4/18 朝から予想通りの晴天。テントを撤収して6:30出発。最初はシールで歩き出すが、井戸の壁は積雪量が少ないせいかひどく藪っぽく、途中から板を脱いで私は引きずり、他の2名はザックに付けて背負って登る(藪漕ぎにはどっちが楽か?)。正直殆ど藪漕ぎである。四苦八苦しながら尾根上へ出る。
井戸の壁を抜けるとあとはすこぶる順調に高度を稼ぐ。途中幕営しているパーティーのテントも数張りあり、先行している人も多い。ニセ巻機手前の急斜面は上部で既に夏道が出ている。我々は徳山さんが板を脱いで途中から夏道へ、新井さんが下部からトラバースで回り込み、私が急斜面を斜めに登ると3人3様にルートをとる。結果的には時間に大差はなかったが、今回は新井さんのコースが正解だろう。3人合流してからは僅かな登りでニセ巻機に到着する。
避難小屋までシールのまま下って小休止していると、携帯電話が落ちているのに気付く。先行しているパーティーに大声でコールすると、わざわざとりに下りてきてくれた(結局はその方のものではなかったようなのだが・・・)。ここから山頂まではあと僅か(もはや登頂は確実である!)。ややトラバース気味に頂上を目指し、程なく既に雪のなくなっている山頂に到着。数パーティーが休憩していてなかなかの賑わいである。我々も早速ビールで乾杯!。
さていよいよ滑降だが、山頂からの滑降ルートは登ってきたルートを滑るか、米子沢源頭に真っ直ぐ下りていくかの2通り考えられる。登ってきたルートはニセ巻機への登り返しが最短だが、我々はより快適な滑降を求めて迷うことなく真っ直ぐ下りていく。やや雪がゆるみすぎている感があるがそんなことは全く気にせず実に快適に飛ばし、あっという間に登り返し地点である。ニセ巻機への登り返しはつぼ足の跡があったので大した苦労はなかった。
さてここからも素晴らしい斜面が続き、残雪期の山スキーを思う存分堪能する。下るにつれて雪が腐りだし、雪質の変化も激しく油断は出来ないがそこは残雪期の気軽さでどんどん飛ばしていく。井戸の壁の上の細い尾根は登路を外して右の沢状を下り、いよいよ問題の井戸の壁に突入する。
登ったときは下りは一体どうなることかとやや心配であったが、いざ滑り出すと案外何とかなるもので、ルートを選びながら半ば強引に滑り降りる。こういうのも考えようによってはルート選びの楽しみがあってなかなか良いかも知れない(?)。結局、何とか板を外さずに下りてくることが出来た。あとは緩斜面を今日1日の余韻に浸りながら流すと間もなく桜坂駐車場手前の終了点に到着した。
今回は雪不足の為の転戦ということになりましたが、熊穴沢・巻機山共に残雪期の山スキーを十分に楽しむことが出来ました。まさか巻機山に登る事になるとは考えもしなかったのですが、私自身は今まで2回山スキーで訪れていて何れもニセ巻機で終わっていたので3度目の正直ということで山頂からの滑降は印象深いものでした。また、テントでふきのとうの天ぷらまで食べることが出来、転戦ではありますが大満足の2日間になったといえましょう。
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