朝目覚めると辺りはガスであったが、時間がたつにつれて次第に晴れてくる。今日は白神山地の二ツ森に登ってから帰途に着く予定であるが、その前にせっかく白神にきているので、まずは十二湖周辺に寄って「鶏頭場の池」と「ビジターセンター」、「日本キャニオン」などを見物する。その後海沿いの国道101号に出て「白神岳登山口」と駅名が変わった旧陸奥黒崎駅を懐かしく横目に見送りどんどん南下。
秋田県に入ってしばらく進んだところで二ツ森登山口方面に左折する。驚いたことに、この「青秋林道」は全線舗装道路で青森県との県境付近まで容易に車で入れてしまう。既に終点の駐車場には数台の車が駐車している。我々も早速準備をして歩き始める。
登山口から少しはいると左に展望台への道を分け、僅かに登るとすぐに三町村界峰である。そこから登山道は一旦緩く下っている。青秋林道沿いは殆どが杉の植林であったのに対し、ここはさすがに美しいブナの樹林の中を歩く道だ。所々ぬかるんでいるがよく整備されている。鞍部からはまた登りとなるが、昨日の岩木山の疲れが残っているのか、娘の遥が「疲れた」と言い出したので部分的におんぶして歩く事になる。次第に樹林の背が低くなり、真瀬岳や白神岳方面が望める様になると山頂は近い。
山頂付近は数パーティーの人々がくつろいでいてちょっとした賑わいだ。一番奥には白神山地の世界遺産に関する説明の新しい看板が立っていた。また、腕に腕章をつけた人(素性は不明だが環境省関係?)がいて周りの山の名前を少し説明して頂いた。遥はどこかのおばさんに飴やお菓子をいただいて喜んでいる。今日もやや雲が多くて岩木山などは見えなかったが、世界遺産のコアエリアにあたる広大なブナの原生林を一望することは出来た。ここ二ツ森はちょうどコアエリアとバッファーゾーンの境界付近のようだ。下山は往路を駐車場に戻る(これしか登山道はない)。
下山後、再び国道101号を南下。途中、八郎潟・男鹿・秋田市街などに寄り道しながら、秋田自動車道で帰途に着き、長いようで短かった東北家族キャンプに終止符を打った。
物議をかもして建設中止になった青秋林道も結局今では全面舗装で観光目的に使われているという事実を目の当たりにしましたが、考え様によっては既に作られてしまった物であり、白神山地のコアエリアを一般の人が一望できる数少ない場所として利用するというのは致し方ない事であるといったところなのでしょうか。まあこの道のおかげで我家も家族揃って白神山地の一端に触れることが出来たわけですが・・・。久しぶりに再訪した白神山地でしたが、またいろいろと考えさせられました。
2002年の記録へ |