谷川連峰 大源太川・北沢本谷(TKC新歓集中山行)

1997年8月2日〜3日   メンバー:森田(真)(単独)

 今回の新歓山行は、清水峠にテントを張るという計画なので、沢からのコースとしてこの沢をエントリーしたのだが、当日になるとなぜか沢から登るのは私だけということになっていた。
 前夜、土樽駅前でテントを張り、軽く宴会をした後仮眠する。
 翌朝、単身で大源太キャニオンへ移動、林道終点に車を置いて出発。大源太川沿いの登山道をしばらく進むと、道は丸木橋で左岸に渡り、再び右岸に渡るところから入渓。最初は適度に小滝があるが、特に問題になるところは無く先を急ぐ。何しろ「関東周辺の沢」の参考タイムでは遡行開始点から大源太山の山頂まで6時間30分となっているので、過去何回かあった暗くなってからの到着という事態は避けたいと思い、なるべく先を急ぐ事にする。(まあ今日は1人なのでそんなことになる筈は無いと勝手に思っている。)
 七ツ小屋裏沢を分けるとちょっとしたゴルジュとなるが、3つ目の滝を右岸で巻いて、踏み跡のようなものを追ったらかなり沢から離れてしまったので再び戻り、滝を巻いてすぐの所でやや強引に沢に戻る。その上の滝が登れるか心配だったが、なんと左側にロープがぶら下がっていて簡単に越えられた。しばらく歩くと正面はルンゼとなり、本流は右から7m滝となって落ちている。ここはなかなか格好が良い。7m滝の右壁を登ると、右に傾斜した変わったナメ滝が現れる。水流左から越え、しばらくすると、見晴台ノ沢と七ツ小屋沢との三俣に到着。時刻はまだ8:50。ここで朝食とし、小休止する。この“十字峡”は、正面の見晴台ノ沢に本谷と七ツ小屋沢が滝で合わさる感じになっている。特に七ツ小屋沢の滝が水量も多く立派である。
 本谷の大滝20mは、大まかに3段からなっていて「関東周辺の沢」には右のリッジを忠実に登り・・・とある。そのリッジへ続く壁から取り付き、そのままリッジへは行かず中段は水流の右を登り、右のバンドを伝い潅木の中に入り上段を巻いた。踏み跡は見あたらず、なるべく小さく巻くようにルートをとったら、運良く落ち口のすぐ上に出た。
 大滝の上は水量が減り、薄暗く傾斜もきつくなり滝が連続する。3段チムニー滝は簡単そうに見えたが、チムニーが狭すぎてザックが引っかかって登ることが出来ない。仕方なく左岸より巻くが、その上の滝もいくつか巻いてしまったようだ。沢に戻ってすぐのナメで油断していたら滑って転んでしまった。白い花崗岩質の岩はフリクションがよく効くのだが、黒っぽい岩(岩質不明)は実によく滑る。小滝をいくつも超えて沢全体の傾斜がきつくなると、やや明るい感じの10mスラブ滝となる。花崗岩のフリクションに助けられて右上し、落口下でバンド沿いに水流付近に戻り滝上へと上がるが、ここはルートを誤ると行き詰まってしまうかも知れない。登ってみると高度感もあるので要注意だ。この滝の上は沢が開け、大源太山まで草付きスラブが続いている。スラブと言っても岩と薮漕ぎが交互に来るといった感じ。あまり快適とは言えないので適当なところでルートを左にとり、山頂直下の登山道に出る。大源太山の山頂に着くと、結構登山者が多い。時計を見ると10:52。なんと遡行開始点から3時間12分しか経っていない。これは「関東周辺の沢」の参考タイムの半分で着いてしまったことになる。こんな事ならもっとのんびりしてくれば良かったとも思うが、一気に駆け上がってきた爽快感は確かにあった。
 靴をはきかえて小休止の後七ツ小屋山へと向かう。国境稜線の登山道に出てあたりを見回すが土樽からの一行は全く見えない。9人ものパーティーだから見えない筈は無かろうときょろきょろしながらすぐ目の前の七ツ小屋山へ歩き出してすぐに右の足をひねって捻挫してしまった。(何という間抜けな!平らな道で捻挫するなんて!)
 結局、七ツ小屋山の山頂で他の人々の到着を2時間程待つことになる。


コースタイム
林道終点(7:21)―遡行開始点(7:40)―三俣(8:50)―ヤスケ尾根登山道(10:47)―大源太山(10:52)―国境稜線(11:37)―七ツ小屋山(11:40)


遡行図

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