会津 霧来沢・鞍掛沢

2009年10月10日〜12日  メンバー:森田CL,佐治SL,石島,斎藤,徳山

 

 今年の体育の日3連休は、昨年海の日3連休に登る事ができなかった霧来沢・鞍掛沢をメインに、昨年と同じもうがけ沢出合でのBCでのんびりと過ごす計画を立てました。

10/9 いつものように佐治さん宅に寄り、22:00新宿駅西口地下ロータリーに集合。今回もなぜか高松ICから首都高に乗り東北道を北上、郡山JCTをなんと通り過ぎてしまい本宮ICでUターンして磐越道に入り会津坂下ICで降りて坂下道の駅にて仮眠。ここは実に仮眠に適した道の駅である。

10/10 天気はまずまずで、御神楽岳登山口へ移動、遡行準備をして歩き出す。登山道は一昨日の台風の影響かぐちゃぐちゃなところが多い。八乙女ノ滝を巻く道を登り、鎖場を下りてからはもうがけ沢出合を見落とさないように私だけ沢の中を歩く。登山口からたった30分ほどでもうがけ沢出合に到着。鞍掛沢出合かこちらか迷ったが、結局こちらにベースを置くことにしてテント、タープを設置する。
 今日は午後が雨との予報だったので、霧来沢右俣を遡行して前ヶ岳のスラブを見物してこようという予定で歩き出す。BCから出発してすぐに本当に平らなナメが大変きれいな八丁洗板に出る。その先で鞍掛沢が右から入り、今日は本流の左を行く。滝は全くなく、どんどん歩いて行くと二俣となり右に入る。沢が大きく右に向きを変え、さらに進んで行くとやがて前ヶ岳のスラブが望めるようになる。視界が開けてY字スラブが正面に見えるところで雨が降ってきたので今日はここまでとし往路を戻る。
 帰りは途中から登山道に上がろうと、二俣の手前で尾根についた登山道を探すがなかなか見つからず、かなり登らされてようやく出ることができた。1/25000地形図の登山道とは若干付き方が違うように感じる。あとは登山道を下るだけだが、途中でなんと倒木にナメコを発見!ブナハリダケもある。ちょっと余計に登らされたが登山道に出て大正解!!。
 BCに戻るとまだ時間が早いのでのんびりと飲みながら時間を過ごす。ナメコはねぎと一緒に火にかけてしょうゆをかけて食べるというこれまた何ともシンプルかつ絶妙な一品と、夕食のメニューであるけんちん汁の具材に。ブナハリダケはバター炒めでいただく。全く幸せな気分を満喫しつつ夜は更けていった。

