谷川連峰 赤谷川源流〜万太郎山〜毛渡沢東俣

2000年4月9日
メンバー:舘野、森田


 昨年計画していたが行けなかった赤谷川源流〜毛渡沢東俣のコースを今回行く事が出来た。ここは最近は雑誌などでも取り上げられ、かなりメジャーになっているようだ。

4/8 16:00松戸駅に集合。すいている関越道を順調に土合駅まで到着するが、なぜか外の駐車スペースはほぼ満車状態で、駅舎内は大変な混雑であった。(電車で来た人はいったい何人いるのだろうか?)騒々しい構内で小宴会の後仮眠。

4/9 朝目覚めると天気は申し分ない。一旦車でロープウェイ駅下まで行き板とザックを置いて、再び土合駅に戻って駐車して歩き出す。(少しでも体力を温存したい?)
 ロープウェイはさすがにこの時期は空いている。終点からスキーアイゼンをつけて歩き出す。ゲレンデ内は凸凹で少々歩きづらい。柵を越えると一旦下り、天神尾根通しにどんどん登って行く。休憩も取らず肩の小屋まで登って来てしまった。小屋の横で小休止して朝食をとる。
 先が長いので、トマの耳には寄らずにオジカ沢ノ頭との鞍部に向けて本日最初の滑降を開始する。しかし、鞍部よりかなり手前で滑れる状態では無くなりアイゼンに履き替える。この辺りから風が強くなった。オジカ沢ノ頭の避難小屋に着くと、単独行のアルペンスキーヤーと、テレマークとスノボの2人パーティーが滑降準備していた。同行の舘野さんに「銀座山の会の舘野さんですか?」と声をかけてきたテレマーカーは、「岳人」の服部氏であった。
 赤谷川源頭は、はじめから傾斜が強くなく、谷川近辺の谷の中でもちょっと異色な存在である。夏の気持ちいい源頭そのままのイメージだ。滑り始めはやや硬い雪であったが、だんだん緩んだ雪が交互に現れ少々滑り辛いが、やがて傾斜が無くなり直滑降でどんどん先に進む。大きなデブリを一つ越えて沢が大きく左に曲がる辺りで滑降終了。先ほどの単独行者が万太郎山への登り返しの準備をしている。ここは実に気持ちのいい所でのんびりと昼寝でもしたいところだがまだ先は長い。
 我々も早速シールを着け、本日最後の登りとなる。登り始めてしばらくすると、何やら奇声のような物が聞こえてきたのでなんだろうときょろきょろ辺りを見回すと、先ほどの服部氏のパーティーが対岸の沢を滑っているのが見える。ただでさえ日帰りでは長いコースなのに更にもう一斜面加えているというのはさすが!。途中から万太郎山からの尾根の左側を行くが、すでに底雪崩の様相を呈する亀裂と雪が無い尾根通しとの間を縫うように歩く。
 1時間半ほどで万太郎山の山頂だ。風がとても強い。滑降ルートを偵察するが、稜線直下は雪付きが悪く、とても快適な斜面とは言えそうにない。正直なところこの時は少々失望したのも事実である。オキイノマチ沢よりは毛渡沢東俣の方がややましに見えたので、そちらを滑ることに決定。長居は無用と早速滑降に移る。
 ブッシュを適当にやり過ごし少し下ると、予想に反して右側に無木立の長大な一枚バーンが現れた。最初は目を疑ったほどだ。先ほどの失望感は全く間違えである事がわかった。正面に仙ノ倉山を見ながらの恐るべき快適さの滑降がこれでもかと言うくらい続く。こんな所にこんなに素晴らしい斜面があるとはちょっと驚きである。丸い丘のような小ピークを越えると、その先にまだ疎林の中の快適な傾斜の斜面が毛渡沢の沢底まで続いているのが見え、再び目を疑ってしまった。
 毛渡沢の沢底は広くてスキーもまずまず滑る。シッケイ沢からシュプールが合流し、我々も途中でワックスを塗りそのトレースを追った。バッキガ平の吊り橋は底板が殆ど抜け落ち、一本吊り橋になっていた。板をザックにつけてこれを渡る。ここで小休止と思ったが時間を見ると15:23土樽発の電車に間に合いそうな時間である。少々迷ったが意を決して(?)土樽駅を目指して歩き出した。最後は車道から少しショートカットして強引に斜面を登り、何とか間に合う時間に土樽駅に着く事が出来た。


 このルートは、行く前までは赤谷川源流がメインでその雰囲気を楽しむためにあるように思っていましたが、滑降の主役は断然万太郎山からの斜面でここだけとっても極めて素晴らしく、むしろ前半の赤谷川源流はアプローチだと思えてきます。違うタイプの沢を2つ繋げた今回のルートは、期待に違うことないとても素晴らしい継続滑降ルートでした。


コースタイム
天神平スキー場(6:40)―肩の小屋(8:28〜9:00)―オジカ沢ノ頭(9:58〜10:05)―万太郎山(12:28)―バッキガ平(14:18)―土樽駅(15:20)


地形図
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