丹沢 谷太郎川流域の3つの沢

谷太郎川・不動沢

1997年6月1日   メンバー:森田(真)(単独)

 今年の沢登り初めとして丹沢の早戸川・宮ガ瀬鏡沢か本谷川・三角ノ沢を考えていたのだが、いざ行ってみると両方ともアプローチの林道が通行止めになっていたので、急きょ車の中でこの沢に行くことに決めた。
 車を、偶然見つけた清川村役場の来客者用駐車場にとめ7:46出発。谷太良B林道を歩き出すとすぐに水尻沢を越えて不動沢出合に着く。水量は少なく、全くの用水溝で若干不安になる。右岸の道を登るが、だんだん沢から離れていき、本当にこれでいいのだろうかと思う頃、沢に向かって急降下し出す。道が沢を渡るところで入渓。歩き出すとすぐにF1の10m不動の滝となる。手前の小滝を越えて水流の右に取り付く。難しくはないが今シーズン初の滝登りなので結構手ごたえがある。滝の上には小さな祠が有り、今シーズンの無事を祈願する。F1を越えるとすぐに堰堤がある。しばらくは平凡な沢を歩いて大きな2つの岩で石門のようになっている所を通り、堰堤を2つ左から巻いてちょっとしたゴルジュ状の小滝、トイ状2段4mを越えるとF2になる。落ち口に大岩が乗っているが右があいているので難なく通過。まもなく不動沢最大のF3‐15m大滝に出る。右上するバンドが教本見えたが、「丹沢の谷110」に従い右から巻く。結構大きく巻いたつもりで沢に戻ると、すぐ下に滝がある。おかしいと思い見てみるとどうもF3ではないようだ。下降してみるとその下にちゃんとF3があった。この「丹沢の谷110」に出ていない2段10m滝は明るい感じの滝で、水流のすぐ左を快適こ登ることが出来た。ここは今回の沢の中で最も美しく楽しめたところかも知れない。一直線につきあげる急峻なルンゼを左に分け、ほとんど傾斜のないF4を歩いて登ると顕著なゴルジュになり、右からF5で合わさる支流に入る。F5は水流の真ん中を登る。F6は傾斜が無く、滝と言うよりただのナメである。その上で今度は左の支沢に入り、正面が急峻なルンゼになる所で左の尾欄に上がる。あとはただ上へと登れば尾根上の立派な道に出て、右に20分程登ると登山道に出た。途中、物見峠近道の分岐でビールとカップ麺の昼食をとり、煤ヶ谷へと下山した。

コースタイム:駐車場(7:46)一不動ノ滝(8:22)一登山道(10:17)―駐車場(11:35)



谷太郎川・大小屋ノ沢

1997年6月8日   メンバー:森田(真)(単独)

 先週に引き続き、今回は谷太郎川の大小屋ノ沢へ行くことにした。
 谷太郎林道終点に車を駐車して7:26出発。不動尻への道が谷太郎川を渡るとすぐに大小屋ノ沢に沿って付けてある道に入る。この道が沢を渡るところから入渓。沢は両岸から木が被さってきていてクモの巣をはらいながらしばらく歩くと堰堤がいくつか出てくる。右に上がるとすぐに先ほどの道の続きに出て、堰堤を3つ程巻いてから再び沢に戻ると、ちょうど右岸が伐採されたあとで倒木が多くて歩きづらい。しだいに大きな岩が目立ち始め、傾斜が増してくる。その先にようやく滝が現れ、F1かと思ったらF2であった(F1はどうしたんだ!)。水流右を登る。F2を越えると短いがきれいなナメ床になり、再び大きな岩のゴーロになる。水はなくなり、開けて明るい感じのゴーロ歩きがしばらく続く。左に尖った大岩を見送り沢が左に曲がるとF3が現れ、水流も復活する。この滝は傾斜は緩いがきれいなナメ滝で、水流沿いに登ることが出来る。やがて前方はゴルジュとなり、入り口の右に20mの涸棚がある。F4は簡単に越え、ゴルジュの中のハング気味の小滝は水流左を細かいホールドを拾って登る。F5はナメ滝が2つ連続しているといった感じ。続くゴルジュを過ぎ、F6を越えると左に沢を分ける。両方とも奥に涸棚が見える。右の小滝を従えているのがF7である。左から巻く。F7を越えてしばらくすると二俣状になり左に入る(木に赤テープがある)。ナメ床が少し続き、右に滝で合わさる支沢を過ぎると沢はヤブっぽくなって、左にかすかな踏み跡がある。このままつめてみたい気もするが、「丹沢の谷110」通りに左の尾根へ上がる。尾根上には踏み跡があり、左へしばらく登って登山道と合流する少し手前のピークで小休止。雲行きが怪しいので、ビールだけ飲んでさっさと下山にかかる。登山道に出ると、せっかくここまで来たのだからと三蜂山によってから不動尻経由で谷太郎川林道終点へと向かった。

