守門岳 袴腰〜黒姫


2002年4月13〜14日    メンバー:舘野,飯田,佐治,沢田石,森田


 守門岳というと大原スキー場からの日帰り往復が一般的ですが、今回は五味沢から1泊で破間川源頭と黒姫を含めてのんびりと楽しもうという計画です。

4/12 21:30二子玉川駅にて沢田石さんの車で佐治さんと私が集合。関越道高坂SAで舘野さん、飯田さんと合流、小出ICから現地をめざす。当初只見線の無人駅で仮眠しようと考えていたが適地がなく、結局大原スキー場の駐車場でテントを張って仮眠。

4/13 五味沢に移動し、下黒姫沢沿いの林道入口付近に駐車して歩き出す。破間川を渡る橋は雪が無くスキーを脱いで渡るが、沢田石さんはシールのまま渡ってしまう。だらだらとした林道をしばらく進むと終点となり、下黒姫沢へと下りる。風も無く、なんともいい天気である。またしてもだらだらとした沢底をのんびりと歩く。このルートは最後は左岸の尾根に上がる様になっているのだが、適当に上がっていったところ随分早過ぎたらしく、しかも尾根の上は既に潅木が出ていて尾根上は歩けない。結局尾根をトラバースしながらしばらく進む。
 今回の私の板は妻に借りてきた新品のスキー板(アトミック ツアーガイド 長さ159cm!)に家であまっていた昔のシールをとりあえず合わせてきたのだが、折返し部分が長かったのでトラバースでそこから剥がれだし少々苦労する。一旦鞍部に下り、正規なルートと合流して一段登ったところでブナ林の中の素晴らしい幕営適地があり、まだ時間は相当速いのだがここをBCとする事になる。
 全く時間はたっぷりあり、お酒も充分にある。なんとも無駄なような贅沢なような素晴らしい時間を過ごした。しかし、日が傾き出すと風がだんだん強まり、夜には気圧の谷の通過によるものかものすごい勢いでゴーゴー風が吹いていた。BCをもっと上にあげていたらさぞ大変だったろう・・・。

4/14 朝目覚めるとフライは飛ばされてテントの脇にあった。板が飛ばされていないか心配だったが、とりあえず全部あるようだ。昨夜の風は収まり、稜線上に垂れ込めていた雲も日の出とともにどんどん晴れていく。
 まず尾根沿いに上る。赤布が所々あり、問題ないと思ってどんどん登っていくとそこは1164m標高点の左の尾根上で、本来ならば右の鞍部を狙って登るべきところが少々遠回りしてしまった。そこからは特に問題無く駒ノ神から黒姫への稜線に到着。袴岳へ登る許可が出ていない(?)佐治さんはここで待つとの事。残りの4名のメンバーで袴岳へと向かう。駒ノ神まではリッジ状の登りで、一旦高度を下げてから袴腰の斜面に取り付く。
 袴腰からの破間川源頭は一部亀裂が入っているところもあるが素晴らしい斜面である。そこを滑る目的のない沢田石さんは下で板をデポ。袴腰直下で雪が切れ、そこで残りの3名も板を置き山頂へ向かう。少々藪を漕ぎ、短い雪の斜面を登ると袴腰へ到着する。本来ならこの少し先にある守門岳の本当の最高峰である袴岳まで行く予定であったが、ズタズタのナイフエッジと藪漕ぎが必要な有様を見てあっさりと断念。
 あまり鮮明ではないが展望は素晴らしい。始めての山頂なので見慣れぬ展望に山座同定となる。すぐ近くの浅草岳へは、ヘリスキーのヘリコプターが飛んでいた。大岳方面の雪庇も既に大方落ちてしまっている。
 さて先ほどスキーを置いてきた地点まで戻って待望の滑降である。私は生まれて始めて身長より短い板で滑るので多いに楽しみである。準備をしていると、気がついた時には舘野さんは気持ちよさそうなシュプールだけ残して既に下で点の様になっていた。滑り始めはかなり急斜面であるが、雪が緩みすぎるくらい緩んでいるので全く緊張感はない。スピードをセーブした小回りで下りるが、板を回し込み過ぎるような滑りには短い板は実に快適である。どこまでも滑っていきたい衝動に駆られるが、本日はトラバースして登り返しなしに駒ケ岳との鞍部付近に戻る。駒ケ岳に登り返した後はこれまたなんともいえないリッジ滑り(リッジの上を直滑降)ということになる。
 佐治さんが待っていた地点に戻ると、黒姫に向かうべくそのまま滑降を続けるが、今度は沢田石さんが「スキー滑降の練習をする」ということで一足先にBCへ戻る事になり、また4名行動で黒姫に向かう。下りきった鞍部から僅かな登りで黒姫の頂上の一角に出る。そこから一番奥の山頂までなだらかな頂稜が続いている。
 黒姫山頂からは先ほど滑ってきた袴腰の我々のシュプールが良く見える。ビールも無く、風が少々出てきたので早々に滑降に移る。気持ち良く稜線沿いに下った後、上黒姫沢源頭へと滑りこむが、この辺りは僅かに木立がある中、適度な傾斜で実に良いところである。途中から右へトラバースして下黒姫沢へ入り、快適にBCまで戻ってくる。荷物をまとめ、下黒姫沢に下りるまではブナ林の快適滑降であるが、沢底は傾斜が緩く直滑降で流すのみ。それでも山行の余韻に浸るには充分である。林道終点付近で林道に登り返し、あとは林道沿いに車まで戻った。新しくなった浅草山荘で温泉に浸かり、へぎそばを賞味してから帰途へついた。


 結局は予定していた袴岳には行けなかったものの、のんびりと楽しめた山行になりました。滑降という点でも、袴腰からの破間川源頭と稜線からの上黒姫沢源頭はなかなか素晴らしい斜面でした。特に前者は下まで滑って登り返せばかなり充実するでしょう。しかし、1日目に速くテントを張ってしまったため、飲み過ぎで調子が悪いといった傾向が無かったとはいえないと思いますが・・・。
 今回は前途の通り妻の短い板を借りて行ったのですが、さしあたって問題は無く、むしろ登りでの取り回しの良さは長所でありました。滑りにおいても、私程度の技量の者がとやかく言うのもなんですが、サイドカーブが深い為か僅かな操作で非常に良く曲がり、余程スピードでも出さない限り快適です。少なくとも今回のような残雪期には長い板を持っていく必要性はあまり感じられませんでした。


コースタイム
4/13 五味沢林道入口(9:30)―幕営地点(12:20)
4/14 幕営地点(5:50)―稜線(8:20)―袴腰(9:50)―黒姫(10:48)―五味沢林道入口(12:40)


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