5/3 湯殿山から下山後、鳥海山へ移動。岩蛎・刺身などを買い込み吹浦西浜キャンプ場へ。ここは以前はこの時期は営業しておらず、山スキーヤーくらいしかテントを張っていなかったと記憶するが、数年前からこの時期も営業しいるらしく一般のキャンパーでなかなかの賑わいであった。
5/4 雨の為、吹浦西浜キャンプ場で停滞。雨の中、ブルーライン沿いに山菜採りに出かけ、夕食には山菜の天ぷらと飛良泉を存分に堪能する。これはこれでなかなか幸せな1日である。
5/5 晴天の天気予報に期待して、鉾立の駐車場を出発。シールで展望台まで登ると、なんとその上は雪がなく、夏道がずっと続いている。仕方なく板を担いで歩く。途中から右手の雪渓が繋がっていそうだったので、佐治さん、舘野さんはシールに切替えそちらへ行く。残る3名はしばらく夏道を歩き、左側の雪渓に出たところでシールに切りかえる。
吹浦口から登って来るルートと合流する辺りで再び佐治さん、舘野さんと合流し、御浜神社を目指すが、直前でなんと雪が切れて夏道歩きとなってしまった。こんな事ってあるのだろうか?。御浜神社は雪に埋まっているどころかすっかり雪から出ていて、周りにテントを張れるようなところはない。小屋は素泊まり1000円という事なのであっさりと小屋泊まりに変更。ところが小屋の中に荷物を広げた頃には辺りはすっかり乳白色の世界になってしまい視界はゼロ。仕方なくトランプなどに興じていると、夕方になって晴れだしたので、柴田さん以外の4名は早速鍋森付近でひと滑りしに行く。私は偵察がてらさらに下まで滑り降り、千畳ヶ原から御田ヶ原分岐に登り返して扇子森を越えて強風で吹き飛ばされそうになりながら小屋に戻った。
5/5 朝から晴天である。ラーメンの朝食を済まし、さあ出かけようという段になって飯田さんが風邪による体調不良で小屋で休養という事になる。(私も少々のどが痛いので心配だが・・・)
板は背負って出発する(雪がないので・・・)。完全に露出した夏道を七五三掛へ向かう。七五三掛から千蛇谷に下りるところはしっかりとレースがついていたのでまったく問題なかったが、朝は雪が硬かったのでアイゼンはつける。千蛇谷に下りてしまうとそこはもうただ広い雪渓が山頂に向かって緩やかに弧を描いて伸びているのみ。雪面が充分固かったので、板を引きずりアイゼンのまま登る。緩く左に曲がる谷をどんどんつめて、最後は沢の左の斜面を登っていくといよいよ頂上の新山が間近である。下を見ると下からは気がつかなかった大物忌神社の建物が見える。岩がごつごつした所をわずかに登ると、久しぶりの鳥海山山頂に到着。しばらくすると他のメンバーも登ってきた。ちょっとした窪地で風をよけて飲むビールがまた格別である。
さていよいよ滑降に移るが、舘野さんと私は殆ど山頂のすぐ脇から板をつけて出発。佐治さんと柴田さんは少し下に板をデポしてきているのでそこまで歩いて下る。
雪面はまだあまり緩んでおらず、適度な硬さを保っていて飛ばすには絶好のコンディション。実に気持ち良く念願の千蛇谷に板を滑らす。途中、落石が多いところはそれらを避けながらやや左寄りを滑る。あまりの気持ち良さに本当にあっという間に七五三掛への登り返し地点まで戻ってきてしまった。帰りのトラバースは雪が緩んでいるのでアイゼンは使わなかった。
七五三掛で佐治さんと柴田さんはそのまま蛇石流方面に下り、舘野さんと私は外輪山伝いに文珠岳まで登り、蛇石流めがけて大滑降。斜度は適度で広く、雪質も申し分ないザラメでもう天にも上る気持ちの滑降となる。久しぶりに思い切り飛ばすことが出来た。蛇石流から鳥海湖へ登り返すと、さっきまで点にしか見えなかった佐治さんと柴田さんになぜか追い着いてしまう。いやースキーの機動性はすごい!(全員スキーだったが・・・)。
御浜神社に戻って荷物をまとめ、いよいよ鉾立への最後の滑降となる。登りでは板を脱いで夏道を来たが、稜線を左から回り込むようにすると滑って降りることができた。ややルートが左によっているので右へ右へ修正しながら鉾立へ続く斜面に出るとあとは日本海に向かって何も考えずに滑るのみ。快調に飛ばしてブルーラインに出て終了となる。
鉾立まで車を回収に行き、とりみ荘でひと風呂浴びてから帰途に着くが、連休最終日というのに渋滞は全くなく、恐るべきスムースさで帰京する事が出来た。
とにかく雪が少過ぎる!これが今年のゴールデンウィークの月山・鳥海山の印象でした。何度も来ている山域なので平年との差に愕然としますが、雪のない夏道を登ったところでも、下りは快適に滑って下りて来れるのですから全く問題はなく、むしろ変化があって鳥海山の新しい側面を見ることが出来たような気がします。また山麓には他の楽しみも多く、雨が降っても楽しめてしまうのが鳥海山の良いところでしょう(?)。がつがつ滑るだけが山スキーの楽しみでは無いことをしみじみと感じさせてくれると思うのですが、そんなことを考えるのは私だけでしょうか・・・。
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