丹沢 神ノ川・エビラ沢

1995年6月17日 メンバー:岡本,貞弘,杉山,森田(真)

 神ノ川・エビラ沢は、出合の10mと大滝20mに人工登攀ルートがある事で知られているが、今回は前々日にいきなり行く事が決まったのでアブミが杉山さんのものがひとつしかなく、「あった筈」だった貞弘さんもどうやら人に貸してしまっていたようで結局もう一つはロングスリングで代用ということになった。私は人工登攀など経験が無いので前日に本を読んで予習してから望んだ(こんな事で良いのだろうか・・・)。
 6/17 23:00 相模大野駅集合。エビラ沢出合にて車+テントにて仮眠。まず林道から見える10m滝を人工で突破する事になるが、これがなかなか時間がかかる。最初に杉山さんが水流左のフェイスに連打されている支点を快調に登り右上するバンドに達したあたりでカラビナが尽きていったん下降、選手交代で森田が斜上バンド沿いに落口へ至る。ここは林道から見え、しかも右岸に遊歩道があるので上から下から入れ替わり立ち代わり見物人が絶えない。
 10mの落口はすぐ上の5m滝の釜になっていて、水流左と右壁に支点が連打されている。ここは貞弘さんがスカイフックまで駆使して(?)水流左を突破。ここの落口はちょっと危ない。結局5m滝上まではい上がるまでになんと3時間近くもかかってしまった。
 この先はいきなり開けた明るい河原が続き、天気が良くて気分がいいのでビールを一缶あける。再び谷が狭まると適度な滝を幾つもかけ、丹沢とは思えない美しい渓相で感心しながら遡行する。淵や滝壷の通過に腰まで水につかる場面もある。
 しばらく行くといよいよ大滝2段20mとなる。さすがに美しい滝だ。下段3mを登りルートをさがすが水流右と左壁にルートがあるようだが、終了点が良くわからなかったのと時間がないので岡本・森田は下段上から、貞弘・杉山は下段を降りて下から巻く。大滝上で昼食とするが、杉山さんだけ上から懸垂下降してトップロープで水流右の人工ルートにチャレンジ。結構しんどかったようだ。
 大滝の上もじゃんじゃんたきが続きじゃんじゃん登る。20m2段は水流右が一見とても簡単そうだが、実際取付くとヌメヌメなので慎重に登る。その上の10mは時間がないので巻く。その後も時間がないからつまらない所はじゃんじゃん巻こうという事になったが、どうも水線通しにいきたがる人が多くて困る。
 源頭も近づき、涸棚が連続するはずの辺りもなぜか水流があり、忠実に本流らしい方へとつめ上げると最後は短いガレのあと左の鹿道へと上がり、これまた忠実に鹿道を辿り直上するとやがて膝下の笹原となり袖平山の山頂へと出た。時計はすでに17時を指していた。山頂の標識のついた木に登って記念撮影をしてビール(岡本さんだけ水)で乾杯。貞弘さん以外は皆ヘッドランプを持っているので暗くなっても帰れるだろうと少々のんびりする。
 下りは岡本さんがころげおちる様にじゃんじゃん下って行ってしまうのでかなり速いペースで下り、林道に出るところは橋を渡らずショートカットの道をとったため、靴を脱いでの徒渉となってしまった。あとは林道をひたすら歩き、車に着いたときにはすでに夕闇が迫っていた。その後相模大野にて打ち上げ、解散。

 エビラ沢というと、やはり人工登攀の滝という印象を拭えませんが、実際はそれ以外にも滝は多く、そのほとんどは直登出来てとても楽しめるきれいな沢です。つめも薮漕ぎらしい薮漕ぎもなく袖平山へと出られるので仮に人工の二つの滝を巻いたとしても(グレードは落ちますが)充分遡行価値がある沢だと思いました。


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