コースタイム:林道終点(7:26)―終了点(9:17)一三峰山(10:09)一林道終点(11:00)



谷太郎川・鳥屋侍沢

1997年6月15日   メンバー:森田(真)(単独)

 清川村役場来客者用駐車場を6:33出発。谷太郎川林道を鳥屋侍沢出合まで歩く。右岸のゲートのある道を進むと古い堰堤の向こうにひときわ大きいダムが見える。左から小さく高巻いて越え遡行開始。最初は、不動沢・大小屋ノ沢同様薮っぽい。「この沢で魚を釣らないで下さい」という主旨の看板が数力所見られる。放流して繁殖させているらしい。道理で沢には魚影が良く走る。ほとんど稚魚だが、なかには10cm以上のものもいる。丹沢でこんなに魚影を見たのは初めてである。うまく繁殖してもらいたいものだ。しばらくは平凡で所々倒木が目立つ。F1を左から越え、右から支沢を合わせ左にカーブしているところにF2がある。中段は2条になっているきれいな滝で、中段は右の水流を、上段は落ち口にある太い木に向かってまっすぐに登る。F2を越えると沢は右に曲がり、F3となる。これは実に立派な滝だ。左の側壁を登れるらしいが、下から見るとちょっとルートがわからない。まあ登って考えようと左壁に取り付くが、少し登ると右に残置シュリンゲがあったので、バンド沿いに右へトラバースしてみるがすぐに行き詰まってしまう。残置まで戻って暫く考えた末、ようやく良いホールドを発見して左上気味に登る。その上は、側壁から水流の左の壁に移り登っていくと落ち口近くでまたしばらく悩んだが、何とか良いホールドを見つけて落ち口へ這いあがった。ここは、決して難しくはないのだが、逆層気味でホールドがやや細かく、高度も有るので注意が必要。この先は前半の単調さを補うかのごとく小滝が続く。トイ状の滝が連続するゴルジュの出口にある4m滝は突っ張りで通過。F4を左から登ると右岸から細引きがぶら下がっていた。右俣との出合は、二俣と言うより右俣が滝で流入しているという感じ。F5も美しいナメ滝で、左から取り付き、途中から水流のすぐ右を快適に登る。その上もしばらくゴルジュの中に小滝が続き、一段落したところで伏流になる。F6は右から巻くが、所々ある赤テープを頼りに小さく巻くと失敗する。F7を越えると正面は濡れた岩壁になり沢は左へ・・・と思ったらその岩壁がF8だった。とても滝には見えない。右から巻く。その上は2つ程小滝を越え岩が詰まったCSをすぎてしばらくガレたゴーロを進む。つめは左に稜線まで見通せるガレ沢があったのでそちらに入り、適当に尾根に上がって三峰山の少し南の登山道に出る。山頂でカップ麺とビールの昼食をとり下山した。


コースタイム:駐車場(6:33)―F2(7:50)一登山道(9:49)一三峰山(9:56)―駐車場(11:25)


遡行図
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