虎毛山塊 ツブレ沢三滝沢〜赤湯又沢〜湯ノ又沢


2005年7月16日〜18日  メンバー:舘野L,飯田,斉藤,沢田石,徳山,長野,森田


 今回の赤湯又沢は諸事情で参加できない予定であったのですが前日に急遽参加可能になったので、石島さんがキャンセルしたこともあり他のメンバーに迷惑をかけないだろうと土壇場参加したつもりだったのですが・・・。

7/15 家族に沢田石さんの自宅まで車で送ってもらい、22:00秋葉原駅集合で舘野車と合流、首都高から東北道に入り北上し古川ICで下りる。鳴子へ向かう途中の道の駅でテントも張らずにシュラフに潜り込んで仮眠となる。

7/16 あたりが明るくなったところで入渓点へ移動。睡眠時間が短く調子は最悪だが9時前には歩き出す。今回の当初の計画は、ツブレ沢支流三滝沢を登り赤湯又沢左俣を下降、虎毛沢を登り返して虎毛山から赤倉沢の登山口へ下山するというものであったが、この時点で既に変更の兆しがあり車一台を赤倉沢登山口にデポせずにそのまま出発となった。
 車道を少し下りツブレ沢林道に入る。暫く進むと藪っぽくなったので適当に沢に下りる。ワルイ沢出合の先にある大きな堰堤は左から越える。4・10mの連瀑は10mが登れず右から巻くが、少し登ると踏跡があった。下の4mから巻いた方が楽であるようだ。次の美しい5m幅広滝を越えるとナメ床となり、亀甲模様も見られる。さらに進むと左からいきなり美しい8mナメ滝で三滝沢が出合う。
 この滝は右から巻けるが、試しに空荷で左のブッシュを掴みながら登ってみると落ち口に這い上がることが出来た。その先も綺麗なナメが出てきてなかなか素晴らしい。滑り台をしたり釜で泳いだりしながら楽しく遡行する。何故か私は途中から胃が痛くなり少々辛い歩きになってしまった・・・。左岸にスラブが続くところを抜け、ナメ・ナメ滝が続く中をどんどん進み、最後は右にルートをとり、思ったよりもちょっと長めの藪漕ぎで稜線に立つ。香里さんが辛そうだ・・・。
 50m程登山道を歩き適当なところから下降を開始する。すぐに沢筋が現れ、全く問題なくどんどん下っていく。途中二名パーティーと出会ったが、彼らも赤湯又の温泉から来たらしく、今日はまたそこに戻るそうである。
 二俣で右俣を合わせると滝が幾つか出てくるが難なく下降し、ようやく待望のオンドル・温泉付きの幕営地に到着!。すでに1パーティーテントを張っていたが我々もテント・焚き火のスペースを確保できた。いくつかある温泉も見に行くが、河原の温泉の他に以前来たときは入らなかった苔でぬるぬるの硫黄臭の強いところを舘野さんと中の苔を掃除して入浴可能にする。夕食後河原の温泉に入るが、湯船でぬる燗にした日本酒を飲みながらのんびりと浸かっているのは実に気持ちの良いものだ。身も心もとろけそうな夜であった。

7/17 今日の予定は当初の計画から大幅に変更となり、温泉ベースで日帰り装備での行動となった。飯田さん、沢田石さん、長野さん、私の4名は、赤湯又沢を下降して猿子倉沢を登り、支沢を登下降して温泉近くまで戻ってくる周遊ルート、他のメンバーは虎毛沢に入り遊んでくるという内容である。
 赤湯又沢出合までは全員一緒に下降する。出合で虎毛沢散策パーティーと別れ、僅かに本流を下ったところで猿子倉沢へ入る。出合は貧相だが少し進むとゴルジュとなった。小滝をいくつか越えると8m程の滝となり右から巻く。巻き終わったところから先を見ると滝が連続しているのが見え期待感が募る。
 5m滝は左から難なく登り、続く10m滝は左のルンゼからロープ使用で高巻く。沢に戻ると次は立派な20m滝が待ち受けていた。ここは水流左を登ることが出来るかも知れないが、ハーケン等を持ってきていないのであっさり諦め右から高巻く。これが結構追い上げられてしまって時間を喰い、さらに先にもう一つ滝が続いているのが見え残念ながらここで敗退と決定。往路を戻って温泉に帰る。
 戻ってみると他パーティーは全て出発していて我々の貸し切りとなっていたのでまだ明るいうちから温泉三昧の時間を過ごし、何とも幸せな気分の最後の晩となったのである。

7/18 今日は赤湯又沢右俣を登り、高松岳から登山道を下山するのみである。一昨日下ってきた数個の滝を登り返すと二俣で、今度は右俣へ入る。二俣から少し歩いた所の右沢・左沢の分岐は間違えて?右沢に入ってしまうが、ここは流れている水が既に生温く、温泉臭が漂う何とも異様な世界。すぐに源泉地帯に到着しルートが間違っていることも判ったので引き返す事になったのだが、ここは本当にすごい!。熱いお湯が流れる支沢があったり、さながら温泉地に良くある__地獄といった様相である。間違えて右沢に入った為見ることが出来たのは幸運であった。
 10分程で分岐に戻り左沢へ入ると温泉成分が殆ど無くなった。あとは特に問題なくつめて行くが、最後の最後にスラブ状となり私はブッシュを絡めて直上したが、他のメンバーは左に逃げ若干の藪を漕いで稜線に到着する。ちょうど湯ノ又温泉に直接下りる旧登山道?の分岐地点であった。
 さてここから高松岳へ登山道を登り返す予定であったが、ナメの美しい湯ノ又沢を下降することに変更、旧登山道を途中まで下り、湯ノ又沢へ降り立つ。ここもまた美しいナメが続き誠に素晴らしい。登山道が横切るところで一旦登山道に上がったが、湯ノ又沢は相変わらずのナメでもったいないので再び沢に入りそのまま湯ノ又温泉まで沢通しに歩く。そのまま湯ノ又温泉で入浴、温泉とナメづくしの3日間を締めくくった。


 偶然にも今回の山行に参加できて赤湯又沢再訪となり、実に充実した時間を過ごすことが出来ました。特に前回入ることが出来なかった硫黄泉の苔の湯船も入ることが出来たので大満足です(次回は泥湯か?)。ここは何度来ても本当に良いところですね。それはさておき今回のように現地で予定をくるくる変更させるのは本来あまり良いことではないと思いますが、困難度の高くない山域ならば臨機応変なこんな山行もまた楽しいのではないかと思いました。これで猿子倉沢が登れれば最高だったのですが・・・。
 結果的には沢でつなげた周遊としたことで、沢の継続としてもとても良いルートとなったと思います。赤湯又の温泉と美しいナメを手軽に満喫するのならばまさに最高のルートと言えましょう。


コースタイム
7/16 入渓点(9:00)―三滝沢出合(10:46)―稜線(14:15)―幕営地(?)
7/17 幕営地(8:20)―赤湯又沢出合(9:50)―幕営地(13:50)
7/18 幕営地(6:25)―二俣(6:40)―幕営地(13:50)―稜線(9:16)―湯ノ又温泉(?)

遡行図
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