八甲田山スキー

1999年1月14日 〜17日
メンバー:舘野(L),後藤,徳山,森田,安井(16日・17日のみ)(以上銀座山の会)
     森(14日・15日のみ)(ヨシキスポーツ)


1/13 東京駅21:30発ラ・フォーレ1号に乗り、翌朝6:30頃青森駅に到着。駅前の市場で海の幸をたくさん買い込んで八甲田ロープウェイへ向かう。天気はあまり芳しくなく、ダイレクトコース以外はクローズしていた。天気が良ければコース外を滑って新雪滑降が楽しめるのだが、山頂駅を降りると強風と視界不良でとてもコース外を滑る気にはならず、ダイレクトコースを滑る事にする。それでも新雪が多く新雪初体験であるテレマーカーの森さんは苦労されていたようである。2回目には舘野さんが森さんの板と交換してテレマークにチャレンジ。結果は「1年分こけた」(本人談)ということであったようだ。ちなみに森さんは舘野さんのアルペンの板で、1回目よりも数段快適そうに滑っていた。結局、計3回滑ってから酸ヶ湯へ向かう。
 その晩は、青森で仕入れたマグロの中落ち・ウニ・イクラ・ホタテ・ハマチなど豊富な海鮮での手巻き寿司で大いにお酒が進んだ。

1/15 天気はどんよりしているが降雪はなく、昨日よりはいくらか良いようである。たらこ(これがうまい!)と温かいご飯の朝食を食べた後、今日はとりあえず地獄沢をつめて硫黄岳へ向かう事にする。積雪量がとても多く、車道の両側は雪の壁でなかなかその上に上がる事が出来ず、通常のコース入口よりも少し先まで歩いた所でようやく雪壁が低くなった所から這い上がる事が出来た。いざ雪の上を歩き出すと、ラッセルで結構時間がかかるが、5名でかわるがわる先頭を交代しながら進んだので体力的には楽であった。ただ、クライミングサポートを付けていない森さんは、傾斜が出てくるとかなりきつそうで、とうとう途中から芯付きのテーピングテープ一巻きと予備のストックリングを板の踵部分にテープで固定して代用としていた。地獄沢の源頭付近からは視界が悪くなり、仙人岱についても仙人岱ヒュッテがなかなか見つからなかったが、しばらく探してようやく発見してひと段落。 ここまで酸ヶ湯から3時間近くもかかってしまった。ヒュッテに入り昼食をとって大休止するが、視界は全く回復せず、大岳も小岳も硫黄岳も全く見えない。仕方なく磁石をたよりに硫黄岳を目指すが、どうも下っていく一方で何かおかしい。どうやら東に寄りすぎていたようで若干右に軌道修正してようやく本来の登りになり、12:00硫黄岳山頂の一角に到着した。いよいよ南面の大斜面の滑降だが、最初のうちはシュカブラ斜面で快適とは言い難かったが、下るにつれて次第に解消し深雪滑降を堪能する。帰路は途中から硫黄岳の斜面をトラバースして直接酸ヶ湯に下るか、石倉岳の東を国道まで滑り、車道伝いに酸ヶ湯まで戻るか少し迷ったが結局後者のルートをとる。最後は車道を1時間半ほどラッセルして14:30酸ヶ湯に到着した。天気はあまり良くなかったが、この時期にしてはまずまず充実した1日であった。
 夕食のカレーライスを食べて森さんは帰途につく。入れ替わりに安井さんが加わり、またお酒が進んだ。

コースタイム
酸ヶ湯(8:00)―仙人岱ヒユッテ(10:49)―硫黄岳(12:00)―車道(13:00)―酸ヶ湯(14:30)

1/16 今日は湯坂から大岳環状ルートを大岳まで登り、帰りは酸ヶ湯沢を滑ろうという計画で出発。湯坂の上に出た頃には薄日がさす程天気は回復し、快適に樹氷の中を歩いていくが、小休止後大岳の斜面に取り付き傾斜が増し出したころから天気が怪しくなり、とうとうホワイトアウトで何も見えなくなってしまった。風雪も強まり、撤退する事にする。最初のうちは登りのトレースを追う事が出来たが、次第にそれも怪しくなり、とうとう全く消えてしまったので、磁石で適当に方向を定めて下る。傾斜が緩い所は下りもラッセルとなり、いい加減シールでも貼ろうかという頃、ようやく湯坂の上に出る。湯坂は右側が亀裂が入って雪崩れそうなので、一瞬滑る事をためらったが、結局斜面の左側を深雪を堪能しながら快適に下る。今日唯一の素晴らしい滑降だったかもしれない。その晩は鮭のアラのお鍋となり、当然のごとくお酒が進んだ。

コースタイム
酸ヶ湯(8:15)―休憩地点(9:54)―最高到達地点(10:40)―酸ヶ湯(12:15)

1/17 最終日だが、朝から今までで最も天気が悪い。天気予報によると昼頃から急速に回復するとの事だが・・・。晴れたら(晴れるわけ無いのだが)再び大岳へ向かう予定であったが、この天気では仕方なくロープウェイで滑る事にする。今日は初日と違いフォレストコースもオープンしていた。ロープウェイ山頂駅では、TKCの丹治さんと偶然会う。駅舎から出るとコースを示すポールも見えないくらい真っ白であったが、最初の一本はまだトレースがほとんど無く、ラッセルになる所もあったが新雪を大いに楽しめた。2本目はややコースが荒れ出したので、昼食後、最後の一本は畚沢コースに行く事にする。山頂駅からフォレストコースを少し下り、適当な所で左にコースを外れて樹氷の中を右往左往する。全く滑りにはならないがこういうのもなかなか楽しいものだ。しばらく行くと、沢沿いの広い斜面にぶつかり、本当のコースに出た事を知る。残念ながらすでにシュプールだらけで新雪滑降という訳には行かなかった。後はトレースを追い、最後に田茂萢沢をスノーブリッジで渡ると(ここは結構笑えます)フォレストコースの一番下に合流する。
 滑降後、15:30の送迎バスで酸ヶ湯に戻り、最後のひと風呂を浴びてビールで乾杯。荷物をまとめて17:30タクシーで青森駅へと向かった。


 今回の八甲田山は、天気にはあまり恵まれなかったので予定のコースを滑れたのは2日目だけで他は消化できず、特に酸ヶ湯沢を滑れなかったのは少々残念でしたが、それでもそれなりに新雪滑降を楽しめた山行でした。もともと今回は、酸ヶ湯という快適な宿で温泉,海の幸,酒と他の楽しみもきわめて充実していたので、多少の悪天も全く問題にならないといったところでしょうか・・・?。
 私自身、湯治自炊宿は随分利用してきましたが、電気炊飯器持ち込みというのは今回初めてで、米を炊く手間がかからない,失敗がない,朝起きると温かいご飯が炊けている等全く夢のような話で、炊飯器を送って下さった徳山さんに改めて感謝いたします。


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