奥秩父 笛吹川東沢・鶏冠谷左俣三ノ沢
1994年6月11日 メンバー:平川,森田
鶏冠谷は鶏冠尾根と戸渡尾根に挟まれた谷で、本流(右俣)以外にも左俣と鶏冠尾根につきあげる3つの支流が比較的溯行されている沢である。右俣は以前溯行しているので今回は左俣で最も楽しそうな所ということで三ノ沢を選んでみた。
西沢渓谷入口付近は雁坂トンネル工事の関係でおそるべき変貌を遂げつつある。以前使用できた村営無料駐車場も工事用車両専用になっていて今は利用できないが、少し手前にあまりにも立派なトイレがある駐車場ができていた。
6:00過ぎに駐車場から歩きだし、7:00頃鶏冠谷出合に到着するが、そこでなんと地形図と溯行図を車に忘れてきた事に気づき早朝マラソン大会になる。1時間以上のロスの後遡行開始。
すぐに魚止め滝があらわれる。3名の先行パーティーが巻道を巻いていたが、我々は当然直登ということで早速ザイルを出す。途中つかんだ残置ハーケンが折れて登高意欲を増進させられたが(?)無事落ち口へはい上がる。
奥飯盛沢出合で再び3名パーティーに追いつく。どうやら先方も三ノ沢へ行くらしい。そのすぐ上の3段8mナメ滝を巻くため左側のルンゼに取り付くが結構手ごわい。ザイルを出したりしてもたもたしていると3名パーティーは右側からあっさり巻いてしまったので我々も後を追う。
続く8×20逆くの字滝は最後の2,3歩が少々いやらしいが、後続がつかえていたので平川さんをゴボウ抜きで引っ張りあげる。二俣を左俣に入りしばらく行ったところで落ち口がちょっとかぶり気味の滝を左に巻いたところ、どうも大高巻きしすぎてどんどん沢から離れていく。これはおかしいと思い河床まで戻ってみるとそこは一ノ沢出合であった。どうやら途中から一ノ沢の50m滝巻道の踏み後をたどってしまっていたらしい。
出合上の2段15mは少し悩んでから右側から巻く。この落ち口から見る一ノ沢50m滝はなかなか美しいがとても登る気にはならない。明るい幅のある4m滝で二ノ沢が出合い、次の6m滝を直登しようと思ったが途中からシャワークライムになり冷たいので右ににげたら木登りになってしまった。
これを越えると三ノ沢出合で、最初の小滝を越えると30mナメ滝が現れる。ここは幅も広く晴天時には大いに楽しめること請け合いで水流を簡単に直登出来るが苔で滑るので油断は禁物。念のためザイルを出す。これより先はスラブ状のナメが連続してなかなか良い感じだが、部分的にガレで荒れていて水を差される。
だんだん傾斜も増し源頭のインゼル状のルンゼは左側を登る(右は行けそうになかった)。再びルンゼがひとつになるあたりで左の踏み跡に入ると奥秩父名物(?)しゃくなげのやぶこきになるが意外にあっさりと登山道に出てしまった。下山路の鶏冠尾根もなかなか楽しい尾根で、一箇所懸垂下降をした(簡単にクライムダウンも出来る)岩峰とやせ尾根、的確な“マーク・ファインディング”をしないと迷うこと必須の登山道は一度行ってみる価値があるかも知れない。下山後は東沢山荘でひと風呂浴びて帰途につく。
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