今年の夏の家族キャンプ第一弾は、昨年に引き続き虎毛・栗駒を再訪する事になり、その合間に私は単身で役内川・赤倉沢から虎毛山に登ってきました。
7/24 19:00自宅を出発。首都高が渋滞していたので環八〜外環経由で東北道に乗り北上。那須高原SAにて仮眠。
7/25 那須高原SAで朝食をとり出発。古川ICで東北道を下り国道47号を虎毛方面へ向かう。当初、須金岳登山口をベースとしてミテノ沢を遡行する予定であったが、途中で林道が崩壊しており車の通行が不可能であった為にあきらめ、虎毛山の登山口に変更して赤倉橋の下の河原にテントを張ってベースとする。
7/26 林道終点まで車で送ってもらい、7:41出発。登山道が赤倉沢を渡るところで入渓する。しばらくは穏やかな河原が続く。幅広の小滝、4m滝と続くとその先は堰堤となり、右側を木を掴みながらやや強引に登る。堰堤上は堆積物が溜まっていてそこが最初の二俣となっている。左に入って少し進むと、この沢の核心と思われる15m滝となる。少し手前の右岸が大崩壊しており、多量のガレと大木を押し出している。この滝は一見して登れそうに無く高巻くことになる。最初左の崩壊地を登ろうと思ったが、取付いてみると「もしこの岩が崩れてきたら・・・」と想像すると恐ろしくなり断念。もう少し戻って適当な所から左の樹林を登り始めるが、登るにつれて半ば行き詰まってしまったものの、強引に何とか登りきると、傾斜が緩んだところで踏跡のようなものが横切る。おそらく、もう少し戻ってよく探せばこの踏み跡を見つけることが出来たのかもしれない。踏跡を追っていくと先ほどの「大崩壊」で分断されていたが、少々冷や汗ものでそのガレを渡ると先にも続いていて、無事に滝上へと下りる事が出来た。
その後はとりたてて問題になるところは無くしばらく歩いていくと、左に雪渓の破片が落ちていた。さらに進むとナメ床となって沢は二分する。左に入るとすぐに5m・7m・15mの3連瀑となる。5m・7mは問題ない。15mは3段になっていて、下段は左から、中上段は右から登る。その上もナメが続き1:1の二俣となる。右は小滝で、左は一定の傾斜でナメが続いているのが見える。ここは右に入ると間も無く美しい20mナメ滝が現れる。傾斜が緩いのでどんどん登っていくと最後に5m程の滝が2つ連続していて、何れも水流右を登る。登山大系の遡行図を思い出すに(もって来てはいない・・・)、この辺りで滝もそろそろ終わりかと思っているとそれは大間違いで、実はこの上が結構大変なのであった。
3つほど滝を越えると2:1の分岐となり、左へ入ると10m滝が行く手を塞いでいる。右から取付き、中程でバンドをトラバースして上部は水流左を登る。落ち口の上は傾斜の緩いトイ状ナメ滝となっていて、左側を登るがスリップしたら下の10m滝も落ちるのでちょっと慎重に歩く。最後まで気が抜けないとうれしい悲鳴を上げていると、左は10mスラブ滝、右は5mトイ状滝が現れる。滝は両方ともつるつるでまったく手が出ず、高巻くとかなり時間がかかりそうなので両滝の中間の極小スタンスと悪そうな草付きの斜面を登り何とか上の樹林帯まで這い上がる。
沢を覗き込むと上にはまだ滝の連続が見え、一見登れそうも無かったので、沢に戻ろうか一瞬躊躇したが、藪を漕いで登るにはさすがにまだ登山道は遠そうだったのでとりあえず沢に戻る。上から見えた連瀑は左から巻く事が出来たが、最後は草付きバンドをひやひやもので沢に戻る。続く小滝はザックを先に上げてマントリングでクリアー。ガレや倒木でやや荒れ気味な中を進み、8m涸棚を登ると急に沢の中が鬱蒼としてくる。どんどん登っていくといきなり傾斜が無くなり、沢が右へ緩く曲がっている。「ここだ!」と思い右岸の藪に入るとなんと1分もしないで登山道に飛び出してしまった。思わず「出た〜!!」と叫んでしまった。
登山道にザックをデポして早速虎毛山を往復する。相変わらず広々とした美しい山頂だ。こじんまりした池塘群にはワタスゲが咲いていた。あとは疲労した体に鞭打ちながら心地よいブナの登山道を良い気分で下山していった。
その晩は赤倉橋のベースにて家族3人でたきびを囲んでの楽しい一夜となった。
その後、7/27には妻の伸子が登山道から虎毛山に登り、栗駒岳の須川湖キャンプ場に移動。その翌日も同キャンプ場に幕営し(予定していた秣岳ハイキングは、娘の遥が体調不良?の為断念)、7/29に帰途についた。
虎毛山に2年続けて登るなんて少々物好きかと思われるかもしれませんが、沢から登る虎毛山は実にいい山だと思います。今回遡行した赤倉沢は、日帰りで虎毛山に登るには絶対にお勧めのコースと言えましょう。私は正直なところあまり期待をせずに入渓しましたが、想像以上の充実度で特に上部では滝の連続で手応え充分です。しかし,それなりに気合を入れて行ったほうがよいかもしれません・・・。また、くれぐれも最後の詰めはうまく登山道に出ないと大変な藪漕ぎが待っているらしいので要注意です。
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