2001年10月21日 メンバー:沢田石,森田(銀座山の会)
今年は10月に入ってまだ紅葉の沢を登る機会がなかったので、両神山の紅葉を満喫しようと赤岩峠の近くの展望の良さそうな岩峰・大ナゲシにつきあげている赤岩沢悪谷に出かけてみました。
10/20 22時過ぎに沢田石さんに我が家まで迎えに来ていただく。一般道を走って行くしかないので結構時間がかかり、現地に着いたのは2時頃であった。テントを張り、ビールを少々飲んでから仮眠とする。
10/21 朝目覚めるとどうも天気がぱっとせず、一面曇っている。天気が下り坂なのはわかっていたので、念のため天気予報をきいて天気がもつことを確認してから行動を開始する。遡行準備をしていると、なんとカメラの入ったウエストバックを自宅に忘れてきた事が判明する。(よって今回は写真が無い)
赤岩橋から左岸の林道を辿るとすぐに真新しい砂防ダムが2つ並んでいる。そのすぐ上で右から悪谷が入る。悪谷に入るとすぐに4m滝となる。登れるそうだが結構滑りそうで無理せず左から巻く。その先しばらく大きな岩がごろごろしている渓相の中を進む。左に垂直な20m程の壁を見送り、下からは3m位にしか見えない上部がトイ状の5mを越えると左岸に植林地がある。
再び左が垂壁になり右から2本枝沢を入れると両岸が立ってきてゴルジュの様相となってくる。特に大きな滝もなくどんどん進んでいくと、右側に傾いたゴルジュのはるか頭上に巨大なチョックストーンが挟まっているというなんとも不思議な光景が目に飛び込んでくる。落ちてこないか思わず心配になるが、いったいどうやってあんな所に岩が挟まったのだろうか?。そのCSの下に大滝2条10mが落ちている。この滝は2つの水流が釜のすぐ上で1つに合流して流れ落ちている。右の水流沿いはやや悪そうに見えるが、左の水流沿いに登るとフリクションが良く効きとても快適である。次の3mは濡れそうだったので左から巻くと右からルンゼ状の沢を合わせ、左は2段10m滝となる。滝を登ったところで小休止。あとは滝も無く、水流もなくなりただただつめていくと薮漕ぎもなく尾根のコルに出る。
コルからは踏跡を追って尾根を右へ回り込むように進み、大ナゲシの登り口にザックをデポしてビールだけ持って大ナゲシに向かう。途中踏み跡がわからなくなるがかまわず強引に進んでいくとやがて岩場となり、一登りでピークに到着。見事に360度の展望である。紅葉はまだ早いかとも思ったが、充分色づいていて美しい。赤岩峠のすぐ東側の岩峰がなかなか迫力ある。岩と紅葉が混在しているこの様な光景は、一段と紅葉が引き立つ。ただ青空でなかったのが唯一残念だ。ビールで乾杯し30分程のんびりして下山にかかる。
赤岩峠までの踏跡は意外にはっきりしていて問題ない。ここはあまり人が歩くところとは思えないが、「ハイグレードハイキングの人達でも歩くのだろうか?」などと話しながら赤岩峠へと向かう。赤岩峠からの登山道は下部で赤岩沢に降りてからは全くわからなくなり、沢沿いにどんどん下って、砂防ダムが出たところで左岸の林道に上がり赤岩橋へ戻る。
今回は、大ナゲシからの展望を期待して決めた山行でしたが、期待通り素晴らしい展望の静かなピークでした。カメラを忘れてしまったのが悔やまれます。濡れない・好展望・紅葉がきれいでおまけに人がいなくて静かと、この時期の沢登りに期待する条件を十分に満たしているなかなかお奨めの沢だと言えるでしょう。
なお、赤岩峠から八丁峠への岩稜は、本当に山と渓谷社「ハイグレードハイキング」で紹介されている事をあとで知りました。
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