谷川連峰 蓬峠〜イイ沢左岸尾根

1999年4月3日
メンバー:舘野(L),佐治,森田


4/2 20:00秋葉原集合の予定だったが、東京都内はちょうど花見最盛期で花見名所 近辺は渋滞がひどく少々遅れてしまった。飯田橋から首都高―外環経由で関越自動車道に乗り、その日のうちに土樽に到着。土樽駅で仮眠する。朝方かなり寒かった。

4/3 朝から大変良い天気だ。林道を車で進むとすぐに車止めがあり、そこに駐車して6:56出発。林道はその先もしばらく除雪してあったが、林道脇の雪はつながったいるようなので最初からシールを貼って歩き出す。
 しばらくは蓬沢に沿って右岸を歩くが、やがて沢がすっかり雪で覆われるあたりから左の尾根へのトレースを追う。ここで弱層テストをしてみると、10cm位下ですっぱりと切れ、沢を滑るにはやや雪崩が心配になる。尾根に上がると最初少しやせている所もあるが、あとは広い尾根になる。途中やや風が強まるが、森林限界を超えるあたりからおさまり、クラスト気味の大斜面を一登りで足拍子山からの稜線へと出る。天気が良く、とても素晴らしい展望だ。大源太山が槍ヶ岳のように間近にそびえている。
 ここから国境稜線まではなだらかな尾根だが、途中一個所クラストして左に滑落する危険がある所があり、右に回ろうとしたがトップを行く舘野さんが亀裂に落ちてしまい、少々戦意消失して小休止していると、後続の単独行者2名(2名ともテレマーカー)が追い抜いていったので、我々もそれではと出発する事にする。その後は特に滑落の危険がある所も無く国境稜線に出て、右にわずかで蓬峠に到着した。
 蓬ヒュッテの脇でビールで乾杯しても全く寒くならない陽気で、すっかり残雪期の様相である。さてここからどこを滑降するかしばらく思案する。イイ沢は上部にブロックが積み重なっていて峠から直接滑り込むのは少々無理のようなので少し右に回り込んだほうが良いのではとそちらを偵察すると、反対側のイイ沢左岸の尾根が実に快適そうに見え、しかも雪崩にも安心なので、その尾根を第一候補としてとりあえず分岐まで行ってみる事にする。
 蓬ヒュッテから少し武能岳方面に国境稜線を登り、その尾根の分岐から下を見た限りでは充分に行けそうなので早速シールをはがして滑降に移る。はじめはアイスバーンになっている部分もあり慎重に下るが、次第に尾根も広くなり、素晴らしい斜面となった。樹林に入っても快適さは変わらず、むしろ風の影響を受けないせいか雪質が一定していて、かなり重い雪であるにも関わらず思い切ってターンが出来て非常に楽しい。谷川にこんなに素晴らしいブナの尾根があるとは!と偶然見つけたこの素晴らしいコースに思わず顔もほころんでしまう。結局この尾根は、最後まで良い斜度を失わず、樹林も濃くならないで全く快適の一語であった。尾根末端からは蓬沢の反対の支沢に降り、スノーブリッジで蓬沢を渡り登りのトレースに合流する。あとは軽い登り返しはあるものの、右岸沿いのトレースを流すように滑り車まで戻る。


 谷川連峰の山スキーというと、何となく沢沿いに滑るイメージがありましたが、今回は尾根も素晴らしい所があるものだと少々驚きました。雪崩の危険があったり、沢底がデブリで快適そうではないときは迷わずこの尾根を滑るべきでしょう。もっと早い時期に新雪をねらうのも良いかも知れません。とにかく偶然にして意外な収穫でありました。


コースタイム
車止め(6:56)―蓬峠(11:00)―尾根分岐(11:56)―車止め(13:20)


地形図
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