谷川連峰 魚野川・万太郎谷大ベタテ沢


2002年9月1日  メンバー 新井,沢崎,徳山,森田


 近い・簡単・短い・楽しいという日帰りの沢を探していたところ、「上信越の谷105」からこの沢が浮上し、今年沢を始めた沢崎さん、新井さんを誘って行って来ました。ロープもいらないようなことが書いてありましたが、果たして現実は如何に・・・。

8/31 新宿駅南口に23:00集合。関越自動車道で湯沢ICで下り、土樽駅へ。駅舎は他に誰もいなかったので宴会には大変都合が良かったが、いざ寝る段になると電灯が消せなくて閉口した。(私は星を見ながらホームで寝た。)

9/1 今日の沢は遡行時間も短いのでゆっくりと出発する。車道終点では万太郎谷に入るという2人パーティーが遡行準備をしていた。我々も準備をして7:40出発。
 大ベタテ沢だけ遡行する気ならば谷川新道の踏跡を追ってもいいのだが、せっかくなので万太郎谷の美しいナメを見て行こうと思い万太郎谷に入る。少しゴーロを歩くと素晴らしいナメとなり、ちょうどそれが一段落するところで右から大ベタテ沢が入る。予想通り本谷に比べてあまりにも貧相で藪っぽく、「ここに入るの?」といった感じだが仕方がない。
 少し登ったところで谷川新道の踏跡がある。藪が覆い被さるようなところもあり水流も細く不安になるが、資料を信じてどんどん登る。ようやく最初のナメ滝3mが現れ、これからが本番である。
 程なく二俣となるが、ルートとなる右俣は水量が少なく、徳山さんの「今日は水量の少ない方少ない方に入っていく・・・」という言葉に一同妙に納得。ナメ滝をいくつか越して行くと垂直な10m滝となり、直登は不能。左の草付きと右の支沢両方とも巻けそうだが右の方が楽そうだったので支沢から小さく巻いた。続く7mは水流沿いはやはり無理だが、少し左側の倒木のあるルンゼ状を登る。後続にはロープ使用。その上のやや傾斜のあるところの奥にある6m滝は取付きにいいホールドが無く、新井さんにショルダーしてもらい登ったが、後続はフィックスしたロープを、練習も兼ねて自己脱出の要領でアッセンダーを2個使ってホールドまで上がり突破してもらった。(実は右から簡単に巻けたのだが・・・)
 次に現れる30mナメ滝は取付き以外は傾斜が緩く楽しく登れる。2段10m滝を左から越えさらに進むと沢が開けて30mスラブ滝となるが、なぜか妙に風が強い。なかなか美しく壮観なこの滝は、水流で黒くなっているところ以外はよく乾いていて、フリクションが大変よく効く岩質なので、ホールドは殆ど無いのだが左側を快適に登ることが出来る。しかしそこそこ高度感もあるので慎重に。後続にはロープを投げる。そのすぐ上のトイ状滝は登れそうもないので、もう一つ上の滝と一緒に左の草付きスラブを巻き気味に登る。ここも念の為ロープを出した。この上は再び樹林のなかにナメ・ナメ滝が連続する。
 二俣を左に入って小休止。明るく開けていて気持ちの良いところだ。その先傾斜の強いスラブとも草付きとも言えぬところをどんどん登っていくとやがて沢形が途切れて藪に突入する事になるが、踏跡があり藪も濃くは無いので(傾斜はとても急だが・・・)15分ほどで吾策新道に飛び出した。
 少し右側の景色のよい岩の上に移動して早速ビールで乾杯!。相変わらず風は強めだが、かえってそれが実に気持ちがいい。尾根上の一突起ではあるが展望も実にいい。充分満足感に浸ってビールが無くなったところで下山を開始した。


 「初級者向きの沢」ということで選んだ沢でしたが、実際は予想以上に充実した内容の沢だったと思います。正直なところ、初級者向きという根拠がどこにあるのかかなり疑問に思います。余程沢慣れたパーティー以外はロープ必携でしょう。まあそれはともかく、万太郎谷下流部の美しいナメを歩き、後半は滝の連続で楽しめ、おまけに遡行時間も短いという、いいことずくめの日帰りの沢としては充分おすすめ出来る沢でありました。


コースタイム
車道終点(7:49)―大ベタテ沢出合(8:30)―吾策新道(12:56〜13:49)―車道終点(14:14)


遡行図
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