北アルプス 爺ヶ岳山スキー


2001年4月29日
メンバー:舘野、飯田、森田


4/28 15:00鶴見駅にて飯田さんと待ち合わせ、首都高速で舘野家へと向かい所用をすませて出発する。4号線が工事で渋滞して一旦高速から下りたりしたがあとは順調に中央道を豊科ICまで走り、高瀬川沿いの道を大町方面へ向かい扇沢へ。扇沢の駐車場でテントを張り仮眠。

4/29 当初の計画は剣沢小屋をベースに剣岳周辺を滑るものだったので、予定通り剣沢小屋へ向かおうとアルペンルートのチケット売場へ並ぶが、明日の天気が雨なのは確実な事と、今日は晴天が約束されていて、剣沢小屋への移動だけに使うのではもったいないのと、背後に爺ヶ岳山頂の素晴らしいスロープが見えていたのでどんどん心が揺らいでいってしまった。3人で協議しながらいよいよチケットの順番が自分達に回ってきたところで「明日は多少悪天でも剣沢小屋までは入れるだろう。やっぱり今日は爺ヶ岳で丸1日楽しもう!」ということに決定。列を離れ急いで準備をし直し、爺ヶ岳登山口に移動。
 上記の理由で出発は9:14と遅くなってしまった。登山口からしばらくは雪のない左岸を歩いていくが僅かで雪がつながりシールに切り替える。まだ遠い稜線を眺めながら歩いていくと、1729mの二俣に着く。本来ならば、正面の沢筋をつめていくのが最短で、かつ復路は爺ヶ岳山頂付近から直接滑り込めるのだが、途中で遠目にも明らかに水流が出ている。休んでいると、右の斜面から2人パーティーが滑ってきた。爺ヶ岳南峰から滑ってきたそうだが、正面の水流が出ている沢をさけて左に左にトラバースしてきたのだろう。我々は左の本流と思われる方へ入り、少し登って右側の尾根に取り付くことにした。
 一段登るとすぐに無木立の急な傾斜が続いているので板を脱いでつぼ足に切り替える。右の尾根状に登り、そのまま尾根筋を伝うと傾斜は緩み、爺ヶ岳山頂が見渡せるようになる。ビールでも飲みたいところだがそこはこらえて小休止の後次の斜面に取り付く。ここも少し行くと急傾斜になるのでそのままつぼ足で進む。数パーティーが滑り降りてくる中、ひたすら上へ登り、最後は右へトラバースするトレースを追うと種池山荘よりやや爺ヶ岳よりの稜線に出た。ここから見ると、爺ヶ岳山頂直下は雪が無く、しかもここまで戻って来るとなると全くトラバースだけか登り返しになりそうだったので、(時間もないので・・・)とりあえず空身で山頂を往復してくる。
 山頂からは、明後日登るであろう?剣岳が素晴らしい。ここから見ると長次郎谷などは急峻なルンゼでとても滑れそうには見えない。目を転じて足下の白沢は実に快適そうな斜面で我々を手招きしている。この白沢を滑り、途中で南尾根を乗越して先程二俣で2人パーティーが下りてきた斜面を下るのが最も快適なのではないかなどとも思うが、今日は仕方がない。急いでデポ地まで戻る。
 滑降準備をしていると、鹿島槍から来た4名パーティー(「自然を滑る会」の方々)が一足先に滑っていった。さていよいよ滑降開始。傾斜はかなり急であるが、適度に緩んだ雪質でまさに快適の一語。先程の4名パーティーは写真を撮りながらのんびり下っていたのだが、我々はもう歯止めが利かなくなっていて一旦傾斜が緩む所まで一気に滑ってしまった。早速登りに我慢したこの場所でビールタイム。飯田さんと舘野さんのビールが相次いでアイゼンによって穴あき状態にあった中、私のビールは2本とも無事で、実にうまいビールを飲むことが出来た。
 さて次の急斜面が核心と思われたが、すでにビールの入っている我々の前には全く問題にならず、快適快適と沢底まで下りてきてしまった。あとは扇沢を流すのみ。余韻に浸るには丁度良いが少々足にきている気がする?。途中先ほどの自然を滑る会の方々と立ち話をして山スキーの話で盛り上がっていると、さらに2名のパーティーが下りてきたが、その一人が旧知のSさんであった。(昨年のヨーロッパ以来でした!)
 「山スキーの世界」は実に狭い?。


 「計画の柔軟性」などとよく言いますが、今回はその柔軟性のお陰で丸1日楽しめた良い(悪い?)例になりました。予定通りアルペンルートで室堂に向かっていたとしたら、あの混雑ぶりでは剣沢小屋に入るだけが精いっぱいだったでしょう。
 それにしても、急遽行くことに決めた扇沢は上部は本当に素晴らしい斜面の連続でした。沢筋に滑るのではなく途中まで尾根にルートをとるので適度な急斜面が長く続きます。鹿島槍へのアプローチとして考えるだけではもったいなく、単発でも十分楽しめました。いい日帰りコースです。また今回の我々の選択がその後どういう結末になったかは、「剣岳山スキー」の方を御覧下さいませ。

コースタイム
4/29 爺ヶ岳登山口(9:14)―種池山荘(13:11〜13:23)―爺ヶ岳(13:50)一爺ヶ岳登山口(15:40)


爺ヶ岳地形図
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