6/29 先発隊3名は二口山塊から那須まで移動し、雨が降っていたため甲子温泉手前のキョロロン村駐車場の東屋の下にテントを張り、20時頃から寒いのでシュラフにくるまりながら飲み始める。まさか明日沢登りが出来るとはこの時誰が考えただろうか・・・。
6/30 朝目覚めると何と青空が覗いているではないか!。今日は雨だと確信していた我々はあわてて撤収して後発隊との待ち合わせ場所である甲子温泉へ行くとすでに後発隊の皆さんは遡行準備を始めていた。
8:00甲子温泉を出発する。大黒屋脇の道を下りていくとすぐに阿武隈川本流と白水沢にわかれていて、登山道が橋で本流を渡った所から入渓する。歩き始めてすぐに右に曲がったところでいきなり5m滝が落ちている。左側壁から取り付き、水流左を登るとすぐにまた堰堤となり右から越える。この先、大人数での遡行なので数名先行して必要ならばロープを張る事とする。
20m滝はとても立派な滝だが直登は無理で左を巻くように難なく登るが、上部は落ちると下までなので要注意である。次の傾斜の緩い2段10mは左から、6m滝も左から越えるとナメ・ナメ滝が続くようになりなかなか美しい。気持ちよく登っていくと二俣となる。さすがにこの人数ではここまででコースタイムの2倍ほど時間がかかっている。
左俣に入るとしばらくは平凡な渓相となり、どんどん歩いていくとやがて奥の二俣に到着する。ここは左右共に滝となって落ちており、目指す右沢には3段40mがかかっている。下段は緑色の苔で覆われていていて、水流右にロープをのばす。途中1本残置支点があったが、1段目を登った所には支点となるものが無く、ハーケンを2本打ってロープをフィックスした。2段目の釜をへつるところが少々嫌らしいが、3段目は水流のない中央を、4段目は右から楽に登ることが出来た。
その先、苔の美しい5mナメ滝を越えたところで沢が左曲すると3段30m滝となる。倒木と右からの土砂で埋まっている所があるが、ここもまた薄っすら苔が覆っている様はなかなか美しいものである。下段・中段は問題なく登るが、上段は傾斜がきつい。水流のど真ん中に舘野さんがロープをのばすが、冷たそうなので私は右側の潅木の中を登ってしまった。
ここを越えてしまうともう終わったようなもので、少々荒れた感じの沢筋を忠実につめていくとやがて沢形が無くなり、若干の薮漕ぎで登山道に出ることが出来た。先発隊3名が持ち上げたビールで乾杯する(後発隊は昨夜買い出ししたビールを飲み尽くしてしまったそうである・・)。下山は甲子山には寄らずに甲子温泉まで一気に下り、大黒屋で入浴してから帰途についた。
始めての那須の沢は美しく楽しめるなかなかいい沢だったと思います。何よりも全く絶望視していた天気が好転したことが極めて幸運であったことはいうまでもありませんが、やはり人間最後まで諦めたらいけないと云うことなのでしょうか(諦めが肝心とも云いますが・・・)。
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