大菩薩 丹波川・小室川谷

1994年 9月 3日      メンバー:貞弘,森田

 7月に計画していて天候不順で流れていた小室川谷だが、9/4に丹波川本流(三条新橋〜おいらん淵)へ行く事になったので、その前日に急きょ決行することにした。
9月2日22:00小田急線相模大野駅に集合。国道16号線、奥多摩街道を経て泉水谷林道をしばらく入ったところで仮眠。この泉水谷林道入口のゲートはいつでもあいているらしい。翌朝小室川出合を探すのに少々時間がかかる(ここでGPSが役にたった・・・かもしれない)。
 急な樹林の踏跡を泉水谷に降りると水が随分濁っている。何分昨日は“大雨・洪水・雷注意報”が出ていたらしいのでまあ仕方がない。少し泉水谷を下降して小室川谷に入ると水はだいぶ澄んできたが、川の端で雑草が水流中でゆらゆらしているところをみると水量は相当多いようだ。幅広いゴルジュ状の谷を水流豊富に流れる渓相はなかなか立派なものである。
 進むに従い淵や釜が現れ、もう腰まで水に浸かっている。日は射さず、青空も見えない。何回水に浸かったかわからなくなる頃S字峡の3段8m滝が現れる。ガイドには瀑身を登れと書いてあるがそんな事は全く不可能で、片足掛けただけで滝壷行きはまちがえないくらい、もう恐いくらいの水量である。落口左壁を絶妙なバランスで(?) へつるように越える。
 余りの寒さに(??)松尾沢には気付かず、釜をいくつか越えると6m石門ノ滝となる。寒いので溯行図など見るのがめんどうで残置がある左壁を適当に登っていくとだんだん危なくなってきて、とうとう登ってきたバンド沿いに連打されていたハーケンがなくなってしまった。そのままバンドをトラバースするか直上するか迷ったが、「とりあえずザイルを出してビレイしよう」というかけ声もむなしく、ハーネスをつけていない事に気付き思わず苦笑してしまった。あきらめてそのまま残置シュリンゲ A0でかろうじて上にはい上がる。久々に本当に冷汗をかいた。
 次はいよいよ小室ノ淵があらわれる。どうしようか少し迷ったがこの水量とこの寒さではと2つの滝と共にあっさり巻いてしまった。ここは2つめの滝がトイ状でものすごい勢いで水が流れ落ち、巻いて良かったと勝手に納得する。これでほぼ核心部は終わりといえそうだが、暑ければもっともっと楽しめただろうにと少々もったいない気がするくらいであった。
 中ノ沢をわけ、その上の小滝群は全く手ごたえなく、ナメ滝30mで再び歓声をあげる。この滝は3段からなり中段は右を巻く。ここから先はナメ、ナメ滝が連続して楽しめるところ。ジャヌケ沢を右に、フルコンバ小屋窪を左にわけると傾斜がどんどん増してくる。今まであまり傾斜がなかった分ややつらく感じてきたので休憩してビールを飲む。側面からのガレで沢が埋まっている所もあり、小滝がいくつか埋まってしまっているのではないかと思う。そのまま沢を忠実につめて踏跡をたどるとすぐに明るい稜線の登山道に出た。なんて楽なつめなのだろう!登山道に出たところで通りかかる大勢のハイカーの視線をよそにカップラーメンとビールの昼食をとり、あとはハイカーになり澄まして大菩薩嶺、丸川峠経由で泉水谷林道へと下って行った。

追記: 下山後、塩山にて温泉に入り夕食をとってから(三条新橋から塩山と奥多摩はほぼ同じ距離です)再び三条新橋に戻り車中泊で翌日の丹波川本流組を待つ。


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