御嶽山(継子岳)山スキー


2003年4月13日   メンバー:森田(L),佐治(SL),飯田,岩崎,寺西,徳山(以上銀座山の会),藤澤  


 今回は、最近に出来たらしい「チャオ御岳スキーリゾート」から残雪期の御嶽山の一角、継子岳を往復するという手軽な山スキーを企画したのですが、果たして現実は・・・。

4/12 森田車は17:00にJR府中本町駅に集合。19:00に諏訪湖SAで藤澤さんの車と合流、夕食をとる。塩尻ICで高速を下り、チャオ御岳スキーリゾートへ、向かうがこれがなかなか遠い。ようやく着いたかと思うと時折雨が降ってくる。しばらく車の中で飲みながら雨が上がるのを待ったが、夜半過ぎには殆ど雨も上がりテントを張って仮眠とする。

4/13 早朝はやや雲が残っていたが、次第に快晴となり乗鞍岳が実に美しい姿を見せている。ゴンドラに乗り終点でシールを貼って出発。最初は樹林の中を歩くが、昨日の雨でぐずぐずの雪面は下りが思いやられる。森林限界が近くなると雪面がずいぶん堅くなってきた。しばらく歩くと樹林が開け、目の前に継子岳が聳えるようになる。
 この上はシール歩行が辛いくらいクラストしていて、スキーアイゼンを装着したが、佐治さんは持っていなかったので早々にアイゼンに切り替える。いろいろとこの先の状況を考えるとここでアイゼンに切り替えたほうが賢明だと判断し、全員板を脱いでアイゼンでと思ったのだが、なんと飯田さんがアイゼンを持ってきていない。正直、この標高(2400m位)でこんなにクラストしているのだからアイゼンが無くて山頂に行けるのだろうか?とやや疑問も湧くが、考えても仕方がないのでパーティーを2つに分け、飯田さんと私はもう少しスキーアイゼンで登り途中からアイゼンなしでハイマツを絡みながら尾根沿いに、他のメンバーはアイゼンに履き替えて佐治さんの判断で沢沿いに登ることとする。
 最初のうちはハイマツの横の雪面を歩いていたが、下がハイマツの所為か表面は堅いくせに抜けてしまうと膝近くまで入り、非効率かつ疲れること甚だしい。いい加減いやになってハイマツの上を歩くようにするが、この方が幾らかましなようだ。この先、岩をよじ登ったり、つるつるの氷を越えたりちょっとアドベンチャースキーになってしまった。おまけに吹き飛ばされんばかりの強風である。出来るだけ風を避けて尾根の左側を登る。右手の沢を覗き込むと佐治さんと岩崎さんが登っているのが見える。山頂が近づき傾斜が緩み出すと快適に歩けるようになり一安心。山頂直前の平らなところでアイゼン隊がほぼ同時に到着し合流する。なぜか佐治さんと岩崎さんしかいなかったので後続はと尋ねると、なんと途中で引き返したそうである。確かにピッケルなしでは少々怖い斜面だったようだ。それにそんな斜面をせっかく登っても滑ることができるかという問題もあるようだ・・・。
 あとは傾斜の緩い斜面をわずかで継子岳山頂に到着した。山頂にはなぜか広島の原爆ドームのような壊れたドームがある。御嶽山の頂稜は広く、真っ白な雪原の向こうに摩利支天山・剣ヶ峰などの素晴らしい展望が望める。剣ヶ峰の手前には二ノ池小屋らしい建物も見える。相変わらず風は強いが、日が当たってるとそこそこ暖かく、ビールがとてもおいしい。十分に景色を堪能した後、いよいよ待望の滑降に移る。
 北面の斜面はまだ緩んでいるとはいえないほどカチカチであったが、エッジの効きはまずまずで、十分に滑降可能と判断できるが、転倒したらおそらく完全に下まで行ってしまうであろう。出だしから少し下ったところはかなりの急斜面で、慎重にジャンプターンを繰り返し標高を落としていくが、いざ滑降を始めると最近持病化している?太股の攣りがまたしても出てくる。雪面に凹凸が少なく、エッジも十分に効くので足が痛くなかったらもっと楽しめたところなので誠に残念だが、それでも自分が崩した氷片がカラカラ音を立てて自分の前を落ちていくのを見ながら小刻みにターンを繰り返すのはなかなか気分が良い。転倒は絶対に許されないので、他のメンバーは横滑りで慎重に下りてくる。
 一旦沢が狭くなる核心部を過ぎると傾斜が緩み、緊張感から解放される。広い斜面に思うままにシュプールを描き、森林限界あたりで右の尾根に上がると途中で引き返したメンバーが待っていてくれた。しかし、日が当たっているせいか途端に雪質が悪くなる。合流してからの樹林帯の滑降は殆ど最低の部類で、腐った雪に皆さん手こずっている様子である。出来るだけ滑りやすいところということで、樹林が薄いところを狙って滑ったが、最後は樹林がない浅い沢筋に入ってみるとこれがまた意外に快適である。沢筋を絡めながら下りていくと左がスキー場となり、上がってみるとゴンドラ駅から僅かに下ったところであった。


 御嶽山は敗退を含めて4度目の滑降ということになりまが、今回のルートは最近出来たスキー場を利用したもので以前では考えられなかったルートだと思います。大滝口や黒沢口に比べると短くて手軽な感じを受けます。しかし、北面であるために時期が遅かったにもかかわらず上部はハードなバーンで少々スリリングな滑降を堪能させてもらいました。厳冬期に滑るのは少々無理があると思われ、条件次第では危険ですらあると思いますが、残雪期の滑降コースとしては手軽さと斜面の素晴らしさから大いにお薦めのルートだと思いました。


コースタイム
チャオ御岳スキーリゾート(8:45)―継子岳(11:15〜11:40)―チャオ御岳スキーリゾート(13:20)


地形図
このページのトップへ

2003年の記録へ


トップ
はじめに
最近の山行
過去の記録
山の写真集
山の雑事集
自己紹介