丹沢 神ノ川・矢駄沢

2000年7月9日
メンバー:森田


7/9 季節はずれ?に東日本を直撃しそうな台風の為に土日で計画していた沢登りを中止にしたが、日曜日の朝目覚めると台風一過の晴天となっていた。「台風の翌日は丹沢へ!」ということで、早速、私は神ノ川・矢駄沢を遡行、妻と娘は日暮沢橋付近で川遊びという計画で家族3名で7時頃自宅を出発した。

 神ノ川本流は水量が多く、まだ水も濁っていた。日暮沢橋を過ぎたところにあるゲート手前に車を置き、妻子と別れて出発する。
 車道を少し歩くとすぐに矢駄沢である。予想通りすごい水量だ。古い橋の右側から踏み跡を追って堰堤を3つほど巻き、沢に戻るとゴルジュの中に小滝が3個続いている。最後の3mは左にくぎとひもがありそこを越える。続く小滝は右から巻く。豊富な水量に楽しいどころか敗退しないだろうかとやや心配になる?。
 大きな堰堤が現れ、手前から右を巻けそうだが、近づいてみると堰堤右の側壁を滝のように水が流れ落ちていたのでそこをシャワークライム。堰堤を越えると12m・10mの連瀑となる。なかなか迫力のある滝だ。直登は全く無理そうで共に左から巻く。大岩を過ぎて小ゴルジュの3m滝はほぼ幅いっぱいに水を落としていてどこを登るか少し考えたが、飛沫を浴びて右側をへつり気味に突破。なかなか楽しい。
 正面に5m滝で支沢が入り、本流が右へ曲がるとそこは傾斜のゆるい美しいナメ滝となっていた。ここはとてもいい感じのところで、丹沢という近郊の山にいることを忘れさせてくれるような所だ。さらに進んで4m滝を左から巻くとゴーロとなる。その先、沢が右曲する辺りから右手上方に車道が見える。殺風景な周囲の景観とは裏腹に、はっとさせられるようなこれまた素晴らしい2条15mナメ滝となる。その先でゴルジュの中の連瀑を越えるとガレ沢となり、堰堤を右のはしごから越えると二俣となる。正面の大笄沢には堰堤が連続しているのが見える。
 左に入ると真新しい堰堤が2つ続き、新旧2つの橋をくぐると沢は再び自然な状態となる。いくつかの滝を越えて進むと美しい15m滝となる。「東京周辺の沢」には2条15mとなっている滝だと思うが、今日の水量だと「スダレ状美瀑」とでも表現したい。正面は水が落ちているので登る事は考えられず、下部は水流のすぐ左のクラックを登り、上部はそのまま問題無く水流左を登る。
 その上もいくつか滝を越えて進むとやがてガレ沢となり、1:1の二俣状(平水ならば右は水が少ないと思われる)を、本流は左なのだろうがそちらはゴルジュのなかに倒木がありなんとなく行く気が起きないので?日本庭園風できれいそうな右沢に入る。すぐに1:1の枝沢をわけ、次にまた1:1の・・・と思ったら1:0:1で中央の本流は水のないルンゼになってしまった(どうやら台風の後なので至るところから水が流れ出ているようだ)。慌てて水を補給するが、恐ろしく冷たいので缶ビールを水筒といっしょにビニール袋へ入れておいた。
 しばらく沢沿いにつめた後適当なところで右の尾根に上がり、そのまま素晴らしいブナ林の中を直上する。傾斜が無くなり、膝下の笹に覆われるようになると稜線の登山道に出た。左へ3分で日暮沢橋への分岐点であった。ここはベンチがあり、遠く山中湖?が望める気持ちのいいところである。期待通り冷えたビールを飲んでしばし休憩した後、矢駄沢尾根の登山道を一気に日暮沢橋へと下っていった。

 台風一過の矢駄沢は、期待通り豊富な水量で大いに楽しめました。それどころかこの沢は意外にもきれいな滝が多く、新しい「東京周辺の沢」(白山書房)に掲載されたのもうなずけます。途中林道が横切るところは全く工事現場のようでげんなりしますが、それでも今回の水量ならば遡行価値は十分あると言えるでしょう。しかしながら、普通の水量の時はだいぶ印象が違うと思いますが・・・。
 なお、余談ですが日暮沢橋付近は広々としてトイレも整備され、家族連れで遊ぶにはとても良いところです。

コースタイム
林道ゲート(10:00)―林道の橋(11:04)―登山道(12:19)―矢駄沢尾根分岐(12:22〜12:41)―林道ゲート(13:24)


遡行図
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