本谷川林道が7月1日〜8月31日まで通行止めになっていたので、塩水橋横に車を置いて6:53出発。本谷川林道は車が入れないせいか、数名釣り師を見かけただけで本来の静粛さを取り戻している。林道終点から本谷川本流に入り、入渓点で対岸から大棚沢が入る。本流はすぐゴルジュになり、堰堤を2つ越える。本流は左へ曲がり、正面から入る沢が三角ノ沢で、出合の木に赤テープがある。
三角ノ沢にはいるとすぐに滝の連続になる。最初の滝は水流左を簡単に登り、次のF1は水流沿いに全身ずぶ濡れになりながら登る。左壁にチムニーがある。すぐにF2が続き、水流沿いは無理そうなので右から巻き気味に登る。さらにF3を越えると、F4,F5の連瀑となる。F5は傾斜が緩く簡単そうで水流左を登るが、落ち口で右に移るところが少々いやらしい。その上は谷が開け、2つほど小滝を越すと本流は右へ曲がる。水が流れている沢が本流に見えるが、左側の一見沢には見えない方が本流らしい。少し登ると、いよいよF6-5段40mが現れる。
この涸棚は5段とあるが、いったいどこが5段なのか全く見当がつかない。おおまかに2段になっていて、1段目の下から2段目は見えない。まず1段目に取り付くが、少し登ったところで直上は無確保では無理と判断。ややかぶり気味のバンドを右へトラバースして右側の沢状を登り落ち口の上へ出る。続く2段目は下から見ると何とかなりそうなので中央から取り付く。傾斜はきついが、ホールドは豊富で快適に登っていくと、下からは見えないやや傾斜が落ちる落ち口付近でホールドが乏しくなる。右に逃げて潅木混じりの中へ入るが、その潅木が何とも頼りなく、おまけに岩が脆く冷や汗もので何とか無事這いあがった。下段は残置ハーケンを見たが、上段は見あたらず、登る場合は冷や汗をかく前に中間支点を何本か打ってからの方が良さそうだ。とにかくこの涸棚の登攀はよく考えてからにしたい。
F6の上で沢はガレっぽくなり、F7は脆い左壁を登る。F7を登ったところで靴をはきかえ、適当なところで左の尾根に上がるが、早すぎたのか三角ノ頭まで随分登らされた気がする。三角ノ頭からは30分程で登山道に出て、右へさらに30分で丹沢山山頂である。山頂では数パーティーくつろいでいたが、堂平まで車が入れないせいか心なし人が少ないような気がする。ビールとカップ麺の昼食の後下山にかかる。稜線から天王寺尾根に下る辺りのブナ林は毎度ながら気分がいい。途中、暑さで半分脱水症状になりながら(?)塩水橋へと向かった。
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