原因が分からず2週間程前から痛めていた右手首がなんとなく回復して来たので、8年程前、いざ滑降という時に足がつって大変だった芝倉沢に今度こそ!と再訪しました。今年は谷川周辺は雪が少なそうでちょっと心配ですが芝倉沢なら大丈夫でしょう・・・
4/11 21:00に京王線代田橋駅と21:15にJR高円寺駅でそれぞれ集合し全員合流。練馬ICから関越自動車道で水上ICを経て谷川岳ロープゥエイへ。いつものように駐車場で快適に宴会後、快適に仮眠。
4/12 朝目覚めると予想に反して曇りがちな天気であったが気にせず出発。ロープウェイから見る西黒沢は沢筋はほとんど雪がなく、熊穴沢を滑ってきたら最後は板を脱ぐ事になりそうだ。この時期でこんなに雪が少ないのは初めてである。
天神平に着くと南側の雲はやや厚いものの、風もなくまずまずの天気。シール歩行にするかつぼ足か迷ったが、既につぼ足のトレースがしっかりとついているので我々も最初からつぼ足で登る事とする。今井さん先頭でいいペースで登っていく。
熊穴沢分岐で小休止。熊穴沢避難小屋は屋根だけ見えて完全に埋まっているので、尾根上はそんなに雪が少ない訳でもないのだろうか。朝曇っていたので放射冷却がなかって所為か、元々気温が高いのか、雪面は全く固くなくこれならば芝倉沢もアイスバーンである心配はないだろう。最後は西黒沢上部の大斜面を見ながら登り、順調に谷川岳・トマの耳に到着。展望を楽しみながら小休止。やはりここは人が多く、体が冷えてしまう前に出発する。
この先は登山者がほとんどいなくなり、静かな稜線歩きとなる。まずオキの耳に登り、一ノ倉沢への稜線を歩く。ここは当然だが右側は一ノ倉沢で、落ちたら大変なので雪庇のかなり左側にトレースがあるのだが、夏道とは違うのか時折半分薮漕ぎ状態となる事がある。ノゾキを過ぎ、4ルンゼは滑れるか?などと覗きこみながら最後の斜面を登ると広く平らな一ノ倉岳山頂に到着。
山頂からは、西に谷川岳から連なる万太郎山、仙ノ倉山、平標山、東には目の前に芝倉沢の素晴らしい斜面が広がり、白毛門、朝日岳、その向こうに巻機山、さらに遠く越後三山、平ヶ岳、燧ヶ岳、至仏山と抜群の展望である。
さて展望を楽しんだ後はいよいよ滑降開始。堅炭尾根寄りに滑ると斜度も緩く手頃な傾斜がずっと続いている。雪質は重めでやや気合いを入れての滑降となる。ちょっと油断するとバランスを崩してしまいそうになるが、雪質の変化が思いのほか少なかったのでコツを掴んでしまえば少々疲れるが実に楽しい雪で、1ターン1ターンいつもより丁寧に仕上げて確実に滑っていく。
上部の広い斜面を過ぎ、沢が徐々に狭まってくると若干左岸からの雪崩跡が見られるが、滑りには全く影響しない。とは言っても雪崩の危険性はあるので休憩はとらずにどんどん滑っていく。適度な斜度を保った素晴らしい斜面が続く。振り返ると稜線は遥か高く、岩と雪の調和したアルペン的な景観が見事である。
ノドあたりで再び斜度が増し、沢幅もさらに狭くなるがデブリはほとんどなく快調に下っていく。しかし、さすがにS字と呼ばれる辺りからは沢底がデブリで埋め尽くされている所が現れるが、右岸の高いところをトラバースし、最後はトレースに従ってデブリを左に渡り難なく通過する。さらに下ると水流が現れだし、右岸をトラバース気味にどんどん進むとやがて紅芝寮の前に出る。
ここは林に囲まれたとても雰囲気のいい所である。傍らに水が流れており、汲み上げて飲んでみると冷たくて実に美味しい!。ここまで一ノ倉岳から休憩を取らずに滑ってきたのでさすがに疲れたが、それだけに打上げの宴会でもしたくなるような気分にさせてくれる長閑な場所である。
この先は谷川ロープウェイ駐車場に車を回収しに行く為、私は単身先行する。湯檜曽川右岸をどんどん滑って(歩いて)行くが、奇麗な水の流れと景観の中、散策気分で先を急ぐ。雪はたまに途切れる事もあるが概ね繋がっていて、土合橋までほとんど板を履いて行動する事ができた。
下山後、定番の谷川温泉・湯テルメ谷川で入浴し、国道沿いの蕎麦屋で食事をして帰途につく。生憎関越道は事故渋滞が続き、途中一般道に下りたりして結構時間がかかってしまった。
久しぶりの芝倉沢は何とか足もつらず快適な山行になりました。今回はとても良いペースだったので、小気味良い楽しい山行でした。芝倉沢の雪質が想像以上に重かったのですが、皆さんこの程度では全く問題なく快調に下りて来たのはさすがです。デブリも少なく条件は良かったと思います。また、湯檜曽川沿いの紅芝寮に出た辺りの雰囲気もそれまでとは打って変わって変化があって実に素晴らしい!。あらためてなかなか良いコースだと思いました。
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