平ヶ岳 大白沢・シロウ沢〜ワカゴイ沢

2000年9月16日    メンバー:舘野,森田


 今回は、シロウ沢〜ワカゴイ沢隊(舘野,森田)と恋ノ岐川隊(沢田石,佐治,柴田,徳山)の2パーティーで入渓し、秋の沢を満喫して平ヶ岳の幕営地にて合流する企画である。

10/6 22:00新宿駅南口集合。環七が工事で若干混んでいたが、あとは快調に歩を進め、昨年同様銀山平の駐車場でテントを張り宴会の後仮眠

10/7 恋ノ岐川隊を恋ノ岐橋でおろし、車2台で下山口である鷹ノ巣まで行きそこで1台デポ。もう1台で大白沢出合付近に駐車して行動開始。
 篭渡しへの道を辿り、篭渡しには乗らずに只見川を徒渉してそのまま道を歩く。魚止沢辺りまでははっきりとした道であったがやがて怪しくなり、適当に沢に下り遡行開始。水が綺麗でなかなか感じの良いゴーロ歩きが続く。時折瀞やナメ滝が現れるが、クロウ沢出合までは問題ない。クロウ沢出合ではすでに1パーティーテントを張っていた。我々はもう少し進もうとシロウ沢にはいる。コビキノ滝はどこだなどと言いながら歩いているとすぐに大ハゲ沢出合に着いてしまった。この先ゴルジュとなり適地を探すのが困難そうなので、1段登ったところにテントを張り、今日はここまでとする。流木が豊富にあり、早くから飲み始めたせいか持ってきた酒類を殆ど飲み尽くしてしまい、良い気分の晩となった。

10/8 今日はいよいよ核心を通過する日である。出発して最初のゴルジュは瀞の右岸のへつりがいきなりやや微妙である。この先、ゴルジュ状の中に小滝が続く渓相が続く。10m滝を右から小さく巻き、綺麗な瀞の奥ににかかる10mナメ滝は瀞ごと左から巻くが踏みあとは不明瞭。少し進むといよいよ第一の核心部である80mのゴルジュとなる。
 最初の3mは左岸沿いにシュリンゲ付きの残置ハーケンがたくさんあり、それを完全に利用させてもらう形でそれ程困難もなくあっさりと通過。次の3mも左岸のへつりで、最後がホールドが乏しい。ここも残置を使わせてもらった。最後の10mは、飛沫を浴びながら水流右を登り、落ち口で残置シュリンゲをつかんで水流中のスタンスを使って這いあがる形になっているが、ここが私にとっては辛く、水に浸かって冷えた左足がつりそうになるのをごまかしながら登るのはかなりこたえた。びしょぬれになっている私を見て舘野さんは雨具を着て登ってきた・・・。ここは要所要所の残置支点があるから通過できるようなもので、それらがなかったらさぞかし大変な思いをする事だろう。最後の滝の通過で私はすっかり体が冷えてしまい戦意喪失、ふるえながらの遡行となってしまった。
 平ヶ岳沢を分け、しばらく進むと2段18m滝となる。この頃ようやく日があたりだし、下段の上で日に当たって休憩する。最初は巻こうかなどと言っていたが、体が暖まるにつれて戦意を回復し、中央のリッジを空身で登る。赤芝沢との二俣を過ぎてワカゴイ沢に入り、20m滝を少し手前から大きく巻いて沢に戻ると、崩壊して端だけ側壁に張り付いている雪渓が現れ早々に通過する。その先、いよいよ第2の核心部のゴルジュとなる。
 最初の3m滝は釜を腰まで浸かって左岸に上がってへつり、最後は左に移って滝を越える。次の3mは右から登る(残置支点有り)。続く2mはいろいろな資料に書かれている通り突っ張りの要領で突破。最後の滝は右側をへつり落口へ。さすがに充分な情報を事前に入手していただけあって簡単に突破してしまった。その上でずたずたな雪渓が現れどうなることかと心配したが上を歩いて通過できた。次の10m滝は右壁をノーザイルで直登するが、高度がありやや緊張させられる。多段100mと呼ばれているところは、傾斜の緩い石滝の連続の奥に20m滝が見えると言った感じで快適に越える。次の8mは念のためロープを出してややぬめる水流左を登る。18m滝を右から巻くと、ちょうど次の10m2段の中間に出る。上段を問題なく越えるとようやく源頭の様相となり沢が狭まるが、ナメ、小滝がまだ続く。つめでルートがやや左に寄ってしまったらしく、なぜか最後は少々薮を漕ぐことになってしまったが、やがて腰くらいの笹薮になり展望が開け、山頂の草原に飛び出す。
 稜線付近の紅葉はまさに今が盛りで実に美しい。空が曇っている点がやや残念ではあったが、それでもその美しさを充分に満喫した。山頂周辺を散策後、姫ノ池のテント場へ下りるが、恋ノ岐隊はまだ到着していなかった。テントを設営した後、終了点辺りを見に行くが、偶然薮漕ぎ中の恋ノ岐隊と合流することが出来た。その晩は恋ノ岐隊が採ってきたブナハリタケを味わいながら充実した山行を振り返った。

10/9 朝から雨。朝食後早々にテントを撤収して下山。ぬかるんだ登山道も沢靴ならば全く気にならないが実に良く滑る。下山後大白沢出合付近に駐車した車を回収し、大湯温泉の湯之谷村交流センター「ユピオ」で一風呂浴び、へぎそばを賞味してから帰途についた。


 今回登ったシロウ沢〜ワカゴイ沢は、とにかく充実度満点の沢で、個々の箇所の困難度は程良い程度ですがそれらが殆ど絶え間なく連続するので気が抜けません。特に核心部と言われているところは事前の情報と残置支点のおかげで難なく通過させてもらえましたが、これらがなかったら大変な苦労していただろうと思われ、果たしてこんな事で自力で遡行したことになるのだろうかと多少疑問に思える程でもあります。まあそのような意見はさておき、何はともあれ存分に楽しめたことを大いに喜ぶべきでしょうか。


コースタイム
10/7  駐車地点(10:20)―入渓点(11:08)―クロウ沢出合(12:05)―大ハゲ沢出合(12:50)
10/8  大ハゲ沢出合(6:34)―ワカゴイ沢出合(10:11)―平ヶ岳(15:04)―幕営地(15:45)
10/9  幕営地(7:45)―鷹ノ巣(10:17)


遡行図
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