奥秩父 一ノ瀬川・大常木谷

1998年8月22日〜23日   メンバー:倉持,森田(真),山室

 今年の夏は天候不順で晴れ間を縫うような山行が続いたが、今回も予定では谷川連峰の万太郎谷を計画していたのだが、新潟の天候が芳しくない予報が出ていたので、奥秩父の大常木谷に変更となった。

8/22 3時前には大常木谷下降点付近に到着し、テントを張って仮眠。翌朝は下山を考えて車を橋近くに置いてきてから入渓する。林道から切通しの尾根伝いに踏み跡をたどり、途中から尾根の左側に下りると比較的楽に一ノ瀬川に降りられた。そこから少し下ると大常木谷出合である。
 一ノ瀬川は気のせいか水が少し濁って見えたが、大常木谷に入るととてもきれいな水になる。しばらくで最初のゴルジュに突入する。最初の5mナメ状は右壁から巻き気味に越える。両岸壁に囲まれ大きな釜を持つ五間ノ滝は、ロープを出して釜の右をへつって取り付き水流右を直登する。この先もしばらくゴルジュが続くが、途中山室さんがへつりに失敗して最初から水中を行けば腰までで済んだ所を肩まで濡らしてしまった。
 いったんゴルジュが途切れるとすぐに千苦ノ滝となる。大常木谷最大の滝で落口で水流が前方に勢いよく吹き出している様はなかなか豪快だ。直登は無理で左岸から巻くが、やや踏み跡が不明瞭な所があった。途中ルンゼを渡る所は要注意だがフィックスロープがあり問題はないであろう。滝上に出た所で小休止。早速ビールを1本あける。朝方曇りがちだった天気も回復しとても気分が良い。
 さて次はいよいよこの谷の核心部のゴルジュとなる。最初の小滝を越えるとすぐに山女淵となる。想像していたより狭くて深そうだ。覚悟して入っていくと、ちょうど足がつかなくなる位の所で右壁の上からフィックスロープがぶら下がっている。 それをつかみながらへつり泳ぎ、左岸に上がる。ここはなかなか笑えて楽しい所だ。倉持さんと山室さんは水から上がる所で少々てこずっているようだ。この先ゴルジュが90°曲がり、淵と滝が連続する。手取淵は右に倒木があり利用できそうだったが、左をへつりで突破する。この辺のゴルジュは本当に素晴らしく、東京からこんなに近い沢とはとても思えない程である。
 ゴルジュが終わるとしばらくはゴーロ歩きとなり、適当な所で昼食とする。私は早速竿を出してみる。少し上流に行った所でなかなか良型のヤマメが釣れた。あとは幕営地に着いてからのんびり釣ろうと思い竿をしまう。ビールもあけてすっかりいい気分になってから再び歩き出す。小滝をいくつか越えると4mと8mの連瀑となる。4mは右から簡単に登り、8mはロープを出して水流左を快適に登る。落ち口でホールドがやや細かくなるが問題ない。ここは2つ一緒に右から巻けるようだが、直登したほうが断然面白いだろう。この先は時折きれいなナメが出てくるくらいで、後は会所小屋跡までのんびり歩くのみである。
 御岳沢を分けると幕営した跡が散見されるが、予定通り会所小屋跡まで行く。テントを張り、薪を集めて焚き火をしてまた少し飲み始める。夕方になってから釣に出るが、ここまで来る間にも気付いていたのだが、魚影が全く見当たらず、結局一匹の釣れなかった。先ほど釣っておいた1匹のヤマメはムニエルにして3人で食べたがなかなか美味しかった。

8/23 翌朝は8:00出発。しばらくゴーロを歩くとナメと小滝が連続するようになる。大石の乗っている15m滝はとにかく乗っている石が巨大である。釜を倒木で渡り右から簡単に登る。後は一番本流らしい所をどんどんつめる。傾斜が強まり、水流もほぼ無くなった頃右の浮き石の多いスラブに移り直上すると登山道が横切る。薮こぎも全くない意外と呆気ない位の幕切れだ。道端に座り、今登ってきた深く切れ込んだ大常木谷を眺めながら乾杯する。下山は将監峠経由三ノ瀬の予定だったが、運良く?二ノ瀬方面にショートカットできる道を発見して14:10一ノ瀬林道に到着し、車を回収に向かった。


コースタイム
4/22 駐車場所(8:50)―千苦ノ滝(11:40)―会所小屋跡(14:55)
4/23 会所小屋跡(8:00)―登山道(10:15)―将監小屋(12:05)―二ノ瀬(14:10)


遡行図
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