今年は梅雨明けがはやく、まだ7月半ばだというのに馬鹿みたいな晴天続きである。こんな休日に家にいるのはもったいないと、かねてから妻の伸子が気にかけていた一ノ瀬川源流の中からこの中瀬川に行ってみることにした。あまり遡行価値が高いとはとても思えないのだが、果たして結果は・・・。
自宅を5:30頃出発する。中央道を調布ICから勝沼ICまで快適に飛ばし、柳沢峠を越えて一ノ瀬川林道に入る。この辺りは久しぶりだが、途中国道411号はとても良い道に改修されていた。
まずは妻の伸子が中瀬川を遡行して来る。その間、私と娘の遥は水遊びしたり昼寝をしたりして時を過ごす。昼前には下山してきたので今度は交代で私が遡行準備して出発する。
入渓してしばらくは平凡な渓相が続く。中島川との二俣を中瀬川に入り、しばらく行くと右に花崗岩のぼろぼろに風化した壁がある。4mCS滝を左から越えると所々きれいなナメ床が現れる。登山道が橋で横切る辺りからはかなり長くナメが続き、なかなかいい感じである。ナメが途切れ、沢が少々薮っぽくなってくる中を黙々と進むと、やがて主脈縦走路が横切るが、その上は一転して渓相が変わる。
登山道から一段上がった平らなナメで登山者が2名休憩していたので話を聞くと、なんとこの沢を遡行してきたそうである。まさかこんな無名の沢に入る人がいるとは夢にも思っていなかったので少なからず驚いてしまった。その先すぐに4m程の滝になるが、ここはどうやら二俣の様になっていて右端のルンゼ状にも水流がありそちらをどんどん登っていくと本当の二俣となる。ここは左俣が本流とも思えるが、上のほうにナメがずっと続いている様に見えた右に入る。
この先傾斜が急なナメが続いているが、フリクションで登るには傾斜がきつく、所々脇に生えている潅木や笹などをつかみながらの登りとなる。水流が少ないので見栄えはしないが、轟々と水が流れていたとしたらかなり立派だろう。一旦ナメは途切れるが、すぐにやや規模は縮小したが復活し、そのナメを登りきると水流がなくなった。後はただ上に登れば稜線に出るのは容易いと思われるが、今日は時間がないのでここで引き返す事とする。
同じ沢を下っていくと、先ほど休憩していた方々がまだ休んでいたので、御一緒させていただきビール休憩少々話し込んでしまったが、下で家族が待っていることを思い出し、ビールがなくなったところで切り上げ下山にかかる。中島川を下降する予定であったが、少々遅くなったので登山道を一気に下っていった。
中瀬川は、今回のような事情でもないと来る機会のない沢だったとは思いますが、下部の樹林の中のナメ床、上部の傾斜のきついナメと一通り見所があり、人のいない静かな主稜線への一つの登路だと思えばなかなか味わい深いものもあるかも知れません。
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