真木川・赤岩沢は、山と渓谷社「奥多摩・大菩薩・高尾の谷123ルート」のなかで「人気度★★★★★」として紹介されている数少ない沢の一つで、あまり濡れそうになく、アプローチも楽なので、今シーズンの最後の沢として選んでみた。
11/3、自宅を6:10頃出発。(丹沢でもあるまいし、いくら短い沢でもこんな時間に出発とは・・・)
9時過ぎに大峠に着くと車でいっぱいで駐車できず、少し戻ったところに駐車して9:27出発。10分ほど林道を下って真木橋から入渓する。周りの木々は残念ながら紅葉を通り越して落葉していたが、おかげで沢筋はとても明るく、快適に歩いていく。沢床は滑る苔で覆われているが、これといって特記するような滝もなく小川の中の日だまりハイクが続く。
左に水量の多い枝沢を分けると伏流気味の広いゴーロとなる。ゴーロが終わるとゴルジュとなり、小滝をいくつもかけているが全く問題なくどんどん登っていく。ゴルジュ出口はこの沢の核心部のCS滝になっていて、水流左の残置ハーケンにシュリンゲがぶら下がっている。フリーで突破を試みるが、どうしても水流をかぶらないと登れそうにないのであきらめ、A0で簡単に越えてしまう。
ゴルジュを過ぎると三俣になり、中央の沢に入る。ガレた沢をしばらく登り、左にスラブの枝沢を分けたところの4m滝は一旦左に入って巻く。ゴルジュの中のCSのように見える岩は実は岩盤で右を通過。
その先、待望のスラブになるが、正直なところ思っていたほどすっきりした広いスラブではなかったので少々期待外れの感が無いでもない。幅の広い20mほどのスラブが終わると細長いスラブとなり、その上はガレと泥のルンゼとなったので左の樹林に入って直上し、5分ほどで稜線の登山道に出た。
右にわずかで黒岳山頂。登山者が数人休んでいるが展望はない。とりあえずビールで今シーズン最後の沢に乾杯。展望も無いのであまりのんびりする気にもなれず早々に大峠へと下る。大峠に下山後、あまりに時間が早いので雁ガ腹摺山を往復し、山頂から500円紙幣の富士山を眺めてから帰路についた。
この沢は「人気度★★★★★」というのは少々疑問もありますが、濡れたくない季節の手軽な半日ハイクとしてはなかなかの好ルートかも知れません。遡行時間がとても短いのと、黒岳周辺は全く展望が無いので、景色の良さそうな近くの山へとつなげればより充実する事と思います。500円札で有名な雁ガ腹摺山からの富士山はとても素晴らしく、山頂一帯は昼寝には絶好の場所です。
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