谷川連峰 魚野川・万太郎本谷

1999年9月4日〜5日
メンバー:飯田,沢田石,森田(L)(銀座山の会)

 新宿駅南口に22:00集合。当日昼頃までは土日の天気予報があまり良くなく、他の候補地もあげていたのだが、夕方の天気予報が良い方に変わり、とりあえず土樽まで行ってみようという事で関越道を走る。土樽駅にて軽く宴会をした後仮眠。

9/4 天気は今一つぱっとしないが、天気予報では回復する見込みなので決行とする。
 林道終点の取水口まで車で入り、そこから入渓する。しばらくは河原歩きが続くが、次第にナメ・ナメ滝が次々と続くようになる。谷自体の規模も思ったより大きく、花崗岩質の美しいナメが随所に現れ全く飽きさせない。皆満足顔で各人勝手なルートをとりながら進む。
 川棚沢を過ぎ、ゴルジュとなった谷が左に曲がると、いよいよオキドウキョのトロになる。トロの手前でオキドウキョ沢が滝となって流れ落ちる。最初のトロは左のバンドを行き、行き詰まった所で右に泳ぎ渡る。次のトロは左岸沿いに行くが、ホールドが無くなり下半身が冷たくなってきたので途中から側壁を登る。最後の落ち口に滝をかけている所は少し進むとすぐに足が着かなくなったのでとっとと諦め右岸バンドを巻く。
 右から井戸小屋沢を合わせたすぐ先で釣師2名を追い抜く。ナメ・滝をどんどん登っていくと沢は左に方向を変え、尚もナメ・滝がこれでもかと言うくらい続いている。一旦右曲した沢が再び左へ曲がると正面に一ノ滝が迫力のある姿を現わす。想像以上に立派な滝だ。傾斜が緩いなどと書いてあるが遠目にはそうは見えない。釜の右をまわって近づくと意外と簡単そうに登れそうなので、念のため空荷で私がリードする。下部は全く問題ないが、草付きバンドを越えた上がホールドがない。度胸を決めてフリクションで2〜3歩上がってブッシュをつかんだ。あとはブッシュに助けられて落ち口まで斜上出来た。ここは私のザックの引き上げを含めて結構時間を費やしてしまった。
 滝上で昼食をとった後、ビバーク適地を探しながら歩き出す。オタキノ沢を過ぎてすぐの所にテント一張りだけ張れる安全な場所を発見。早速飯田さんの新品のテントを張る。私と飯田さんは釣をしてみるが、あたりはなく、魚影も見えず、魚がいる気配が全くない。残念ながら岩魚は早々にあきらめたが、豊富な薪とウイスキーで楽しい夜となった。

9/5 翌朝は快晴で明ける。歩き出して10分程で二ノ滝となる。右側から越すとその上はナメ小滝が連続して美しい。巨岩がごろごろする中、イシクラ沢出合を三ノ滝沢出合と勘違いして左に入ってしまった。情けない話だが、地形図の滝マークを一ノ滝だと思い込んでいた私の失敗であった。(思いこみというのは恐ろしい。せめて遡行図でも見ていれば良かったのだが…。)三ノ滝が無いのですぐに引き返す。本流に戻ってしばらく歩くと、左から三ノ滝が堂々と落ちている。(これでは間違いようが無い!)早速飯田さんが1段目に取り付く。
 傾斜は強いがホールドは豊富だ。水流近くはやや滑る。上のテラスからの景色はなかなか絶景である。2段目は沢田石さんが水流を浴びてバンドを横切る。あとはブッシュ伝いに落ち口までトラバースする。ここは踏み跡のようになっていた。これで核心は終わりであとはどんどん登るのみ。二俣状を右に、右に「黒い4m滝」がある奥の二俣を右に進めば問題なく、最後は笹原の中の踏み跡を追えば肩ノ小屋の少し下の登山道に出た。薮漕ぎは全くなく、気持ちの良い詰めであった。
 肩ノ小屋にてビールで乾杯するが、あたりは人また人でいったいどうした事かと思うほどである。トマの耳に登ってみるが、山頂も足の踏み場もないくらいだった。下山は13:38の下り上越線で土樽駅へ戻りたかったので、ロープウェイを使って楽してしまった。

 今回、谷川連峰の沢10本目にしてようやく万太郎本谷に行く機会がありましたが、まさに谷川を代表する美渓の一つと言うことが出来る谷でした。美しいナメ・泳ぐ瀞・滝の直登・薮漕ぎなしのつめ・谷川岳の頂上直下に出るなど、楽しめる要素がこれでもかというくらいたくさん詰まっています。それでいて困難なところもないというのがなかなかにくい沢です。


コースタイム
9/4:車(7:55)―井戸小屋沢出合(9:36)―一ノ滝上(12:30〜13:10)―幕営地(13:20)
9/5:幕営地(7:09)―三ノ滝(8:00)―奧の二俣(9:20)―登山道(10:27)―肩の小屋(10:32〜11:18)―天神平(11:58)


遡行図
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