まずは金山との鞍部までまだ固いバーンを一滑り、そこから浅海川の源頭へ滑り込む。あまり広い斜面ではないが、滑りやすい沢筋を少し滑って右岸をトラバースし1960mの大倉沢との鞍部に出る。ここからは広い大倉沢へ向かって滑り込む。
本流に合流するまでは快適な滑降で楽しめるが、本流に下りると所々古いデブリ跡に新雪がうっすら乗ったところがあり気をつけながら滑る。しかし、総じて快適な滑降が続き、滑っていくに従ってどんどん雨飾山が近くなってくる。時折デブリで埋め尽くされている箇所も出てくるが、右に左に避けながら特に問題なくどんどん下っていく。沢は次第に狭まりゴルジュ状になっていくが、それほど雪崩跡も多くなく、今年は雪が少なかったからだろうかなどと思いながら滑って行く。途中、安全そうな左岸の台地で小休止。快晴の中正面に雨飾山を見ながらすこぶるいい気分で、今日ばかりはビールが欲しい！と心底思ってしまう・・・。
右岸から黒沢が合流し、所々水流が出てくる中さらに下って行くと、とうとう沢沿いに進む事ができなくなる。右岸の斜面をひと登りして尾根を一つ越えて下ると、ちょうどP2からのルートとの合流点である広河原であった。一気に緊張感から解放され台地を滑り林道に出る。あとはのんびりと林道を流し、雪が切れたところで板を担いで駐車地点へ。
下山後、山田旅館で入浴し、今井さんの忘れ物をとりに中土駅に寄ってから国道を南下、白馬で蕎麦を食べて帰途についた。
今回は、３連休なのに天候が悪く日帰り山行に変更した舘野さんと今井さんの計画に急遽参加させていただいたのですが、おかげさまで実に充実した１日となりました。ブナタテ尾根の舘野さんの情報による登りのルート取りが実に絶妙だったのと、大倉沢の状態がそれほど悪くはなかったので時間もあまりかからず、本当に楽しい１日でした。実際には純粋に滑りを楽しめた時間はあまり多くはなく、快適な滑りを求めるよりは、スキー登山的な周遊ルートを楽しむといった要素が多かったと思いますが、こういう山行も良いものですね。これもメンバーに恵まれてこそです。ありがとうございました。
余談：帰宅後、なんと間抜けな事に私も中土駅にシュラフを忘れていた事に気付きました・・・。