10/11 夜は雨が降っていたが朝になると素晴らしい晴天になっていた。そうめんの朝食をとり7:00出発。
 最初は登山道を歩くが、八丁洗板から沢を歩く。昨日も歩いたがここはなかなか素晴らしい。鞍掛沢に入るとナメ・ナメ滝が出てくる。8mナメ滝は水量が多いのか水流が真っ白で美しい。左から問題なく越え、次の2段10mは右を登る。上段の上で左から支沢が滝で入ってきている。堰堤のような3m滝は右から越えるが、後続は補助ロープで引っ張り上げる。更に進むと二俣となる。
 左俣は6mほどの滝となって横から流れ落ちるといった感じで、右俣もすぐ先で15m程の立派な滝になる。右俣の滝を見物してからちょっと戻って左俣の滝を右から巻き始める。落ち口のすぐ上で沢に戻ると3・2・2・5mと滝が連続する。一旦落ち着いたところで小休止。再び歩き始めると、2段5mを越え、左から支流を2本入れて更に進むといよいよ核心の大滝30mとなる。
 直登は無理なので右のルンゼを登るか左から大高巻きかといった感じだが、右のルンゼを試しに登ってみる。最初は溝の中を登って行くが、途中からやや左にそれてどんどん登って行くと小テラスに出る。この辺はなかなか高度感があって素晴らしい。立木がなく、指くらいの潅木に残置シュリンゲがかかっていたがちょっと心もとないので更にバンドをトラバースして落ち口付近まで進み、細い立木を何本かまとめてロープをフィックスしてようやくホッとする。
 この先がどうなっているかわからなかったが、とりあえずフィックスロープを登ってきてもらい、その間に先がどうなっているか見てみるが、先程ロープをフィックスした所から3m程下ると問題なく落ち口上に出られる事が判りまたホッとする。ただ、すぐ上にまた滝が連なっているのも見えるのだが・・・。
 全員無事上がってきた後、次の2段15m滝に水流左から取り付く。最初は問題なかったが途中で水流の右に移ってからがやや細かい。残置支点を探したが見当たらず、さらに追い討ちをかけるようになぜか土砂降りの雨になってしまった。全く戦意を消失させられたが気を取り直して何とか水流を跨ぐように下段をクリアー。上段は水流右からの取り付きが少々いやらしいがあとは問題なく登る。
 続く10mは佐治さんが右の窪状から巻き、後続を引っ張り上げる。これで終わりかと思うとまだ先があり、小滝のあとの6mを右から巻くと左から支沢が入る。さらに進むと5m溝状の滝となりこれで滝はようやく終わる。最後の右がナメ滝で合わさる二俣状は左に入り、あとは急なナメ床状の源頭をどんどん登って行くと、殆ど藪漕ぎはなく登山道へと飛び出した。
 辺りは雲が多く遠望はきかなかったがとりあえず本名御神楽まで登る事とする。僅かで山頂到着。展望のない中、しばらく休憩していると雲が晴れ出し、素晴らしい紅葉の御神楽本峰が見え出してきて何とも感動的!。雲と日差しと紅葉のコントラストが実に見事である。
 下山路は避難小屋を過ぎた辺りから昨日見に行った前ヶ岳スラブが見られるようになり、さらにどんどん下ると昨日登山道に出た地点に到着。ここからトラバース気味に下っていって昨日のナメコの倒木に到着するが・・・。残念ながら昨日我々が残しておいたナメコは全部採られてしまっていた。なんとなく諦めきれずその辺の倒木を見ながら帰るが収穫なし。
 BCに戻りものすごく太いブナの倒木を切り出したりして(佐治さん、徳山さん、石島さんご苦労様でした!)充分な薪を用意し、夕食の松茸ご飯も高清水もおいしく、素晴らしい星空とともに至福の晩となった。
 石島さんがはじめてたきびの傍らで寝る事になる。

10/12 今日は帰る前にもうがけ沢の青いナメを見てこようということになる。サラスパの朝食を済まし、空荷でもうがけ沢を歩きだす。最初の滝まで歩いたが、一昨日見たナメのほうが見栄えがするようだ。BCに戻り撤収して登山道を林道終点までのんびりと歩いて終了となる。  下山後、早戸温泉「つるの湯」にて入浴、軽く食事をして帰途につく。時間が早かった所為か渋滞もそれ程ひどくなく、比較的順調に帰宅することが出来た。


 2度目の霧来沢でしたが、本来、1回でもうがけ沢、鞍掛沢両方遡行する計画が、2回に分かれ、しかも両方とも2泊3日というところが一見無駄?とも思えますが、実際は大変贅沢な時間を過ごせたととても満足しています。特に今回は天候がめまぐるしく変わったので、快適なBCの山行で本当によかったと思います。 鞍掛沢は核心部は想像以上になかなか迫力があり、高度感ある大滝の高巻きや、滝の登攀がとても充実しました。また、何といってもナメコの収穫は予想外でしたが、まさに至福の夜となりました。
 最後にまだどこに行くのかもわからないうちから参加してくださったメンバーの皆様、本当にありがとうございました!

コースタイム
10/10 林道終点(8:40)〜もうがけ沢出合BC(9:10)〜霧来沢右俣(11:10)〜BC(13:30)
10/11 BC(7:00)〜鞍掛沢出合(7:15)〜本名御神楽岳(13:20)〜BC(?)
10/12 BC(8:40)〜もうがけ沢最初の滝(9:00)〜BC(9:40)〜林道終点(10:50)


遡行図
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